そこに坐まするは白き獣。
白き色は灼熱の、獣の器は尊き姿。
ひいらりひらり。
ふうわりふわり。
白き獣が大地を駆ける、その度に。
呪われ汚され全てを拒み続けていた、その場所にさえ。
ひいらりひらり。
ふうわりふわり。
大きく、小さく、花が咲く。
ひいらりひらり。
ふうわりふわり。
花が咲くは瞬き一つ、白き獣が己の瞳に焼きつける程の時もない。
ひいらりひらり。
ふうわりふわり。
ぽわ、ぱぁん。
ぽわ、ぽわ、ぱぁん…。
それでも白き獣が駆ける度、花は競って大地に根を下ろし、
束の間の時を、己が力の全てをもって精一杯咲き誇る。
ひいらりひらり。
ふうわりふわり。
花が咲くは御身の為に。
ぽわ、ぱあん。
花が散るは己の為に。
白き獣の駆ける地は。
ひいらりひらり。
ふうわりふわり。
全てのモノに平等に、慈愛と言う名の花が咲く。
ぽわ、ぽわ、ぱあん。
ぱあん…ぱん。
全てのモノが平等に、慈母の愛する大地に還る。
我等が慈母よ、アマテラス。
いっそ私も花となり、御身の慈愛にてこの地に還りたい。
でも。
ひいらりひらり。
ふうわりふわり。
あなたの慈愛をもってしても、私は恐らく還れない。
ぽわ、ぱあん。
ぱあん、ぱあん。
私の罪は重すぎて、御身の為に花を咲かせられないから。
ぽわ、ぽわ、ぱあん。
ぱあん…ぱん。
罪を犯したあの日から、私は凍えた種となり。
永久(とわ)に御身に恋焦がれ、討たれて花を咲かせる
あやかしにさえ、嫉妬する。
【凍えた花・完】
(細かく言うとウシ→アマな隊長の暗い独り言)。
こんなん出来ましたけど、如何でしょうか?