歌に思いをこめて

 

「ううん・・・」

目が覚めてあたりを見渡してみるともうすでに真っ暗で

あれ・・・?私いったい・・・ああ、そうだお姉さまとまた思いがすれ違ってしまってそれでけんかをしてしまって

ただお姉さまの前で泣き崩れるのがいやで

だってそのまま泣いてしまったらすれ違いがもっと大きくなるとそうおもったから

その場から逃げ去るようにしてこの温室へときたんだ

そして、ここで思いっきり泣いてそのまま泣きつかれて寝てしまったんだ。

 

たぶん今の私は目のあたりが真っ赤で悲惨な状態なんだろうけど、おれからだいぶ時間もたっていくぶん気持ちもおちついていて

「よし。さあ、帰ろ。」

いつまでもここにいたってしょうがないし、なによりまた気持ちがしずみそうになる。

今は早く家に帰ってゆっくりと疲れた心をいやそう。そして、明日、お姉さまと話をして仲直りをしよう。

そう思い自分に一言喝をいれて温室をでてみると

どこからか歌声が聴こえてきて・・・

その歌声は思わずききほれてしまうような美しく澄んだ声で・・・

だけどどこか悲しい感じがして

なによりその声が私を呼んでいるような、そんな感じがしたから

私の足はその声の聴こえてくる方へとかけだしていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人の気配がして、もしかしたら聴かれていたのかなとすこし恥ずかしく思いながら後を振り返ると

「ゆみちゃん?」

そこにはよくみしったツインテールの女の子が目に涙をうかべてたっていて

いや、よく見てみると頬に涙のあとがあるし、なにより不自然なぐらい目が真っ赤だ。

ああ、そうか。なにがあったのかはしらないけれどゆみちゃんに何かかなしいことがあって

それで私の声を聴いて、また悲しみがこみあげてきたんだ

だって、私は悲しくてないていたんだから、その感情がゆみちゃんにもうつってしまったんだろう。

あれから二年たった今でも私は栞とのことを忘れられない。

そして時々、ふとした瞬間にあのときの悲しみが心にあふれてきて

私の心は押しつぶされそうになるから、だからそのたびに私はここで、この桜の木のしたで歌を歌っている。

そうやって悲しみを心から吐き出さないと私は私でいられなくなりそうだから。

 

 

 

「ごめんね、ゆみちゃん。私のせいでまた涙を流させてしまって。」

ゆみちゃんは私に突然謝られて、いぶかしげな表情をみせているけれど、私は謝らなければいけない、と

そうおもったから。だってゆみちゃんが今ここで泣いているのは私のせいなのだから・・・

でも、何でゆみちゃんがここにいるのだろう?もうあたりは真っ暗だ。いくら山百合会の仕事があるといっても

遅すぎる

「ねえゆみちゃん。なんでここにいるの・もう、下校時間とっくに過ぎちゃっているよ?」

「それは・・・」

聞かれたとたんゆみちゃんの表情が悲しいものに変わったから、だからわたしは

「話したくなければ無理にはなさなくていいんだよ?」

そう一声かけるとゆみちゃんは

「いえ・・・。私またお姉さまと喧嘩してしまって、でもお姉さまの前では泣きたくなかったから、そのまま温室にかけこんで、

そしたらそこで泣きつかれてねてしまって・・・

気が付いたときには夜になっていて・・・。それで温室からでたら・・・」

ゆみちゃんがそこで突然黙り込んでしまって、何かをいおうかいわまいかして悩んでいて

けれど私はなぜかその先をききたくてしかたなかったから

「温室からでたらどうしたの?おしえて」

すこしためらってからゆみちゃんは

「声が・・・。聖さまの歌声が聴こえてきて・・・・その声が私をよんでるようなきがしたから。

 そう思った瞬間に、ここにこなきゃいけないとおもったから、だからここに来ました。」

 

 

 

 

 

 

私がゆみちゃんを呼んでいた?

それをきいたとたん、私の心になにかが湧きあがってきて・・・

ああ、そうか。そうなんだ。

私はゆみちゃんを欲していたんだ。

私自身でさえきずかないうちに

この子は私の心を癒してくれるから

この子が私の隣にいるだけで、この子の笑顔にふれているだけで

私の心は光にみたされて、その光で私の傷ついた心をやさしく包み込んでくれるんだ。

この子がほしい

もっと触れていたい

今、どうしようもないほどに私の心はこの子を求めている

この感情は愛だとそうおもっていいのかな・・・

 

 

 

「ゆみちゃん。一曲聴いてもらえるかな?ゆみちゃんのために歌いたいんだ。」

「わたしのためですか?でも、どうして?」

「ゆみちゃんがここにいるから、私の声を聴いてここに来てくれたから。

 その感謝の気持ちをこめて。」

 

 

 

 

 

 

私はいま歌っている。

この子にめぐり合わせてくれた神への感謝の気持ちをこめて

私のもとにきてくれたこの子への感謝の気持ちをこめて

そして私のこの子へのおもいをこめて

いまなら私はこの思いを告げられるかもしれない

だってわたしは今自分の気持ちとはっきりと向き合っているのだから

 

 

 

 

 

 

私が歌い終えると、いつの間にか隣にゆみちゃんがたっていて

大粒の涙を浮かべている

なぜ泣いているの?

その涙はだれのためのものなの?

私のために泣いてくれている?

私の思いが届いたのだとそうおもっていいのかな?

ゆみちゃんも私と同じ思いを抱いてくれている そうだよね

だってゆみちゃんは私の心を聴いてここにきてくれたんだから

だから私は一生ぶんの勇気をこめて、この思いを告げるよ

「ゆみちゃん・・・・・」

I Love You.。私は君を愛しているんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

<あとがき>

ss1作目です。まったくもってなにがかきたいのかわからないおはなしです。かいてる本人ですらわからん。

いまはこのていどのものしかかけないんで、ゆるしてください。

あと、よんでくださったかたがた、できれば感想を掲示板に書き込んでください。こんごのはげみにします。

 

 

 

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