2005年 〜 継続


     【雪の季節】

 年が明けた。ポッキーの噛み癖に悩まされ始めてから、丸1年が経った訳だ。

 現状はと言うと・・・私の目から見ると、去年の一番酷かった時期に比べたら格段に落ち着きを取り戻しつつあるけれど、去年の秋を過ぎた今から3ヶ月前くらいからは、また徐々にポッキーの警戒レベルが高まっているように見えていた。
 クリッカートレーニングは控えめにしているものの、一時期には無かったちょっとした事で危険を感じることが多くなっていた。例えば私がひざ掛けをして座椅子に座ってくつろいでいる時、以前なら私の両足の間に入ってぐっすり寝たり静かに寄り添って休んでいたのに、同じような状態で休んではいるのだが、私は身体を全く動かしてはいないのに突然唸りながら飛び起き、私の足をじーっと見つめ、捨てゼリフのように小さく唸って自分のハウスにスタスタと戻ることが多々あった。

 またpapaに多いパターンが、ポッキーに「座れ」でpapaの目の前で座らせクリッカーは無しでご褒美をあげた時、おやつを一瞬で食べ終わったのにまだポッキーがお座りをし続けているので「(もうおやつは)終わり」と言ってポッキーから離れようとすると、とたんにポッキーが唸りながら飛びつき噛みする行動が始まった。

 また私たちの不注意にも必ず反応するようになった。ポッキーが近くにいることを忘れ冷蔵庫の一番下の野菜室を引き出してしまい、「あっ」と気付き思わず引き出した右腕が変な動きになってしまうと、すぐに唸って右腕に噛み付いてくる。ポッキーがポータブル石油ストーブの近くで横になって休んでいる時、ストーブの上で沸かしているヤカンを持っていこうとヤカンに手を伸ばしたり、芯の火力を調節しようとストーブに手を伸ばすと、私のことをジッと見ていて唸って私の腕に飛びつき噛みをする。
 ただこれらの行動はポッキーを一回一回別室に誘導し、私たちの近くに来させないようにすれば大丈夫なことなので、やるべきことをしなかったために飛びつかれている訳だから私たちの不注意が原因ではある。しかし飛びつき噛みの頻度が高くなり、特に「唸る」行動が急に増えたことで、悪循環が復活しそうな不安な状態であった。

 その日も私がひざ掛けをして座椅子に座ってくつろいでいると、いつものようにポッキーが近くにやって来た。私はその日、毛とアクリル混のセーターを着ていた。ポッキーは私の右腕の近くで猫が擦り寄って来るように私にしなだれかかり、そのまま床のホットカーペットの上にゴロリとなり、お腹を上に向けて背中をホットカーペットに擦り付けるようにして、私の右横でヘソ天をしながらバタンゴロゴロとしていた。
 その時私の右腕で「パチッ」という音がした。私が『静電気だ』と焦ったのと、ポッキーがバタンゴロゴロの動きをピタッと止めたのは同時だった。その一瞬の間の後ポッキーは飛び起き、案の定私の右腕に唸りながら噛み付いてきた。しつこかった。
 やっとポッキーが口を離すと、そのまま私は痛さのあまりアルマジロのように背中を丸めて固まってしまった。しばらくして私がやっと顔を上げると、ポッキーはいつの間にか涼しい顔をしてハウスの中にいた。

 私は今まで室内の結露を気にして加湿器は使っていなかったのだが、この日すぐに近くの電気店に行って加湿器を買ってきて使い始めた。そしてその日以来、家の中でセーターを着るのはやめた。

 私はよく静電気を帯びやすく、しょっちゅう火花が見えるほどバチバチいわせて痛い思いをしているが、人間だってビックリして痛いのだから、ポッキーも突然の静電気の痛さに怒ったのだろうと私は考えた。それにポッキーは人間と違って「静電気」などという現象は知らないし理解できないから、私(の右腕)がポッキーに痛いことをしたと思って怒って噛み付いてきたのではないか、と考えた。
 その時、ポッキーが私たちに撫でられるのを嫌がり私たちを噛み始めた時期が一昨年の冬だったことを考えた。もしかしたらその時も私たちがポッキーを触ろうとしてよく静電気が起きていたのではないか、もしかしたら静電気が原因で私たちの手が嫌になり撫でられるのが嫌になったのだろうか、と考えた。

