徒然絵巻
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粟谷小屋で朝食をとり、社長と二人で堂倉谷に行った。
午前中 堂倉の若水(湧き水)から下流にむかって歩いた。
不思議と魚がいない。
社長が水の中で死んでいるアマゴを見つけた。
下流に向かってみるものの ところどころで川底にアマゴの死体があった。
産卵期でもなく、婚姻色ではないアマゴの死体が沈んでいる。
アブラハヤもなにもいない。毒流し漁の可能性がたかい。
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生物反応なし |
アマゴの死体を見つけた。 |
しばらく進むと砂防ダムがあった。
「あのさかなは、何ですか?鯉かボラですか?」と 魚釣りには全く興味のない社長がとっぴに言った。
「なんじゃこりゃぁ 社長 ありゃアマゴやで」
「あまごは、シャケのように大きくなるんですか? へぇ〜」
「そうそう アマゴはシャケの仲間やから、源流にはいったら あんなんおんねん」
20メートルほど下をのぞきこむと、サケのようなアマゴが4匹浮いていた。
「社長 リュックから ルアー出してくれ!」
テンカラではとても届かない、あいにくザイルをもっていなかったので、ルアーで狙った。
ルアーを投入すると サケのような大アマゴが反応するものの、
水面から20メートル上から、投入しているため、ルアーを引くことができない。
しぶしぶ、あきらめることにした。
この場所で引き返し、昼食後、地池谷との合流点から上流へむかった。
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大杉谷 山の風景 |
砂防ダムからのぞきこんだ淵 |
釣りには興味のない社長 |
午後 堂倉谷 地池谷合流点から上流を歩いた。
水面近くを飛ぶ蝶々をめがけて 飛びついたアマゴが勢いあまって岩の上に乗り上げはねていた。
悠々と泳ぐアマゴ、澄み切った水、ほとばしる水しぶき
木々の香りが渓谷を包み
水面の輝きの中に トンボが憩う
豊かな堂倉の自然を体で感じ、テンカラを振る。
ハイループが弧を描き、アマゴが舞う。
沈む毛ばりを追うアマゴ
ゆっくり 咥え、アマゴが反転する。
手のひらを伝うアマゴの気配
左岸の枝谷をすぎ、大きな淵にたどりいた。
しばらく 淵に咲くツツジを眺めた。
地図上では二股の手前にさしかかるところで砂防ダムが現れた。右岸をのぼると あれはてた廃道にでた。
トリカブトが群生していた。
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トリカブト |
廃道から見えた風景
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≪あとがき≫
自然が豊かな大杉谷源流部ですが、密漁が横行
しています。
毒流しをする者や鑑札を持たない密漁者です。
無鑑札で入渓しようとしていた人に遭遇し注意させ
ていただきました。
洋風毛ばり雑誌のモデルのように道具・服装にお
金を掛けるのもいいのですが、せめて鑑札くらい買
って入渓してほしいものです。
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朱点が非常に美しい堂倉アマゴ
(撮影場所) 堂倉谷上流部 |
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