個 展■CASO■20010・Osaka

TOMODA Taeko exhibition
Locus of paper:12  The soft space


海岸通ギャラリー・CASO (大阪)

私たちはなにかを失ってしまったのでは?
だから今、それを取り戻そうとつとめるべきだと考えます。科学の成立のために感覚の世界、見る、嗅ぐ、味わう、触れる、
感じる世界に背をむけすぎたのではないでしょうか。
私が今、関心を持っているのは、紙を通じて表現する触覚です。ぶつぶつ、ごわごわ、つるつる、ざわざわ、これらの感覚
が私を捉えて離さないのです。これらの感覚は目を通じてあるいは手、指、身体を通じて私たちに深く作用します。このよ
うな手ざわり、触れるという感覚は直接的で親密なものです。
メディアを通じての視覚が優先されてしまい、インターネットなど世界同時発信の情報が溢れかえり、何が定かであるのか
極め難い昨今、確かな事は目の前にある「人」「モノ」との関係ではないでしょうか?
人と対面し、モノと対峙し触れ合うことで、私たちは自分の「生」を確かめます。
どこか目にみえないもの、奥深いところ、頭の中でざわざわしていてなにかとは言いあらわせないそんな命の手ざわりを、
紙を通じて感じてみたいのです。人間も自然の一部、宇宙の中の小さな存在です。そんな直感に従って紙の制作を通じて、
「生」を力づけるものとして表現してみたいのです。



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