 今回のことも早速O先生に報告した。
 静電気については専門家の間でも意見の分かれる所で、O先生としては、静電気は犬と生活していれば日常よくあることなので、ポッキーは静電気そのものが嫌で噛みついたのではなく、私が最近は警戒レベルが上がっていると話したこともあり、静電気は「きっかけ」で噛みついたのではないかと思う、ということであった。


 地面が根雪になって1ヶ月もすると、ポッキーが絨毯の敷いていない床の上を歩くとチャッカチャッカと音がするようになり、ポッキーの足先が私たちの皮膚に強く当たると痛く、白く跡が残るようになった。ポッキーの爪が伸びてきたのだ。
 そして散歩から帰ると、もうアスファルトで擦り切れることがなくなり伸びきった足裏の毛に、雪がダンゴのようにからまって固まってこびり付き、それが凍って取れなくなり足の裏に氷を付けて歩いているような状態となり、ポッキーが滑って転ぶことが何度かあった。

 ポッキーの爪と足裏の毛を切りたい。
 それが目的でクリッカートレーニングをしたけれど保留になっていたので、どうしたらよいものかとO先生に相談したところ、それらは怪我や事故にもつながることなのでカットすることに賛成であり、検討した結果、私たちの希望もあり無理やり切る方法ではなく、ポッキーへの心理的影響を一番に考えて、かかりつけのYクリニックでポッキーに鎮静剤を打ちその間にカットする方法でポッキーのトリミングをすることになった。

 「鎮静剤」というのは「麻酔」とは違って身体への負担が少なく、若く健康なポッキーには身体への心配はほとんどないそうで、犬にとっては『なんだかだるいな〜、動きたくないな〜、ボーっとするな〜』というような状態になるそうだ。健康への心配はないということで、安心して私とpapa、Y クリニックのK先生にも手伝っていただいて40分ほどかけてトリミングを行った。

 鎮静剤が効いている間のポッキーの瞼は開いたままだったが焦点は定まらず、全身の力が抜けた状態だった。そして鎮静剤の効力が薄くなってきた頃、ポッキーは少しずつ身体をピクピクと動かし始めた。トリミングが終わり、身体は少し反応があってもまだ焦点の定まらないポッキーに、私は感謝の意味を込めて『ポッキー偉いね、よく頑張ったね』と声をかけると、顔や身体はぐんにゃりとした状態のままなのに、尻尾だけが起きている時のように左右にポンポンと軽快に動いた。私の声がしっかり届き、嬉しい時と同じように尻尾を動かしてくれたポッキーの姿を見て私は、『絶対にこの子を手放さないぞ!』と改めて心に誓った。
 その後鎮静剤を完全に消すための注射をするとポッキーも焦点が定まり動きもしっかりしてきて、クレートに入れて帰宅した。その後のポッキーの体調に変化は全くなく、一日が終わった。

 去年夏に去勢手術をした直後もそうだったのだが、このトリミング後数日間のポッキーは、いつもに増して私に甘えるような行動が多かった。そのことをYクリニックのK先生に話すと、理由はわからないけれど、Yクリニックではポッキーと同じように(噛んで暴れるため)年数回鎮静剤を使ってトリミングするワンちゃんがいるそうだが、そのワンちゃんもトリミング後しばらくの間は飼い主さんに甘えるような行動をするらしいですよ、と教えてくれた。鎮静剤を打っているからその間のトリミングの嫌な記憶は全くないけれど、でも何かがあったような気がするな〜という漠然とした不安はあるのかもしれないから飼い主さんに甘えるのかもしれませんね、ともおっしゃっていた。不思議な現象ではあるが、嬉しいことであった。

