第3話「突然の誘い」
村長はこう言い放った。
「アルフレッド、この間はすまなかった」
「え?あ、はい・・・」
村長は少し間を空けて眉間にしわを寄せながら言った。
「一緒に旅に出よう」
「は?」
アルフレッドは耳を疑った。
「あの時はお前一人で旅に出てしまうのが羨ましくて・・・実はわしも旅に出たかったのだ。」
「どういうことです?」
「わしも村長の息子ということで継いでしまって色々が役務に追われる毎日を過ごしていたが若いときは村を飛び出して旅に出たかったのだ。ついこの間まではその心を忘れとった。」
「村長・・・」
「しかし・・・昨日息子が村長の座につく事が決まったのだ。だから・・・」
村長は言葉を詰まらせた。
「でも村長は今年で60歳でしょうに」
「いや、年など関係はない!体と心はしっかりと付いてきておる」
アルフレッドは少し悩みこう決断した。