4.経済活動
(1)経済成長の必要性
「恒久的な世界平和と地球環境維持」という世界ビジョンにとって、 経済発展は必要なのでしょうか?
日本の高度経済成長の時代は、 日本では経済発展の優先度が非常に高かったと思います。 私は、高度経済成長時代ほどではないにしても、 少なくてもまだしばらくは、 世界人類にとって経済成長は必要だと考えています。 理由は以下です。
私が、今こうして、こんな文章を書いていられるのも、 科学技術の発展と経済成長のおかげです。 もし、200年前に生まれていたら、 田んぼの雑草取りが忙しくて、 とてもこんなことをする時間はありません。
とは言え、 何をやって経済発展させるのか、 要するに何をやって金儲けをするのかは、 ビジョンに照らして、よく考える必要があります。
例えば、地球環境を犠牲にしてまで、 金儲けをしようとする輩は、人類の敵だと思います。 地球と人類のより良い現在と未来をもたらす、 製品やサービスで金儲け(経済発展)するのは、 非常に良いことだと考えています。
資本主義経済というのは、 経済発展をもたらす優れた仕組みだとは思いますが、 「悪い金儲け」に歯止めをかけられないというのが、 大きな弱点です。
昔から人類には、人類を「悪」から守るために、 「宗教」というすばらしいものがあります。 残念ながら、近年では、うまく機能していないケースも散見されます。 法律や国際標準なども活用し、人類が「悪」に陥るのを 人類自らの手で防ぐ必要があります。
(2)景気の良し悪し
景気が良いというのは市場にお金がたくさん流通すること、 逆に、景気が悪いというのは市場にお金があまり流通しないこと だと聞きます。
お金が流通するということは、 みんながお金をたくさん支払っているということです。 要するに、お金を払いたいと思える製品やサービスなどの価値が、 たくさんあるということです。
この場合の「価値がたくさんある」は、 「お金を使わずに溜めておきたい」という 気持ちとの相対的なものです。 「お金を使わずに溜めておきたい」という気持ちは、 「将来の不安」などから時代とともに変動しますので、 「価値がたくさんある」と言える「価値の量」も 時代とともに変動します。
景気を良くしたいのであれば、 お金を払いたいと思えるような価値を たくさん生み出すしかありません。 日本全体の景気を良くしたければ、 日本で生み出している価値の総量を増やすしかありません。
サラリーマンは、給料が安定しています。 他の職業に比べて、 「どうせ給料は変わらないから、 出来るだけ仕事をサボりたい」 と考える人は多いような気がします。 「給料をもらうためだけに仕事をしている」と考えてしまうと、 どうしてもこういう思考に陥ってしまいます。
どんな職業でも良いので、 「自分は日本経済、世界経済に貢献している」 という気持ちで働きたいものです。 みんなが、 「自分の仕事で出来る範囲で、 最大限の価値を提供する」 という気持ちで働けば、 「不景気」という言葉は死語になるのではないかと思います。
資本主義経済というのは、 「価値」を提供しないと「淘汰」される仕組みです。 「自分は日本経済、世界経済に貢献している」という 志をもっているかどうかに関係なく、 「淘汰される恐怖」から「価値」を提供さざるを得ない仕組みです。 「価値」を提供する努力を怠ったもの、 努力したけれども残念ながら結果が出なかったものは、 退場せざるを得ない仕組みです。
人間も動物であり、 弱肉強食の世界でしか、 実力を発揮しないのかな?という気もします。
(3)これからの日本人の経済発展
私が子どもの頃は、日本は「加工貿易」のおかげで、 豊かな暮らしが出来ると習いました。 外国から輸入した原材料を製品にする「技術力」という 「価値」を提供していたということです。
近年、日本の「加工貿易」には陰りが見えます。 日本よりも、もっと安く製造できる国がたくさんあります。 そして、彼らの技術や品質は、年々向上しています。 日本が「加工貿易」で儲け続けられると 信じている人は少ないと思います。