 その後も私たちの不注意でポッキーに飛び掛られることが数回あったが、次第に春に向かって、再び唸りや噛みのない穏やかな日々が過ごせるようになった。


     【彩の季節、そして・・】

 雪が無くなり春になってもポッキーと仲良く安心した日々が過ごせ、ちょうど我が家の車の一台を中古のRV車に買い替えたこともあり、以前より頻繁にポッキーを連れて遠出をするようになった。
 春は花を見に行き、夏は車内泊ではあるが泊りがけで遠出もした。
 以前まだポッキーに噛まれなかった頃、一度皆でペット可の旅館に泊まった時のように宿泊施設を使えたら人間としてはゆっくり休めるのだが、今の状態ではまだ宿泊施設利用には気を遣うし、まだまだ噛まれる不安材料があるので普段の行楽の延長の形である車内泊にしたのだが、それはそれでとても楽しく、気ままで気楽な旅行となりとても良かった。
 その時には必ず、その日のうちに家には帰れないし、ポッキーの環境の変化にも心配があったので、ポッキーに噛まれた時にいつも使う塗り薬や絆創膏や湿布(噛まれた時衝撃で皮膚が腫れるため)といった噛み傷専用治療用品(それを我が家では‘噛み噛みキット’と呼ぶ)を毎回持って行った。でも車内泊旅行中は危険なことは全く無く、楽しい時間をポッキーと共有したことによってよりいっそうポッキーと仲良くなれたように思った。
 また犬の問題行動がテーマの回のテレビ番組の取材を受けるという珍しい体験もしたが、ポッキーは家の中に取材スタッフの人たちが入ってきてバタバタしても、比較的落着いて過ごしてくれた。

 しかしこの活動的な時期にも噛まれた事件はあった。日ごろの良好な関係に安心してしまっていた私が、後ろ向きにポッキーの身体を私の両足に挟んで、後ろ足周辺の毛をハサミでカットしていた時、一度は身体を動かして『もう終わりにして』と気持ちを伝えたポッキーの「サイン」に気付かず、『もうちょっと切りたい』と欲を出してカットを続けてしまった私がポッキーに飛びつき噛みされたり、予約客の多い初めて利用するペット可のキャンプ場に行った時、ポッキーが興奮し不穏になりやすい「ポッキーの苦手3拍子(@知らない場所A知らない人B他の犬)」が揃った状況だというのに、ポッキーをコントロールするための必須アイテム「おやつ」「ハウス」をその時その場に準備し忘れて、とても興奮したポッキーにpapaが飛びつき噛みされたりした。
 しかしこれらはちゃんと原因のある、相変わらずの私たちの不注意によるもので、これらを除けばポッキーの警戒レベルが冬の頃よりも明らかに下がっているのが感じられた。

 たくさんの楽しい思い出が作れた北海道の短い夏は過ぎ、秋の気配が感じられてきた。


 9月の初日だった。この出来事を記す前にまず、我が家の外の環境を説明しなければならない。 
 我が家の庭はとても狭く、玄関前の部分となると人が通る分ぐらいのスペースしかない。北海道は冬に雪がたくさん積もるためか、家と家との境には塀が無いことが多い。碁盤の目状に道路があってその中に民家が建ち並ぶ町内の、我が家は東西に伸びた市道と市道に挟まれる区域の中にあるが、四方を隣家や広い駐車場に囲まれているので市道には全く接していない袋小路になっている。我が家の玄関前のスペースと隣家の玄関前のスペースが市道から市道への縦の抜け道のようになっているので、時々近所の人や見ず知らずの人さえもが玄関前を通り抜けることがある。

 ポッキーは犬の習性、警戒心や縄張り意識の高い犬だから、我が家へ誰かが来た足音が聞こえても、このスペースを人が通り抜ける足音がしても、ものすごい剣幕で吠えて騒ぎだす。特に夏は暑いから窓を開けているのでその音がよく聞こえ、必ず吠えて騒ぐ。この時私たちは自分の動きに気を付けていないと、その興奮のとばっちりを受けて飛びつき噛みされる恐れがあるので、十分に気を付けている。

 この日休日だったpapaが、いつものように一日中ポッキーと一緒に遊び、散歩し、ポッキーは体力的にはとても満足していた状態だった。夕方私がそろそろ仕事から帰宅する頃だと思い、papaはポッキーと一緒に外へ出て排泄がてら出迎えようとしていたそうだ。
 玄関でポッキーにリードの付いたカラーを付けていた時、外で人が通り抜ける足音が聞こえたそうだ。そのとたんにポッキーはカラーを付けていたpapaの手に、がっぷりと噛みついたらしい。今回の噛みはガウガウと何度も噛む噛み方ではなく一回ガブリの噛み方で、上の犬歯による傷だけだったがかなり深く出血も止まらなかったそうだ。 

