2005年6月

最近、私のもとへ問題解決の糸口を求めてこられる方が増えてきました。
近い将来 相談業の類を生業としたい私にとって、大変ありがたいことです。

 先日もひとりの女性と面談しました。職業も含め今後の生き方を相談したい
ということでした。聞けば昨年秋、突然の入院の際に私の書いたものを持って
行かれ、入院中ずっとそれを読みながら人生について考えていたとのこと。

うれしさ以上に身の引き締まる思いをしました。初回でしたので、じっくりと
お話を聞き、励ますことが出来ればと思って出かけたのですが、励まされたの
は私の方だったようです。

話は変わりますが、2001年の6月に癌の摘出手術を受けてから、6月は私
にとって大切な月になりました。それ以降、いつも心のどこか片隅で日数を数
えているところがあります。同じような経験をした人に共通することだと思い
ますが、実年齢以上に重みがあります。お陰さまで4年が過ぎました。何事も
なかったかのように日々を過ごせることは、本当に感謝です。

この4年間で私は、それ以前の10年間以上に成長しました。それは、出会っ
た人の数に比例するようです。多くの心から尊敬できる人と知り合えました。
強い影響を与えてくださる人にも出会えました。私を必要としてくださる方も
いました。そして、何年も何十年も私と関わってくださる方々。皆様に支えら
れ、真剣に日々を積み重ねてこられましたから、日数を数えることは喜びです。

そして私は今年、5年前に亡くなった姉の年齢を超えます。このことは想像
以上の試練をもたらしました。姉は亡くなってひと月半後に、私の夢に現れ病
気を予告してくれました。
「あなたは大丈夫だからね。あなたは大丈夫だからね。」と何度も念を押すよ
うな強い口調は、まるで肉声のようで、今でもはっきりと脳裏に焼きついてい
ます。

50代半ばで癌で亡くなった母も、50才を待たずに癌で亡くなった姉も、
人に尽くした人生でした。与えられた環境の中で、いつも行き届いた配慮をし、
時間と労力を惜しまず捧げ、質素で凛とした美しさを持っていました。
二人は
きっと、私にも人に尽くす生き方を望んでいるのでしょう。だから、私のもと
へ話を聞いてほしい人が訪れ来るのでしょう。

 実際のところ、クライアントの悩みや問題の解決、目標の達成に私が直接関
与することは、ほとんどありません。ただ話しやすいようにきっかけを作るだ
けです。それだけなのに身体が震えるほど感動的な言葉を聴くことがあります。

そんなありがたい経験を積みつつ、また一年、日数を数えて過ごしていきます

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