岱明町シャク(シャコ) (2003.6.1)
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有明海は、玉名郡岱明町鍋の松原海岸で名物の「シャク(シャコ)」釣りに挑戦してみた。
熊本の人間なら、一度は聞いたことのある釣り(捕り)方で、干潮時の海岸に鍬で砂を削って
中から出てくる穴に筆を差し込み、敵と筆を間違えた穴の中に住むシャクが筆を押し上げてくるところを、
指で摘まんで捕るというユニークな漁法だ。
以前から、一度やってみたかった釣りで、熊本レジャー情報によると5、6月が旬とあったので、家族を
誘って行ってみることにした。
地元のホームページ等で紹介されている通り、筆に、ダンボール箱等を梱包する際に使う硬いテープを
20cm程の長さに切ってビニールテープで固定して、専用の筆を作ってみた。このテープが風に揺れて
微妙な振動を筆先にあたえるのだという...。
とりあえず100円ショップで10本買ってきて作ってみたが、我ながら良くできた。なんか
釣れるような気がしてきた。地元のベテランは一人で70匹以上捕るというから、私は初めてだし、
20匹くらいかな...。(笑)
専用の駐車場に車を停めて海岸に入る。しっかり門番がいて、有漁料を一人1,000円(小学生500円)取られる。
さすがに1才半の息子の分は取られなかったが、家族で2,500円(筆まで入れると3,500円也)はちと痛い。
とりあえず記念撮影をパチリ。正面堤防の左側がポイントで、写真の左部切れている部分から更に左に行くと
漁業関係者専用の立ち入り禁止区域で、竹を沢山刺して境界線を作ってある。結局、一般客が入れるのは
堤防から左の写真に写っている範囲のみということになる。この狭いエリアに連日、何百人も入って来るのだから
大変である。アサリ等は捕り尽されているハズと思いきや、沢山捕れるのである。そう、潮干狩り客用に
頻繁にアサリを撒いているそうである。なんか詐欺っぽいが、現代社会においては、こうするしか方法が無い
のであろう。写真奥の人が沢山集っているところがアサリポイントで、おじさんが前日、あのあたりに撒いたとか
言っていた(爆)。シャクは手前左がポイントである。
さすがにシャクは天然のようだ(笑)
まずは確実に捕れるアサリを確保しようと、人が一番集っているところに入り、家族皆でアサリ捕りを始めた。といっても
写真のように、1才半の息子は一人で泥遊びをして、私はというと、どうしてもシャク釣りが気になり、ポイントでも
ないのに穴に筆を突っ込みシャク釣り(上写真の左下)をしながらアサリ捕り。
しばらく私もアサリやハマグリを捕っていたが、残り時間を考え、手前のシャクポイントでシャク釣りを始める
ことにした。
ところが、事前に収集した知識だけでは足りなかったのか、うまくいかない...。穴はかなりあるのだが、
10本差し込んでも反応あるのは1〜2本で、そのうち上まで上がってくるのは10匹に1匹程度...
やはり、連日、この狭いエリアにこれだけの人が入り込んで捕っていくのだから、穴の数に対してシャクが
少なくなっているのだろう。また、連日攻められているため、スレているのか...、そんな事を考えていると
近くでやっていた親子に目がとまった。お父さん、ぽんぽん捕っているではないか!!何故!!
直接、聞いてみるのはプライトが許さないため、横目で観察してみたが、基本的には同じやり方のようだ。
う〜ん、何が違うのか...。たまに上まで上がって来るのだが、ハサミの先が指に触れるか触れないかの
ところから、それ以上、上に来ないので、どうしようも無い。そこでハサミを掴むと、シャクが慌てて潜ってしまい
ハサミだけもげてしまうのだ。
(こんな感じで穴に入れる。後は折りたたみイスに座って、筆が動くのを待つのである。丁度、写真、右奥から
二番目が、にゅ〜っと上がってきたところ。)
ちなみに、今回はシャベルで砂を掘ったが、表面を平らに削る必要があり、シャベルより鍬が使い易いようだ。
時間も過ぎ、今日の大漁は諦めたものの、このままボウズで帰る訳にはいかない。意地でも一匹捕ってやる!
と気合を入れていたところ、嫁と娘が沖のアサリポイントから帰ってきて、「もう帰る」と言うではないか。
なんでも娘の長靴に砂が入って気持ち悪いとかで、「そんなの我慢しろ!」と言ったが、一旦、言い出したら
きかないのがうちの娘で、でも、私も一匹捕るまでは帰りたくないし、で結局、嫁が娘だけを連れて車まで帰る
ことになった。「二人も一緒に連れて帰れない。」とのことで、道具一式と1才半の息子を私のもとに置き、車まで
娘を置いてくることになった。
意地でシャク釣りしている私の横で、けな気にもグチひとつこぼさず(というか、まだうまく喋れない)、一人黙々と遊んでいる息子。
全身水浸しで前日の台風4号の影響で風が強い中、寒かろうに...何ちゅう親か、と思いつつ、早く
一匹釣って楽にしてやろう、と思っているのだが、あと一歩のところで捕り逃がしてばかり...
そうこうしているうちに嫁が呼びに来て、撤収!!(涙)
結局、アサリ・ハマグリは、ほとんど嫁一人でやったが、これだけ捕れた。(右上がハマグリ)
私はというと、...悔しくて悔しくて(涙)
翌日、会社の先輩で、自称シャク捕り名人という人がいて、コツを聞いたところ、やはり、シャクを
穴の出口まで上げるところでコツがあった。やはり、素人が一人で誰にも聞かずに捕るのは困難だったようだ。
ようし、次は大漁だぜ!絶対、次の大潮でリベンジだ!!