 私が帰宅した時、玄関にはいつものように尻尾をフリフリして出迎えるポッキーがいた。でも変なのは、ポッキーにリードが付いたままだということだった。「今散歩から帰って来たばかりだったのかな?」「リードを垂らしたままだと、拾うのが(飛びかかりの誘発になるので)面倒なのに」と不思議に思い部屋に入ると、そこには悲壮感漂うpapaがいた。そのpapaの様子を見てまず、「ポッキーに何かあったのかな?」「怪我はしていないようだけど、何か命に関わる病気でも判明したのかな?でも何で急に病院に行くことがあったのかな?」とポッキーの身についていろいろ考えた。
 なかなかpapaは言葉を発さず私は訳が解らないでいると、やっとpapaは口を開いて、ポッキーに噛まれたと言った。手には血の垂れた跡があった。papaは今までに見たことのないような悲しみようで、会話にならなかった。『あんなに楽しく遊んで過ごしていたのに、どうして、どうして・・・』と言うばかりだった。

 しかしpapaから事件の経緯を聞いた私は、papaの落ち込みように反して落ち着いていた。ポッキーが噛んだ理由が私にはとてもよく解り、papaが嫌で噛んだ訳ではない、ただ反射的にその場にあったpapaの手を噛んでしまっただけなんだと確信していたからだ。
 一時期は唸り要素だったカラー付けも、ここ一年くらいは危険なことはなくスムーズに付けることができていた。でもやはり付けるのに手間取ってしまったりポッキーとタイミングが合わなくて失敗すると不穏にはなるので、ポッキーにとっては未だ緊張することではあるのだ。そんな状態の時に大嫌いな侵入者の足音が聞こえて、ポッキーの警戒と不安と緊張のスイッチが瞬時にマックスでONになり、とっさに自分の近く(しかもポッキーのウイークポイントの‘顔の近く’)にあったpapaの手を噛んでしまったのだと思った。
 だから実際に噛まれたpapaは痛いし現実に傷はあるしで今はなかなか受け入れるのは難しいだろうけれど、でもこれは仕方のないこと、papaもポッキーも全く悪くない、誰かが悪いとすればあの時玄関の前を通った人間が悪いんだ、と思っていた。そして何かしらこのような事件の予防の努力をする余地はまだあるけれど、こんな言い方をしたらpapaには申し訳ないが、運が悪かったと言うか、タイミングが悪かっただけだと思った。

 しばらくして少し落ち着きを取り戻したpapaは普段どおりに付けたままのポッキーのカラーを外すことができたが、次の日の朝も散歩に行こうとpapaがカラーを付けたのだが『手早く付けなければ』と焦り緊張してしまったらしく、その手が震えて手間取ってしまっていた。ポッキーは少し唸ったが、カラー付けに手間取ると唸るのはその時に限らずいつでも予想される反応なので、それほど私は心配しなかった。心配なのはあんなに手を震わせていたpapaの方だった。
 カラー付けについてはしばらくの間緊張してポッキーに唸られることがあったが、次第に再びpapaも慣れ、ポッキーも唸らなくなった。

 私はこの事件でポッキーのことを諦めるなど全く考えていなかったが、papaがだいぶ落ち込んでいたのでO先生にメールで報告しておいた。
 O先生も今回のことは私の分析どおりだろうということだった。そしてカラーの付け外しや散歩後の足拭きなどはもっとも犬に噛まれることの多いシチュエーションであり、何かに緊張した犬が近くにある物を噛むという行動は、散歩中に他の犬を見たり吠えられた時などにもとてもよくある行動だそうだ。(私も、他の犬と吠え合った犬が直後飼い主の足を噛むという行動は聞いたことがあった)

 そして通りすがりの足音がきっかけ、という環境的に私たちだけではコントロールしきれない今回のような事件への対策としては、普段からとにかく足音がしたらポッキーの好物(おやつ)を投げるのが良い方法で、それはポッキーの傍に寄ったり動いたりせず、ただポッキーの近くに投げるだけで十分だそうだ。それだけでポッキーの「足音の意味するもの」が変わるので、同じ吠えて騒ぐにしても「おやつだ!」と思うのと「侵入者だ!」と思うのではポッキーの態度や噛んだ時の興奮が違ってくるという。
 また夏の間私が‘噛まれないため’と言うより‘スムーズに安心してカラーを付けるため’に行っていた、カラーを付ける時は外の音が少しでも聞こえないように手近な窓を閉める、テレビを付けて外の音をかき消す、という気遣いもpapaも行う余地がある、ということであった。

