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私はバイクに乗って旅をしている。
私は風を切って走るのが好きだ。
春、夏、秋、冬。
四季によって風はまったく違う。
また、都市と田舎、山、林、海、川、それぞれの場所でまったく違った風が吹く。
バイクに乗って走っていれば、その風を感じることが出来る。
だから私はバイクで旅をする。
私は春の風が好きだ。
特に山からの生命の息吹を伴った風がいい。
あと、海からの風もいい。
海には風を遮るものが無いから
あるがままの姿の風を私は感じることが出来る。
それに春風は祐巳ちゃんだから。
春の風は私をやさしく包み込んで、とても穏やかな気持ちにさせてくれる。
それは祐巳ちゃんといるときに感じた心地よさに良く似ている。
祐巳ちゃんのところから離れて、ちょうど一年と八ヶ月がたとうとしている。
その間に私は多くの町を旅し、多くの人に出会った。
そして、いままでの世界とはまったく違った世界をいくつか見てきた。
私は都市を旅するのはあまり好きではない。
たいてい都市を吹く風には草や木の匂いがしないから。
それに都市の持つ空気が好きではない。
メイヤの歌の歌詞にこんなのがある。
It's all about the money
It's all about the dum dum duh dee dum dum
And I don't think it's funny
to see us fade away
It's all about the money
It's all about the dum dum duh dee dum dum
and I think we got it all wrong way
彼女の歌いたいことと私の思うこととはだいぶ違うのだろうが、
私はこの歌を聴くたびに、都市を走るたびに思う。
ここにあるのはお金のことだけではないのかと。
ここには日々お金を稼ぐためだけに働いて
そこには人のぬくもりや愛情を感じる心のゆとりのない人が大勢いる。
ふと、考える。
彼らは幸福なのだろうか、と。
確かにこの世界で生きていくためにはお金が必要だ。
だから人は必死で働く。
より良い生活を求めて、より自分の求める生活に近づくために。
でもその先にまっているのは本当に幸せなのだろうか?
心をすり減らして、お金のために働いて、それは幸せにつながるんだろうか?
私はそうは思わない。
私は質素な生活であったとしても好きな人と一緒にいたい。
そう思う。
けれど、あの時の私も、今の私も、そんなことは望めない。
私はきっとあまりに祐巳ちゃんに依存してしまうだろうから。
それで私だけが駄目になるならいい。
けれど、きっと私は祐巳ちゃんも駄目にしてしまう。
あの子はあまりにやさしすぎるから。
だから私は旅をする。
旅をして、一人で旅をしていれば私は強くなって、
祐巳ちゃんと一緒に肩を並べて歩いていけるとそう思ったから。
私はある時から
都市でもなく、かといって田舎でもない、どちらでもなくて、どちらもが交わるような
そんな所を選んで旅するようになった。
ある人にであったからだ。
その人とであったのは私が旅を始めてすこしたった頃のことだ。
その人とであうことで、
私は人は一人では強くなれない、
人が強くなるには人との出会いが必要なのだと気づいた。
私は一つの町にたいてい三日ほどいるともう次の町へと行く、そんな旅をしていた。
その人とは私がそんな風に旅をしていて立ち寄った町の小さな店で出会っただけなのだ。
本当にその時はただ、立ち寄っただけ。
そこで二ヶ月も時を過ごすなんて夢にも思っていなかった。
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〜一息〜
やっと聖様がかけた〜。
しばらくは聖様とオリキャラ中心になる・・・・・・かな?
それと謝っておきます。かなりなまいきなこといってます。すみません。