040506.大島一声先生のおことば。自由。


不自由、と言う事がこの身にかかると、自由、と言う事が拝めてくる。
不自由、だからこそ、自由、と言う事が大いに、喜べるのです。



私は全盲です。
毎朝、私は白い杖をつきながら、家から治療室へ通っています。
通いなれている道だけど、目が見える人より
三倍の時間がかかっちゃいます。
確かに不自由です。
駐車禁止の所に車が止めてあって、
その車にぶつかって、痛いめにあいながら、
車をよけつつ歩いていきます。
車道を横切る時は、ずいぶん時間をかけて
ヒヤヒヤしながら渡っていますよ。
確かに全盲だと不自由ですね。
でも自由に自分の足で歩いて行けます。
また仕事が終わると、自由に、近くのお店に入って、
自分の手を使って、飲んだり、食べたりできます。
これがありがたいですねぇ。
四百四の病気を持つこの身が
どこも悪く無く、病院に入院することもなく、
今のところ、自由に外を歩く事ができますからね。
でも、いつ倒れて、病院に運ばれ、寝たきりになって、
自由に外を歩く事が出来なくなるか判りませんよね。
また、下半身が麻痺して、車椅子で移動するようになったらどうだろうかなぁ。
白い杖をつきながら車椅子を動かせるかなぁ。
とにかく今は自分の足で好きな時に、好きな所へ、自由に歩いて行けるものね。
目の見える人よりは少々不自由だけど、
その分、何倍も今の自由を喜べます。
白い杖を持つたびに、心から自由を拝めます。
不自由の中にこそ、拝める自由があると、
大島先生から教えていただきました。
いつもいただけます、今のこのままの私でよし、と愛の声。
これでいいぞ、と愛の声。安心いっぱいに包まれて、
ありがとう、おかげさま。ナムアミーター、合唱。

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