6.自律神経の失調はどんな症状になっちゃうの?
不安、心配、怒り、ゆううつ、といった精神的ストレスは自律神経系に大きな影響を及ぼします。
そして、この神経が分布する内臓や、血管や、皮膚、などの機能の変調となって現れてくるわけです。
その代表的なものは次の通りです。
1)突然の動悸。
心臓神経症と言われています。突然ドキドキしてきて発作的な動悸が起こり、
死んでしまうのではないかと、大変な恐怖に陥ってしまう。発作を起こすたびに、救急車を呼んで、
大騒ぎして病院に運ばれるが、検査しても、心臓そのものにはなんの異常もないのです。
一度でも、この様な苦しみを味わっただけで、また動悸が起こったらどうしようと、
常に予期不安を抱くことになる。そのため、一人ではなかなか外出ができなくなるんです。
2)食欲減退。あるいは食欲亢進。
拒食症あるいは過食症と言われています。まったく食欲が無くなって、食べられない、
無理に食べてはいるが少ししか食べられない。その為、体重は減ってやせてしまいます。
また逆に食べてもまたすぐに食べたくなる。当然太ってしまいます。
3)下痢あるいは便秘。
胃腸神経症と言われています。下痢や便秘をくりかえします。
トイレの無い所に出かけるのはとても不安になります。
4)息ぐるしさ及び呼吸困難。
過呼吸症候群と言われています。息を吸うのがとても苦しくなる。
発作的に突然苦しくなるのでまた苦しくなったらどうしようといつも予期不安を抱くことになります。
その為いつもナイロン袋を持ち歩くようになります。
5)ふらつき感及び眩暈。
メニエール症候群と言われています。耳の内耳というところに平行感覚を司る器官がありますが
ここに異常があるとメニエール病ということになりますが内耳を検査しても異常は無い。
突然ふらつきやめまいが起こるので大変な恐怖に陥ることになります。
一度この様な経験をするとまためまいが起こったらどうしようと常に予期不安を抱くことになります。
当然外出することが少なくなります。
6)頻尿。
しょっちゅう尿意を感じてトイレに駆け込むが尿の量は少ない。
バス旅行などにはなかなか参加できなくなります。
7)吐き気及び嘔吐。
食べた後に吐き気を催します。実際に嘔吐を繰り返すこともあります。
その為食べるのが不安になります。ひどくなると胃の中になにも入っていないのに嘔吐をくりかえします。
8)のどや胸のつかえ感。
のどにうめぼしの種がつかえているような感じがする。
また胸の中央あるいはみぞおちのところにいつもつかえた感じがする。
しかしいくら検査をしても異常は無いのです。
9)赤面や全身のほてり、突然の発汗、手足の極度の冷え。
10)頭痛及び頭重。
特に頭の半分がおわんをかぶったような感じが常にして気分が晴れない。
11)極度の眼精疲労。特に目のおくが重く感じる。
12)身体が重く、だるく、無気力。
13)その他皮膚のかゆみ感、ムズムズ感、しびれ感
などといったものがあります。
さてこれだけいろいろな症状を上げると幾つかの症状は身に覚えがあろうかと思いますがいかがですか?
このような不定愁訴群の特徴は症状が多彩で一定していないということなんです。
病気の性質が捉えにくく本人も症状が起きる原因がわからないのでとても不安になるわけです。
そしてその不安がまた自律神経の調和を乱す事になるわけです。
そして結局体調やその症状にいつも注意を集中させて
自覚症状を強めてしまうという悪循環に陥ってしまうんですよぉ。
自覚症状に注意を寄せることを繰り返しているうちにその症状はだんだんと拡大していくんです。
そしてついにはその症状はズーっと定着(固着)してしまうんです。
そうなると大切な人生を棒に振ってしまいかねません。
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