2-1 プルークボーゲン三つのひねり

その1 爪先支点(かかと押し出しの初歩的な操作)

 スキー操作は大きく分けて3つの操作に分けて考えることができます。ここでは比較的簡単で普段初中級クラスのスキーヤーがよく使うスキー操作について触れてみたいと思います。

 スキーを覚えたてのころ最初に耳にするのは「前へ前へ、膝を前に曲げて・・・」など前側に体重を集めるようなアドバイスを耳にします。これは一般的な初心クラスの人達はスピードに対する恐怖感や斜度感について行けず、上体が後ろ側に反ったりするいわゆる後傾に陥ることがたくさんある為、多くは「前へもしくは膝を曲げる、ブーツのべろの部分を強く押す。」などと言うアドバイスをされることが多くなる訳です。

 初心者がまず練習する止まる為の最初の動作は、かかとを大きく外側に押し出すようにしてカタカナの「ハの字」を大きくとる事からスタートします。
この時の操作はブーツの中では爪先側が支点となり、かかと側が回転外側に押し出されるような力が働くことになります。これは、重心位置がブーツ(足の位置)に対して極端に前側か、もしくは後ろ側にずれた時におこることが多いのですが、一般的には初級クラスのスキーヤーの場合は重心が後ろ側にずれることが多く、上級スキーヤーの場合は前側に圧が強まりすぎて起こる場合が多く見られます。

 この操作の特徴は、スキーをその場で一気に振りまわす時には比較的有効ですが、進行方向に対してテール側が回転の外側に押し出される為、ブレーキング要素は大きくなってしまいます。

技術レベルの低い段階ででは膝や足首などの関節の細かい動きをコントロールすることは難しく、上半身の補助動作を有効に活用したほうがスムーズに回転することができます。またこの操作をマスターする場合には、スキーのトップ部分の間隔を一定に保ち、テール側を大きく開き閉じすることによって身につけることができます。一方別の見方をすると、技術的には低いレベルでのスキー操作ですが、雪が深い時や重い時など雪面抵抗が比較的大きい時には有効な操作ということが言えます。例えばヘリスキーのガイドなど山スキーをやる方の滑りを思い浮かべて見て欲しいのですが、背中には重い荷物がある為に、膝などの関節で微妙なコントロールするのではなく、上体の補助を使い身体全体でスキーをまわそうとする力を生み出している。(捻りもしくは迎え角を作りだしている)この他にも急斜面などでは、スピードをコントロールする為に、意図的にターン前半部でスキーを横に振りウエイトをかけるタイミングを遅くすることにより、制動要素を引き出すことも可能になります。
 いずれにしてもこの爪先支点かかと押し出しの操作は、エッジングの質こそ高くはないけれど、非常に実用的な操作であることは間違いないし、実は上級者の方々の大半はこの操作とほとんど変わらない力の使い方で滑っている方がたくさんいるはずです。
 まずはこのブレーキング要素の大きいエッジングをマスターしておいて下さい。