ポッキー旅行記 8


〜 ポッキー、津軽海峡を渡る 〜

                                                 2007.4.14〜17


 いつかこんな日が来るのはわかっていましたが、こんなに早くとは・・・。用事があってポッキー家、全員でpapaの実家の新潟県に行くことになりました。
 今回は初の複数泊、しかもフェリー使用。ポッキーを連れて本州へ渡る時は、最短距離のフェリーに乗り、あとはひたすら車移動にすることは前々から決めていました。

 この旅のために、事前準備をしました。
 旅行記3,7にも書いてありますが、一昨年からポッキー、車で1泊旅行をし帰宅すると、旅の途中では大丈夫だったのに、家に帰って車から下りる時にクレートの中で大唸りが始まり、クレートの鍵と扉を開けることが出来ず下車に苦労していたのです。それ以来とうとう1泊旅行でなくても家に着いて下車の時に唸り出し、せっかくの楽しい外出のネックになっていたのです。でもこの唸り、本当に家に帰った時だけ、しかも車から降りてしまえばなんとも無かったのです。
 カウンセリングの先生に相談したところ、疲れからのストレスで気分が悪かったこともあるけれど、下車したらケロッとしていることから、ポッキーに深い意味は無い「悪い癖」になっているだけなのかもしれない、と言われていました。
 なので今回は車内にいる時間が長いしクレートの鍵を開けるのが怖かったので、クレートの扉は開けっぱなしにし、車内を左右に2分割して大きな大きなケージ状態にしたのです。

         

画像左、準備段階。車内を縦に左右2分割する仕切り網(画像左側の青い網)には車内左半分の人間スペースとも行き来できるようお手製簡易鍵付き網ゲートを作りました。
画像中、旅行中。隙間を無くしました。クレートの上には棚を作り、荷物が置けるようになっています。
画像右、車内右半分のスペースはポッキーが自由に動き回れます。クレートから出て伸びも出来ていました。仕切り網に作った簡易網ゲートからも、車のテールゲートを倒しても、車外に下りることが出来ます。
 今回は人間も車内休憩となるので、安心して休めるように(特に昼寝中足を噛まれたことのあるpapaの要望で)車内を完全2分割しました。車内左半分は人間が足を伸ばして眠ることが出来ます。

 この車内にポッキーを何度か乗せドライブもしておいたところ、ポッキーは騒ぐこともなくすぐに自分のスペースに慣れてくれました。自分からちゃんとクレートに入って休んでくれます。バッチリです。

 陸路はポッキーのことを第一に、振動やカーブ、停止や発進の少ない高速道路を全て使用。時間の短縮(ポッキーが車に揺られる時間を出来るだけ少なくする)にもなるので時間を買うつもりで決めました。
 どうしても使わなければならないフェリーは、最短時間の函館〜大間1時間40分コースにし、ポッキーは乗り慣れた車内で待機。ラジカセをつけて音楽を流し周りの音が少しでもかき消されるようにしました。(でも小さな古いラジカセのためオートリバースが無くカセットテープは半面流れるのみ・・涙!)
 
 不安はありますが、出来る限りのことは準備し考えました。
 いつもの噛み噛みキット(薬、絆創膏など)もあります。病院に相談して精神安定のホメオパシーの薬ももらいました。自転車も車の後ろ(車外)に積みました。

ということで、14日朝、出発。

4月14日(土) 道内・東北地方の天気、雪や雨


  papaは当直明けなので私mamaが道央自動車道を全て運転。旭川は晴れていたのに、天気予報どおり札幌に向かうにつれて雲が多くなり、なんと雪が降ってきてしまいました。

            

画像左、札幌千歳間の輪厚(わっつ)PAにて。積もってます!でもポッキーの足の汚れを考えたら、雨より雪で良かった。
画像右、千歳から苫小牧までの間、吹雪状態です。途中事故が2件ありました。

 吹雪には驚きました。
 輪厚PAで休憩中、papaの携帯が鳴りました。嫌な予感・・・的中!函館〜大間のフェリーが悪天候により欠航!!でも函館〜青森3時間50分なら運行とのこと。一瞬迷いましたが、泣く泣く(?)青森便に変更しました。ポッキー初フェリーでいきなり約4時間・・・。

 便変更でフェリー乗船時間が1時間ちかく遅くなったこともあり、焦らず安全運転で移動。道央自動車道最終・八雲を下りたところでpapaと運転を交代。さらに国道を南下して函館到着。函館港では気分転換にpapaとポッキーは自転車散歩。(自転車持参)

         

画像左、17時30分発の、乗船するフェリーの前で記念撮影。今は元気なポッキー、大丈夫かなあ・・・
画像中、船尾からの風景、低い雲に覆われた函館。北海道、暫しさらばじゃ〜!船首側、進行方向には、すぐそこに青森が見えます。
画像右、フェリーの2等室。この部屋に他のお客さんは端の方に10人ほどしかいません。のんびりできます。

