贈 り 物



夏の川辺

けだるい暑さ

こんな日はカジカだって滝をのぼり、上流の残雪の溶けた冷たい水を求める

番人は木陰で休んでいたが

たまらなくなり、川辺へと足をむけた

黒の森を通るとき木の上からノルとネリが降りてきた

どこに行くの

川へ行ってみようかって思うんだ

うーん、こんな暑さじゃね

ぼくらも行くよ

川につくと誰かが滝にしがみついて上っていた

それはウィッカだった

滝の上には魚の精のエノハとチップがいた

どうやら鬼ごっこでもしていたみたい

その時ウィッカが足をすべらせ、くるんくるんと回転しながら落ち始めた

声も出さずに見ていたノルとネリの横を番人がすばやく駆けて行って

滝壷へと飛び込んだ

やがてウィッカを抱きかかえた番人が水の中からあらわれた

ウィッカは気をうしなっているみたい

服がやぶけ、ウィッカのお腹がまるみえになっていた

番人はすばやくウィッカを草むらに寝かすと服をととのえお腹を隠してあげた

エノハとチップも心配して滝を降りてきた。

そこで気がついたウィッカはボウッした顔でエノハとチップに

あら、あんたたちが助けてくれたのね。ありがとう

まだ番人とぼくらには気がついてないみたいだ

エノハがちがうと言おうとすると

番人は

どうしたんだいウィッカこんなところでお昼寝かい

あらっ、来てたの

うん、今きたところだよ

番人はウィッカに気がつかれないようにエノハとチップにウインクしてた

今日は暑いから、川であそぼうと思ってね

おーい、わたし達も混ぜて!

と空からチョウチョたちもやってきて水かけ遊びを続けました。

ivymazeのリイさんから頂きました。
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