第13話「ワンダフル・トラップ」

ドラゴンボールを求める仲間は3人へと増えた。

現在ドラゴンボールは4個、とりあえず半分は過ぎたということか。

昨晩、ギャンビットはガッツポーズした後卒倒して寝てしまった。アルフレッド自身もかなりの寝不足とストレスのため寝てしまったのだ。結局起

きたのは昼過ぎだ。ギャンビットは完全に酔った勢いで出た戯言だと思っていたがどうやら仲間になりたいという感情だけ残っていたようだ。な

ぜだか不明だった。二人が起きた後アルフレッドはラバ、村長は馬、ギャンビットも馬乗った。馬は裏手の納屋にいたようだ。アルフレッドはちょ

っとだけむかついた。

気持ち悪い仲間だがいざというときに役に立つはず、それだけが彼らを連れて行く理由である。決して村長だからとか友情だとかましてや禁断

の愛なんかではない。すべてはドラゴンボールのためだ。

話は少し変わるが村長もギャンビットも酒を飲むとオカマになるようだ。もうこの試練で酒を飲むところはないだろう。二度とこいつらのオカマは

拝みたくない。

そうごちゃごちゃ考えている次の試練にたどり着いた。今度は神殿のようなところで今までの雰囲気とはまったく違っていた。

「これで最後デース」

ギャンビットは予想外の言葉を口にした。

「なに?まだ3個残っているはずだぞ」

「そうじゃ、まだ3個じゃ」

「最後は3人の長老が相手しまーす。」

「つまり、これに勝てばもうドラゴンボールは揃うんだな?」

「そうでーす」

アルフレッドは心の中でガッツポーズをした。

「それで最後はどんな試練なんだ?」

「しりませーん」

「は?・・・おかしいだろ、だってお前300年前にドラゴンボール集めたんだろ?」

「あ〜あの時は各地に散らばってたんです。それを集めただけデース。それで250年程前ブルックベリー村ができたときにドラゴンボールが奉

納されたみたいデース」

「それじゃあ、事前対策はできないのか・・・」

「まあ、いざとなったら私に任せてくださーい。なんと言っても不死身ですかーら」

あまり頼りにならないような気がしたが一応ノッておいた。

「ああ頼む」

「頼んだぞ」

村長にとってこいつの存在は相当でかいだろう。最高の身代わりだからな。

「よし、とにかく入ろう」

神殿の前にはドデカイ柱が何本も立っている。まさに圧巻だ。

中に入ると広い部屋があった。

壁には多くの彫刻がしてある。確かにここが観光都市だったことを物語っている。

ただし、そこにはなんといくつもの髑髏が転がっていた。

「なんという光景じゃ」

「三人の長老は一番奥で待っているといわれています」

ギャンビットは正面にある通路を指差した。通路の先は真っ暗で見えない。

「この先か・・・」

その通路には罠が仕掛けられていることは明白だった。

「ギャンビット、先に行ってみろ」

「いーですよ」

あっさり快諾してその通路へ進んだ。アルフレッドたちも通路前まで来てギャンビットを見守った。

「じゃあ行きますよー」

「ああ」

とりあえずギャンビットなら心配はない。アルフレッドはそう思った。

「わぁー、なんですか。この蜘蛛の巣は!?」

確かにものすごい量の蜘蛛の巣だ。

ギャンビットは嫌がりながらも突き進む。

すると次の瞬間金属が擦れるような鋭い音がした。

「おい!ギャンビット!!」

 

 

トン・・・

 

村長は自分の足に何かが当たったのに気付き下を向いた。

それはギャンビットの首だった。おびただしい量の血の道ができている。

「何が起きたかさっぱり分かりませんでしたよ」

落ちているギャンビットが言う。

アルフレッドたちはギャンビットが不死身ということは知っているが分かっていても恐ろしいものだった。震えが止まらなかった。

奥の方から首なしのギャンビットが戻ってくる。

体は首を拾うと慣れた感じで首を付けた。

二度とみたくない光景である。この世のものではない。

アルフレッドはドラゴンボールに少し恐れを感じたが両頬をパンパンと叩き気合を入れた。

「とにかく、この通路を突破しなくては三人の長老に会えん。なにかいい案はないか?」

アルフレッドは二人に聞いた。

「いたたた、すごい頭痛じゃ。二日酔いかな」

(また、始まったよ・・・・もう期待してねーから)

「とにかくここは俺とギャンビットの二人で何とかします」

「おお、そうかそうか。じゃあわしはここで休んでおるよ」

「どーしますか?」

ギャンビットが聞いてくる。アルフレッドはうすうす感づいていた。こいつは不死身になったせいですべてが鈍感になっている。もともと300歳以

上のジジイだ、確実にドジったりするだろう。役に立たない、そう思うと冷や汗が出てきた。

(何とかならないか・・・)

アルフレッドは必死に考えた。

数分後

「これしかない!」

アルフレッドは砂遊びしているギャンビットを呼び寄せた。

「どーいう作戦でーすか?」

「いいか、よく聞け・・・」

 

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