 そして次にやらなければいけないのはポッキーの側に「精神的抵抗力」をつけることだが、これについては徐々にやらないとまた(クリッカートレーニングの時のように)ポッキーも私たちも混乱してしまう恐れがあるので、将来的目標にしているということであった。
 今後の方針としては、我が家の場合は遠方のためO先生にいつでもすぐにカウンセリングを受けるという訳にはいかないし、私たちは何かが起きるとやはり未だにポッキーに対して恐怖心を持ち続けてしまうから、今までどおりの「噛まれないように維持する生活」を続けることは関係改善への方法のひとつでありつづけること、そしてO先生の考えとしては一か八かのような強力な治療よりも、時間はかかっても事故を起こさずポッキーとの関係を維持する治療の方が確実だと思っていることから、これからもそれを基本に対策を考えているということだった。そして今年はカウンセリングを行わなかったが、去年末の2回目のカウンセリングでポッキーにクリッカートレーニングを試してみてその後のポッキーの様子やそれによる私たちの混乱を考えると、ポッキーに私たちが望むハンドリング(触ること)ができるようにするためには、クリッカートレーニングではなく別の方法を考えていて現在準備中であるということだった。次回のカウンセリングに期待したいと思った。

 秋が深まってきた。
 去年の夏は夏バテの為かポッキーは下痢をしてしまったので今年の夏は暑さに注意して無理せずポッキーの体調を見て散歩をしていたが、涼しくなるとその心配もなくなりポッキーもますます絶好調で、めいいっぱい自転車とともに走り、室内ではたくさんおもちゃ遊びをした。papaと私の休日が重なれば、毎回のようにポッキーも車に乗って秋の自然を満喫するドライブに出かけた。そんな風にポッキーとともに楽しむ時間が日々多かったせいか、再びポッキーとも順調な毎日を送れた。ポッキーにとってはまさに「スポーツの秋」のような活動的な秋だった。

 この年の秋は例年より気温が高めな秋だったので冬の訪れは遅いかと思っていたら、降り始めは遅かったもののいつものように12月に入ると真冬日が続く雪の毎日となった。雪が降り始めた去年のこの時期は、順調に続いた日々の雲行きが怪しくなってきた時期だったので今年はそうならないようにしたいと思っていたが、またもやpapaへの飛びつき、飛びつき噛みが多々見られるようになってしまった。私も久しぶりに、夕食中にテーブルの下でポッキーに足の指を噛まれる事件もあった。でもそんな中、昔だったらもっと大騒ぎ、大怪我だったのにと思うような、明らかにポッキーが自分自身をセーブしたと思える状況が多くあり、ちょっとした進歩が感じられた。「ポッキーはこれでも我慢していたんだ」と思うと、「ポッキーありがとう」というような感謝の気持ちが生まれた。

 でも何故この時期になるとこうなってしまうのか・・・。地面が雪になると秋に比べてどうしても運動量が減ってしまうから欲求不満なのか、寒くなると運動などをしても疲労が少なく気力・体力が有り余っているからなのか、何ヶ月もずっと順調に来たので私たちの心のゆるみが現れ始める時期なのか。理由はよく判らないが同じことを繰り返してしまうのは良くないことだ。去年よりは不穏加減がまだ軽い状態だが、だからこそこれ以上悪化はさせたくないと思う。

 ポッキーと過ごした一年がまた過ぎようとしている。来年はこの問題に取り組んで3年目に突入する。私は全く焦ってはいないけれど、今年よりは前進したいと思う。そして来年は今年以上にポッキーと一緒にいろいろな場所へ出かけ、遊び、散歩し、楽しい思い出をさらにたくさん作ろうと思っている。
 ポッキー、今年もあっという間だったね。私の頭の中には来年も早々から楽しい計画がいっぱいだからね。一緒に素敵な思い出を作ろうね。来年もよろしくね。 


奮闘記はのんびりと、まだまだ続きます・・・ 



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