2005年5月

いつ頃からか、四季の中で若葉の季節が一番好きになりました。以前は実りの
秋が好きだったのですが、新緑の鮮やかさに魅入られてしまったようです。

空の青さにも、生まれたばかりのうす緑の木々の葉にも、エネルギーが満ち溢れて
いて元気を与えてくれます。よく観察してみると、この季節、自然界はエネルギッ
シュです。
 枯木のような幹に木の芽が芽吹いたかと思うと、細い枝が伸びだし、葉が開きと
日々成長しているのがよくわかります。鳥たちは忙しそうに飛び回り、たくさんの
虫がうごめいています。駐車場ではタウンキャット(野良猫)の赤ちゃんが数匹じゃ
れ合っていました。

 爽やかな5月晴れの朝、森の中で天を見上げると、新鮮な太陽の光がやわらかな
うす緑色の葉を通してふりそそいできました。そよ風にゆられながら木々の葉は、
キラキラキラキラと太陽の光を輝かせます。
 緑の風のにおいを感じながら深呼吸をし、うす緑のフィルターを透した陽射しを
全身に浴びると、体中の細胞が新しくなったような気がします。
「ウーン、生きてるって実感!幸せ」

 ところで最近、この人は『心から尊敬できる人だな』と思ったことがあります。
2
年ほど前に知り合った方で、時々連絡を取合う程度のお付き合いですが、お互い
に心を開いています。この人に一年ほど前「トイレ掃除をするといいことがあるら
しい。トイレをピカピカにして、便器のふたを閉めておくの。」と言ったところ、
彼女は「おもしろそうね、やってみよう。」と言いました。

 その頃、私はとても多くの人に同じことを言っていたのです。「ふーん」と聞く
だけの人、「やってみる」と言った人、反応は様々でしたが本当に実行した人はど
のくらいいるでしょうか。100人のうち10人いればいいほうでしょう。
ところが、彼女は一年後、「トイレ掃除まだ続いているよ。毎日やればたいしたこ
とないよね。前は 汚れてから掃除していたから 大変だったけど、今は毎朝一番に
やるから、かえって楽になったよ。」と言ったのです。私は奇跡を見たような感動
を覚えました。
通常100人のうち10人が実行しても、一年以上も続ける人は、皆無と考えてもい
いくらい少ないのです。

人との約束を守る人はたくさんいます。が、自分との約束を守りきる人は本当に
僅かです。そして、その僅かな『確かな人』『心から尊敬できる人』が私の友人で
あるのは、金銀財宝よりも貴重な宝物を持っていること。

彼女は美しく、才能にあふれ、5月の陽射しのようにキラキラ輝いていて、爽や
かな風を起こしてくれる人です。

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