 短時間フェリーなためか、長距離の大きなフェリーの時とは違い、運転手以外の客も車で船内に入れました。
 ペット乗車ということで、換気がいいという場所に案内されました(私にはいい場所なのかよくわかりませんが・・)。船の中央あたりです。フェリーの音、作業する音がガンガンゴンゴン鳴り響いています。少し離れた場所に停まっているトラックの荷台には、牛が!心配です。心残りです。でも仕方ありません・・・。
 音響(ラジカセ)をセットし、晩御飯とガムを置き、がっついて食べ始めたポッキーを残し、車を離れました。

 3時間50分、papaには今後のために眠ってもらいましたが、なんとなくポッキーが気掛りな私は結局眠れませんでした。だから3時間50分の、長いこと長いこと・・・!
 でもこのフェリーには大浴場があって、短時間だからお湯は張っていなかったけれどシャワーが使えて、シャワー浴が出来て助かったのと、窓から両側に見える陸奥湾の夜景がなかなかきれいなのが良かったです。

 そして21時20分、下船。ポッキーは大丈夫そう。雨まじりの強風の吹く中、青森港の近くでポッキーを外に出しオシッコ。それから青森ICから東北自動車道に乗り、ひたすら南下です。フェリーの中で寝らなかった私、快適な車内後部で足を伸ばし爆睡でした・・・。
 0時頃に一度、岩手県・岩手山SAで3時間ほど完全休憩、その後papaは頑張ってさらに南下を続けました。


4月15日(日) 東北地方の天気、雨から曇りへ 北陸地方も曇り

 朝6時前、雨が降っていない宮城県・金成PAで朝ご飯休憩。【画像左

     

 ここでは雨が降っておらず助かりました。
 ゆっくり休んだ後、私と運転を交代してさらに南下。雨も降らなくなりました。そして仙台あたりから、満開の桜を見ることが出来ました。【画像右
 北海道の桜はゴールデンウィーク明けです。半月以上早くお花見が出来ました!
 しかも桜はソメイヨシノ。やっぱりソメイヨシノはいいなぁ〜〜

     

画像左、福島県・国見SAにてお花見♪裏には小さな歩道があって、しばらく散歩をしました。
画像右、磐越自動車道の福島県・磐梯山SAにて。木々の向こうに雪をかぶって見えるのが磐梯山。

 天気も良くなり、郡山JCTから磐越自動車道へ。磐梯山SAで休憩後またpapaと運転を代わり、新潟へ。

 午後2時すぎ、無事に到着しました。

     

 初めは静かだった車内待機のポッキー、家の中から人間の話し声が聞こえるのか、そうのちヒャンヒャンと鳴き出してしまいました。なので時々私と歩いて散歩したり、papaと私と自転車で(papaは持参、もう一台は借りました)、papaが子供の頃遊んだ場所めぐりをしながら山や田んぼの中を楽しく散歩しました。

 その後人間が晩御飯をご馳走になっている間はポッキーは車内待機。いつものようにラジオをつけっぱなしです。初めヒャンヒャンと声が聞こえましたが、そのうち眠ってしまったのか、静かになっていました。
 午前0時ちかく、就寝。わがままを聞いてもらって、私がポッキーと一緒に車内で眠ることにしました。静かになっていたから家で寝ても大丈夫かなとも思ったのですが、ひとりの時間を少なくしてあげたくて。
 延長コードで車内に電源を持ってきてあんかをつけ、毛布も借り、親戚の心配をよそに暖かくグッスリ眠りました。


4月16日(月) 北陸地方の天気、曇り 東北地方の天気、雨

 朝はいつもどおり6時前には起きて、ポッキーは朝ご飯後papaと自転車散歩へ。
 行きで思ったより(papaは予想通りらしいが)時間がかかり、帰りもフェリーの時間に間に合わせるという心配があるので、ゆっくり朝食をご馳走になって少しくつろいだら帰路に。
 滞在時間は短時間でしたが、楽しく充実した帰省でした。
 ポッキーにも本州の土を踏ませてあげることが出来ました。ポッキーとの散歩中、名前も知らない道端のただの雑草にも本州を感じました。北海道生活ではそういえば見ていなかったけれど、見覚えのある雑草が当たり前にあちこちに生えているのを見て、しみじみ懐かしく、ここは本州だと思った私でした。

 帰りも行きと全く同じコースです。
 福島県に入ったあたりから、雨が激しくなってきました。
 出発から北陸自動車道に乗り、磐越自動車道の私のキライな対面通行の区間はpapaに運転してもらい、福島県・磐梯山SAで休憩後運転を代わりました。そこで、行きは磐梯山がよく見えたのですが、帰りは雨で全く見えません〜。
 その後東北自動車道を北上、雨が小降りになっている場所を見極めながら(車外に出たポッキーが濡れないように)、2時間おきにSAで休憩。
 帰りのフェリーは大間発なので、東北自動車道の安代JCTで八戸自動車道に乗り、またpapaと運転を代わって八戸で下りました。

