たまにはこんなほのぼの玄金




外はぽかぽか快晴で。
いいのか悪いのか、本日事務所に仕事が持ち込まれることもなく。




「暖かいデスねー…」
『んー…』
「気持ちイイですネー…」
『んー…』



大きな大きな大神さまが一匹、珍しく日中から本来の姿でもってソファに寝そべっている。



「ん、いい匂いデス」
『………んー…?』
「日向サンが、ぽかぽかお日様の匂い、してマス」


金はそんな大神さまの頭を膝に乗せ、眠気に間延びした返事を繰り返す彼をひっきなしに撫で回し、何を思ったか陽光を受けてきらきらと輝いて見えるその銀灰色の毛並みに顔を埋め。


「月の光もイイですケド。…お日様の匂いの日向サンも、いいと思うデス」
『んー…お前さんも、太陽の匂いがするぞ…』


きゅう、と軽く抱き締めれば、大神さまはくぁあ、と一つ大きく欠伸をして、あとはもう完全に目を閉じてうとうとし始める。


「………」
『………』




後はただ、心地のよい静寂が事務所を包み。
小さな寝息が二つ、時折聞こえるだけ。




こんな一時が、二人には至福の時間。






小噺ブログより移動、一部加筆修正しました。
こんな二人からはマイナスイオンがダダ漏れしているといい。
そして私はこんな二人をにまにましながら観察してみたい。
戻る?