第2話「諦めること」
「あ、じゃあいいです。村に残ります」
「え・・・?ちょっ、」
村長の制止も虚しく、アルフレッドは背を向け、歩き始めています。
〈まぁ、仕方ないかな。あの古文書を手放すわけにはいかない〉
アルフレッドは自分に言い聞かせました。
数日後。
アルフレッドはいつものように自分の本屋でうたた寝をしています。客といえば村長が一日一回来る位です。
アルフレッドは物音で目を覚ましました。いつものように村長が来たのです。いつものように立ち読みをすると思いきや、真っ直ぐにアルフレッドの
方へ歩を進めています。目をしっかり見つめてこう言いました。