 八戸ではインターから近い場所に温泉施設があるようだと下調べしてあったので、八戸駅に近い「八戸温泉」でポッキーの晩御飯と人間の入浴。
 この八戸温泉、結構な街中にあるし大きな施設だから銭湯みたいなものかと思っていたら、泉質が本物でした!少し茶色く濁った塩っ辛い本物の温泉。とっても良かったです。

 その後国道や県道を通って下北半島の先端、大間を目指しました。
 しかしこの行程、長いこと長いこと!!
 道は真っ暗だしくねくねしているし、これが国道か?と思うような細い道で民家の軒下スレスレで通り抜けたり。
 途中まで私も頑張って起きていたのですが、途中で睡魔に負けて撃沈してしまいました・・・。


4月17日(火) 下北半島・道内の天気、晴れ

 撃沈した私が目を覚ますと、午前0時すぎ、大間に着いていました。papa、頑張りました。なので明るくなるまで数時間全員休憩。
 その後明るくなってからポッキーに朝ご飯をあげ、港周辺をpapaと自転車散歩しましたが、ポッキーは落ち着かないのかすぐに車に戻って来てしまいました。

 そして7時10分、函館行きのフェリーに乗船。1時間40分、車内のポッキーとはしばしお別れ。

      

画像左、函館〜大間のフェリーは、行きのフェリーの7分の1の大きさです。船内もコンパクトでした。
画像右、船尾ちかくから、さようなら、本州〜〜!進行方向には、天気も良くすぐそこに北海道がよく見えます。

 帰りのフェリーは規模が小さいせいか、車の甲板では行きのような激しい物音はあまりしませんでした。今回もまた全員で車に乗ってフェリーに乗船し、音響の準備をしガムをあげて車を離れました。

 そして1時間40分後、ポッキーと再会。さあ、北海道に戻って来ました。

     

画像、船首の先頭に車を停めたので、函館に着いて扉が開くのが目の前で見られました。

 下船後、港の近くにいい公園を見つけて、ポッキーの気分転換にゆっくり散歩しました。北海道の空気がわかるのか、公園の芝生が好きなのか、とても普段どおりの様子のポッキー。大間の港では散歩したがらなかったけど、やっぱり公園が一番慣れていていいんだなと思いました。

 北陸や東北も寒かったけれど、やっぱり北海道の寒さは違うなぁ、と思いました。帰ってきたなーと思いました。本州の山々には雪はほとんど無かったけれど、北海道の山々にはまだ雪が残っています。

 そして道内もpapaと運転を交代しながら、我が家のある旭川を目指しました。
 行きは雨が降っていて見えませんでしたが、海岸近くを走る洞爺湖から苫小牧のライン、海が真っ青でとてもキレイでした。

 そして16時30分、無事に我が家に到着。
 ポッキーとpapaは近所の公園で先に車から降り、自転車散歩しながら帰宅。
 この時、例の唸り、ナシ!!良かった。

 家に帰ってしばらくはボール遊びを催促したりして元気なポッキーでしたが、晩御飯後しばらくするとハウスに入ってバッタリ。ポッキーも私たちも、揺れない場所でひさしぶりに眠りました。

 今回の旅行中、噛み噛みキットの出番ナシ。移動中の車内では、車が動き出すとすぐにポッキーは自分からクレートに入って、ずっと寝ていました。道路のつなぎ目で車が大きくガタンと揺れると目を開けていましたが、すぐにウトウトしていました。
 休憩でSAに停まった時(ベルトを外す、サイドブレーキを引く)、給油した時(スタンドの店員の声がする)、料金所で支払いをした時(おじさんが声を出す)、になるとポッキーは起きてワンワン激しく騒ぎ出しますが、それ以外ではとても大人しく、ずっとクレートの中で静かに眠っていました。
 フェリーでも、下船後に様子がおかしくなることもなく、とても安心しました。
 ただやはり気は張っていたようで、SAや港などで車の近くを人が通るだけでワンワン激しく吠えていました。普段は話しかけられたり、いかにも不審な格好をしていたりあからさまに犬嫌いな人でない限り、ただの通行人にそれほど反応しないのですが、気持ちが過敏になっていたようです。
 ポッキー、本当に頑張りました。
 ポッキー、ありがとう。
 今回の旅、ポッキーにはいろいろ苦労をかけましたが、私たち人間にはとってもいい旅だったし、一時は危ういかと思ったポッキーとの旅行が再び出来て、本当に嬉しく自信にもつながりました。


今回の旅の全走行距離、2,445q(津軽海峡間は除く)



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