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2004年08月12日
宮川上流 大和谷 継代飼育遺伝淘汰型  頭部近影


(撮影場所) 宮川上流 大和谷
 
(特   徴) グロテスクな朱点 ・ 虹彩の形状が “イワナの目”


宮川上流漁協管轄区域における放流種苗は、すべて同じ業者により生産されたものであり、養殖されているアマゴのほとんどが数世代にもわたり継代飼育されている。そのため、過密養殖プールの中では、家魚化や淘汰がすすんでいる。

大和谷および宮川ダム下流の各支流の稚魚放流河川では、金太郎飴を切ったように、どの谷でも おなじように朱点がグロテスクな、気味の悪いアマゴがつれるのは、宮川上流漁協管轄区域における放流種苗生産業者がすべて同じためである。

この放流種苗生産場では、継代飼育された親どおしを交配させ続けたため養殖プール内で遺伝的淘汰がすすみ、朱点が異常に濃いアマゴばかり出現することが特徴である。

朱点の形状も 輪郭のはっきりした 角ばったイビツである。

(天然型の朱点は、おおむね 丸く・朱点外周がほんのりぼやける。)

今回のサンプルも、大杉谷独特の遺伝的多様性は全く認められない化け物アマゴである。



朱点だけでなく虹彩も奇異である。イワナの目をした化け物アマゴである。

(注: サンプル個体は、酸欠により瞳孔が開いているのではなく、もともと このような目をしている。)

一般的な アマゴ 山女は 虹彩が 5〜6個点在し “瞳が星状に見える”ということが特徴であるが、
宮川上流放流種苗は、虹彩がほとんど消失し、アマゴ本来の星状の瞳を喪失している個体が多い。

これらの化け物アマゴの遺伝子を、在来型アマゴがいる父ヶ谷ほかに、ばら撒いているため在来個体群との交雑がすすみ、宮川女流管轄河川では、在来型のアマゴの特徴が薄れつつある。

(余談)

宮川上流では、漁協放流だけでなく 一部のボランティアグループや 釣り人により、積極的にこれらの継代飼育放流種苗が、放流されている。

慈善ボランティア活動の実態は、在来型アマゴの系統破壊・遺伝子の撹乱に思えてならない。
在来個体群の棲息状況を充分に検討した放流を切望するものである。

漁協および、ボランティア活動家の生物多様性・系統保存に対する意識が少ないことが、紀伊半島の来型アマゴの存続を危うくしていることに気づいてほしいと考える。




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