四つの気質タイプ

     四つの型

行動様式に影響を与えると見られる二つの因子について見てきました。この二つ の因子を組 み合わせることにより、四つの気質タイプが区別されることになります。


不快反応性
快反応性 α−β−型
α+β−型
α−β+型
α+β+型

  気質タイプが同じだからといって同じ性格になるとは限りませんが、同じ条件を持つことにより、 比較的共通の性格を示しやすくなると考えられます。 それぞれのタイプの人がどのような行動様式(性格)を示すようになるのか、個別に見ていきましょう。


☆α−β−型

  生物として避けるべきものを避け、求めるべきものを求める、いわば最も自然なタイプです。 誰もが欲しがるものを素直に欲しがり、誰もが嫌うものを素直に嫌う、 そういう意味では分りやすいタイプとも言えます。

  幼少時ならば食物・おもちゃ・親の保護等、成長後はお金・権力・名声など、 このタイプの人が欲しがるものは、誰もが共通して欲しがるものです。 そうしたものは、手近なところにある場合もありますが、そうでないこともあります。 獲得に困難が伴う場合もあります。それでも、このタイプの人は、困難をさほど苦痛に感じないで済みます。 となれば、万難を排してでも目的を達しようとする行動をとるようになるのは当然です。 目的指向性の強さが身についた性格となります。

  評判の良い対象であっても、それが実際に自分を満足させてくれるものでなければ、 このタイプの人は受け入れることはできません。本当に自分を満足させてくれるものだけを受け入れます。 それはつまり、直接的にせよ間接的にせよ、実際に彼・彼女の生活を助けてくれるものであるはずです。 言葉を換えて言うならば、このタイプの人は極めて現実的即物的な判断をします。

  欲しいものは、他の人にとっても欲しいものです。獲得の過程で、他の人との競争・闘争になる可能性が 多分にあります。目的を達するか否かは、相互の総合的な力関係によります。 このことから、このタイプの人は、人間相互の力関係に敏感になっていきます。 このタイプの人が政治的でもある所以です。

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☆α+β−型

  生物として求めるべきものを求める一方、必要以上に不快を感じてしまうタイプです。 誰もが欲しがるものを欲しがっている反面、他人には思いもよらないところで傷ついている、難しいタイプです。

欲しいものが手近なところにない点では、このタイプの人はα−β−型と共通です。 が、その道はより険しいものとなります。目的を達しようとする過程で遭遇する 様々な些細なことに傷ついてしまうからです。傷つけるものを避けて目的を達するため、 このタイプの人は、予め安全な道を準備しておこうとするようになります。 様々な状況を想定し、それぞれの状況下でどのように行動すべきか、 ルールの体系を自身の中に築いていくわけです。ルールは完全なもので なくてはなりません。 少しでもあやふやなところがあると、それが不安を生み、不快感受性が刺激されてしまうからです。 このため、このタイプの人は、多分に完全主義者となります。

  ルールを重んずるのは、欲求の対象を確実に獲得するためでもあり、また、得られなかった場合の 内面的ダメージを抑えるためでもあります。目標達成に失敗した場合、α−β−型の人ならば、 単に力負けしたのだと納得することができます。が、α+β−型の人の感じる苦痛はより大きなものとなり、 それを解消するための、合理的説明が必要になるわけです。それがルールです。ルールの持つ権威は、 このタイプの人にとって、非常に大きなものです。このため、ルールを無視して対象を獲得しようとする 行動に対しては、強い怒りの感情を持ちます。曲がったことは許さない、 正義感あふれる性格になるわけです。

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☆α−β+型

  生物として避けるべきことを避ける一方、必ずしも必要とは言えないことにも快を感じてしまうタイプです。 普通の人が興味を持たないようなことにも興味を持ってしまうタイプです。

行動に対するブレーキがかかりにくい点はα−β−型と同じですが、 このタイプの人は、あくまで目標の達成をめざすという行動にはなりにくいと考えられます。 目標が達成されずにいると、その間に他の関心対象ができてしまうからです。 わざわざ面倒なことをしなくとも、手近な所に興味をひくものがいくらでもあるわけです。 このタイプの人が関心の対象に向かうのを妨げるものは、多くはありません。 心置きなく集中することができます。ちょっとしたことに没頭してのめりこむ。 飽きればすぐに次の関心の対象を見つける。 没頭性お天気屋的性格がこのタイプの基本となります。

α−β−型とは異なり、対象の獲得のために他人と争うことは多くありません。 争うまでもなく、欲しいものはいくらでも手に入るからです。 α+型の人は、様々なことに不快を感じて自ら行動を抑制します。 β−型の人は他人との競争が起きた時点で自然と行動が抑制されます。 α−β+型にはどちらもありません。欲するままに行動する傾向が強くなります。 他人から見ると、マイペース自然体で生きているという印象を与えやすくなります。

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     α+β+型

快・不快共に、生物としての必要を越えたレベルまで感 じてしまうタイプです。 他の人が興味を持たないようなことに喜びを覚え、他の人には何でもないようなことにも 傷ついてしまう分りにくいタイプとも言えます。

喜んだり悲しんだりすることが人間的生活の本質である とするならば、 このタイプの人は、他の人には分らないところで本質的な生活を送っていることになります。 社会から距離をおいた自分だけの世界を 作ってしまうわけです。 他の人から見た場合には、分りにくいと感じられることが多いはずです。

このタイプの人の脳細胞は重労働を強いられます。快刺 激・不快刺激共に押し寄せる洪水を処理し、 なおかつ生物として、社会人として的確に行動できるよう、指令を下さなくてはなりません。 一つの刺激に集中している暇はありません。次々と押し寄せる刺激を処理しながら、 自分を取り巻く世界についての像を自分の中に構築しています。 この「像」がこのタイプの人の行動の基準となります。 像は現実世界の写しですから、像やその中での自分のイメージを的確に保ち続けるならば、 現実世界における自分の行動もまた的確なものとなりうるわけです。

その一方で、孤立することの危険性も強く感じとりま す。 自分の世界とは別に、常識的社会人としての殻をまといます。 二面的・裏表があるという印象を他人に与える場合もあります。

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(2004年9月9日)

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