これからの日本人は、 「恒久的な世界平和と地球環境維持で世界をリードする日本人」 として、 どういう価値を提供することで経済発展するべきかを よく考える必要があります。
グローバルな時代ですので、既存の技術力に国境はありません。 既存の技術力だけでは、究極的には、 どの国も横並び(or人口が多い国が強い)になると考えます。
いずれは追い付き追い越されるかもしれませんが、 少なくても今の日本は、まだまだ経済力も技術力も高いです。 これを生かして、次世代の世界経済を支えるような、 新たな技術力を獲得したいと考えます。 有力候補のひとつが、自然エネルギーの活用技術と考えます。
地球上の生物が生きていくエネルギーの源は、 太陽から降り注いでくるエネルギーです。 1年間に地球が太陽から受けるエネルギーは、非常に膨大です。 いくら科学技術の進歩により、使うエネルギーが増えたといっても、 人類が1年間に使うエネルギーは、 太陽エネルギーのほんの一部で十分なはずです。 これが地球上の生物として、一番基本的で、 安全なエネルギー獲得方法だと考えます。
太陽からのエネルギーとは、 太陽光を直接電気エネルギーに変換する太陽電池はもちろん、 風力や波力などの気象現象を活用するものも含みます。 さらに、バイオ燃料も含めたいところですが、 人類の食糧問題を考えると、少なくても現時点では含められません。 恒久的な世界平和のためには、 エネルギー問題よりも食糧問題を優先的に解決すべきです。
化石燃料も、バイオ燃料と同様に、 もともとは太陽からのエネルギーに起因するものです。 しかし、バイオ燃料と違い、 非常に長い歳月をかけて蓄積したものを ほんの一瞬で使い切ろうとしています。 ですから、地球温暖化など、地球規模の異変の原因になっています。
原子力(核分裂)エネルギーは、 今の人類が手を出していいものとは思えません。 百年後、千年後、一万年後、十万年後、百万年後の地球の生態系や 人類(まだ生き残っていれば)への悪影響まで視野に入れた場合、 今の人類は、放射性廃棄物を安全に処理する技術を 持っているとは言えません。 あまりに身の程知らずであり、 本来であれば、手を出すべきではなかったと思います。 とは言え、原子力に手を出してしまった過去は変えられません。 「明日から原子力発電を全部やめて自然エネルギーに切り替えよう」 というのも、現実的ではありません。 3年後、5年後、10年後、20年後という タイムスケールのマイルストーンを設定し、 人類全体として脱原子力を推進していく必要があります。
原子力発電は安いが、自然エネルギーは高いという説があります。 検証方法がないのでよくわかりませんが、 確かに今はそうなのかもしれません。 電力の集中生産を大前提に、技術開発をしてきたわけですから、 集中生産のほうが安くて当然という気はします。 でも、それは、あくまでも現時点までの話です。 3年、5年というレンジで、電力の分散生産を前提に、 自然エネルギーの低コスト化を進める必要があります。 ここに、日本の技術力の活路があると考えています。
エネルギーも、景気を支える「価値」ある商品です。 経済発展の視点だけで言えば、 トータルで同じ量を生産できれば、集中でも分散でも、 どちらでもかまいません。 むしろ、集中のほうが送電ロスが大きいはずなので、 分散のほうが少しマシではないかと思います。
最後になりますが、核融合エネルギーについても、 言及したいと思います。 核融合発電が実現するかどうかわかりませんが、 放射性廃棄物問題がない(orかなり軽微?)らしいので、 核分裂エネルギーよりは、はるかにマシに思えます。 とは言え、節度を超えた利用、 すなわち太陽からの恵み以上に 膨大なエネルギーを生産することにより、 何らかの形で地球全体のバランスを おかしくすることがないように注意する必要があると考えます。