徒然日記

2004年09月05日

尾鷲 渓遊アマゴ博物館(尾鷲竹株邸)   竹株流 カルタ遊び
(行き先) 渓遊アマゴ博物館(尾鷲竹株邸) 

(目 的) ポジフィルム選別

(内 容)

尾鷲市、【東紀州まちかど博物館】 渓遊アマゴ博物館 に行った。

先週、竹株希朗氏より、紀伊半島在来アマゴの生物多様性の紹介用に秘蔵の水槽写真を活用してはどうかとフィルム提供の申し出をいただいたものの、所蔵フイルムが、ネガではなく、マウント式ポジフイルムで保管されていることから、当方のPC環境では活用できず、また、写真印刷するにしてもネガの数倍のコストがかかるため、躊躇していた。



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ネガであれば、1短冊に6コマ収納されており、36枚とりフイルムなら6短冊(6回の作業)のため、カメラ屋にもちこめば 1000円程度の安価でデジタル画像としてCDにしてもらえる。

これに対して、マウント式ポジフイルムの場合は、ひとコマづつ ばらばらに分かれているため機械で一括処理することができず、さらに 幻燈投射用にボール紙の台紙に貼り付けてあることから、一枚一枚台紙をはがす作業と、台紙にはり直す作業が発生する。

そのため、ネガのように安価にCD化することはできないらしい。ポジフイルムをCD化する場合の見積もり金額をみて閉口した。(CD一枚で ダイワのテンカラ竿が2本買える。)

写真に焼いてから スキャナに取り込むにしても、ポジの場合は一般的ネガフイルムの6倍以上かかるらしい。(焼き増し料 ネガ 35円→ ポジ180円)

竹株希朗氏ご自身も、コストがかかるため写真にはしていないとのことだった。

所蔵フイルムが、数万コマであるから 単純計算で、写真にするだけでも数百万円かかるため、写真にしていないらしい。いや 費用的にできないらしい。 

なんとも、高くつくフィルム・・・・・・・・・・・

このような理由から、一週間悩んでいた。

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フィルムの選別準備ができたとの電話をいただき、WEB掲載用フイルムのリストアップと、採捕時の情報を整理するため 渓遊アマゴ博物館を訪れた。

尾鷲竹株邸につき、所蔵ポジフィルムを拝見し驚いた。

『紀伊半島のアマゴの系統保存のため、君のHP で活用しなさい。』と笑いながら

アルバム型保管シート数冊のほかに、 ダンボール製みかん箱 数箱が つぎつぎと 書斎に運ばれてきた。

半世紀をかけてとり続けた膨大な数のポジフィルム。数万枚のポジフィルムの山・・・・・・・

水系ごとのアマゴの違いが分かるよう、変異個体ではなく、オーソドックスなものを、50枚ほど選別することにした。

ほとんどのフィルムには、渓谷の名前が記入されていなかった。
蛍光灯にフィルムを透かしながら、水系ごとにわけた。

このときの様子は、ポジフィルムでカルタ遊びをしているようだった。

竹株希朗氏が、

「これはどこの谷のアマゴでしょう?」といいながらフィルムを差し出す。

「池郷の上のほう!!」
「よおわかるなぁ」

「これは?」
「前鬼の不動の滝より上流!!」

「これは?」
「父ヶ谷 !!」

「たいしたもんやなぁ」

しばらく、選別作業を忘れ、カルタ遊びになってしまった。

不思議なもので、アマゴには、それぞれ 顔があり、渓谷ごとの雰囲気というものがある。
私も、アマゴを見れば だいたい どこの渓谷で撮影したものかわかる。

とりあえず、WEB掲載用(特別アルバム 竹株渓遊の世界)の50枚の選別作業を終えた。

費用的に厳しいものがあるが カメラ屋にもちこみ CDにしてもらうことにした。

ひと段落しているとき、地震がおき、揺れがおさまるまで、竹株希朗氏とふたりで、魚類関係の書籍で満杯の本棚がこけないよう押さえていた。竹株氏の奥様は、揺れの恐怖でパニック状態になっていた。

尾鷲市内は空襲警報のようにサイレンが鳴り、街頭スピーカーで 津波に警戒するよう呼びかけていた。 

松阪の方は気にならないかと訊ねられたが、耐震マンションですから大丈夫ですと答えた。

23時に 尾鷲竹株邸を出て、松阪の自宅に向かった。

1時過ぎに、自宅マンションの玄関を開けたら、家の中がめちゃくちゃになっていた。

車を運転していたため気がつかなかったが 午前0時ごろ 2発目の地震があり松阪は震度5だったらしい。

熱帯魚の水槽の水で床中みずびたし、食器棚の食器はわれ、廊下にかけていた額などもすべて落ちていた。

地震の後始末に、明け方までかかった。


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