8.自律神経失調症の治療法その1.鍼灸治療

対症療法としての、自律神経失調症に対する、鍼灸治療はおおいに有効なんですよ。
前記しました、さまざまな症状の改善、及び解消に、とっても効果があるんです。
だから、私は、不安から安心へ誘導して行くお話をしながら、鍼灸治療をしているんです。
症状が速やかに改善されれば、大きな安心が得られますからね。


1)私の鍼灸治療についてご案内させていただきます。
私のほどこす鍼灸治療は大昔、中国で発展し、現代まで継承されてきた古典鍼灸治療なんです。
古典鍼灸治療は、全身を整える治療と、症状に対する治療と、二とうりの施術をするんです。
全身の調整は身体の根本の力をつけるものなんです。
身体の活力を生み出す治療法ですから、早く、確実に治るというわけなんです。
またこの、全身を整える治療の積み重ねは慢性病の治療にもなるんです。
この全身を整える治療こそ、古典鍼灸治療の特色であり、
西洋医学には無い医術ということなんですよ。

治療の実際は次のようになります。
まず、脈を診ます。
脈の速さ、遅さはもちろんのこと、この脈診で、身体のどこの働きが弱いのか、
あるいは強すぎるのか、などを診ているんです。
次に、腹診をおこないます。
お腹をさわって、どこが強く張っているのか、どこが力が無く弱いのか、などを診ているんです。
脈診と腹診を、おこなった後、脈と腹部を整える鍼灸をおこないます。
この脈と、腹部を整える治療は、自律神経失調症はもちろんのこと、
どんな病気に対してもおこなっています。
次に、患者さんの訴える、症状の治療に移ります。
たとえば、頭が痛いと訴えていれば、手、足、そして頭に鍼灸を施し、その痛みをとります。
古典鍼灸治療の場合、このように治療が二段構になっているんです。
患者さんが訴える症状の他に、その症状を引き起こしている、
別の大きな根本の原因があるもんなんです。
これは、患者さんが気付くことのできない異常なんですね。
ここを正す事によって、病状の回復に、大きな違いがでてくるんですよ。
また、予測できない病気、あるいは、病状の悪化を未然に防ぐ事ができる、ってわけなんですよ。
このような、鍼灸治療をしばらく受けていると、訴えていた症状の改善と共に、
虚弱体質だったのに、ずいぶん元気になって、体質が変わったようです。
しょっちゅうかぜばかりひいていたのに、ぜんぜんかぜをひかなくなりました。
食事も、とてもおいしく食べられるようになりました。血圧が安定しています。
よく眠れるようになりました。精神も安定してきました。などと言って、
患者さんが喜んでくれるんです。
これは即ち、身体全体の状態が向上したということですよね。
ここの点こそ、古典鍼灸治療のすばらしいところなんですよ。
免疫力を高め予防医療としての側面があるわけです。
この点こそ、鍼灸治療の誇る最大のポイントであると信じているんです。

2.私の使用している針についてご説明させていただきます。
私が使用している針は東京、浅草橋の神戸製作所の物と、広島の医交社のものを使っているんです。
太さは、細いものは毛針といって、髪の毛のような細いものから、
太いものは、注射針のように、太いものまで、いろいろな太さの物があるんですよ。
長さは、3センチ程の物から、20センチほどのものまで、いろいろです。
材質は金と銀とステンレスの物があって、使い分けているんです。
これらの針は、一本数百円の物から、金針などは数万円する物までいろいろです。
ですから、使用した針は、オートクレープと言う完全滅菌できる、
高圧煮沸器で滅菌して使用しています。
使い捨て針は準備してありますがほとんど使いませんね。
と言うのも、使い捨ての針よりも、
手造りの針の方が針先から指に伝わってくる感触がズーっと良いからなんです。
針は、鍼灸師にとって大切な道具ですからね、毎日手入れをして、磨きながら大事に使っていますよ。
特に、金針は紙やすりでいつも磨いでいます。
道具を大切にして、始めて良い仕事ができると信じています。

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