知っておきたい自律神経失調症の基礎知識。その1。
まず、心と身体との関係に注目しておきたいですね。たとえば、あなたが夜中に、
だぁれもいないところを、一人で歩いていた時に、とっても気持ちの悪い音を聞いたら、
ゾーっとしますよね。その時、あなたの皮膚は、鳥膚がたちますよね。
そして、足がすくんで一瞬歩けなくなります。
そして更に、心臓の鼓動はドキドキして早くなりますよね。
一瞬でも、ゾーっとして、恐怖感を味わった時、その心の動揺が、
身体の変化となって現れたわけです。だから、ものすごく心配したり、悩んだり、
あるいは、不安を抱いていると、すぐに食欲がなくなったり、下痢したり、
便秘したりしますでしょ。このように、精神的なストレスが、
身体の機能の変調となって現れるわけです。このように、心と身体の働きは、
深く結びついているんです。だから、

安心は、心は健康で、身体も健康で安らか。
不安は、心は不健康で、身体にさまざまな変調を引き起こす。


と言うわけです。以前、私の治療室に、30歳なかばの女性が訪ねて来ました。
その方の訴えは、2ヶ月前から、まったく食欲が無くなってしまった。
お腹もすかない、無理に食べてはいるが、少ししか、食べられない。
それですでに、15キロも体重が減って、やせてしまった。
更に、両手、両足、顔まで、全部シビレ感がある、とのことでした。
病院から、薬をいただいているが、症状は変わらないとのことでした。
それで、二ヶ月前に、何があったか、話を聞いてみると、ちょうど二ヶ月前に、
大好きだったお母さんが、心臓の病気で急死したのでした。その精神的ショックを受けて、
このような症状がでてしまったのです。このように、お母さんの急死による、深い悲しみと、
またおかあさんを亡くして、将来への不安と、孤独感は、身体の健康におおきな影響を与えたわけです。
ここで、よぉく注目していただきたいことは、心の健康なしには、本当の身体の健康は考えられません。
心と、身体は、別々のものではなく、一つなんです。
もし、すでに身体になんらかの症状がでているならば、身体だけの治療だけでは不十分なんですよね。
まず、不安だらけの心を、安心に変えなければなりません。
そして、心身、共に健康になってもらわなければ、本当の健康はえられないのです。

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