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相性の基礎 − リード・ブレーキ関係
人間は極めて複雑な社会に生活しており、そ
こに出現する人間関係にも実に様々なものがあります。
当然のことながら、そうしたものは環境という条件の影響を強く受けて形成されますから、
そのような中に生得的な気質という条件の影響を探そうという試みは、ほとんど徒労の
ように思えるかもしれません。が、そうとも言い切れない部分もあることを、ここでは示したいと
思います。
二人の人間が共同して事を行う場合を考えます。二人の関係は夫婦であっても友人であっても、
あるいは同僚であっても、何でも構いません。一般的に、このような場合、二人の間に何らかの
役割分担が生じます。役割分担は様々な面で生じますが、それぞれの性質や能力に応じ、
それぞれ役割を担うに相応しい側が担当することになります。
このサイトで言う気質差を反映した役割分担がなされる場合には、一方がグループにとって
プラスとなるものを見つけ出し、その方向へグループを導いていく役割を担います。
もう一方はグループにとってマイナスとなるものを見つけ、グループを危険から
免れさせる役割を担います。前者をリード役、後者をブレーキ役と呼ぶことにします。
リード役の人は快センサーを働かせて、グループの進む方向を見つけ出します。
ブレーキ役の人は不快センサーを働かせて、グループが直面する問題を見つけ出します。
リード役の人は、見つけた快刺激源をブレーキ役の人にも分け与え、そのようにしてグループ全体の
快レベルを高めます。一方、ブレーキ役の人は、見つけた不快刺激源をある程度自分で処理することで
リード役の人にまで及ばないようにし、そのようにしてグループ全体の不快レベルを抑えます。
このような活動の仕方の違いから、ブレーキ役の人からリード役の人の動きはある程度よく見える
のに対し、リード役の人からブレーキ役の人の動きは見えにくくなる傾向があります。
リード役がグループ外に快刺激の主たる源泉を見つけるのに対し、ブレーキ役はグループ内に快刺激を求めます。
それは、ブレーキ役にとって、グループ内が主たる関心の対象であることを意味します。一方、
リード役は、そうしたブレーキ役の働きかけを、主たる関心対象に向けた行動を抑制するものとして、
不快センサーで受け取ります。ここで、ブレーキ役のβ因子とリード役のα因子とが
意味を持ってきます。β−型の人にとって、関心の対象は確実に自分のものとしなければならないものです。
それ以外に快刺激の源泉を見つけにくいからです。これに対し、β+型の人にとっては、関心対象とは
言っても、それほど絶対視するほどのものではありません。それを逃しても、替わりの快刺激源は
いくらでもあるからです。この違いにより、β−型の人がブレーキ役となった場合、自分の意思を
確実に相手に伝えようと行動する傾向が発生します。β+型の人がブレーキ役となった場合の意思表示は
これに比べるとあっさりとしたものになります。リード役がα−型の場合、ブレーキ役の意思表示は
はっきりしたものでないと、気づかずに終わってしまう危険があります。リード役がα+型の場合は、
ちょっとした意思表示でも敏感に察知します。押し付けがましい意思表示は苦痛の元です。
このことから、リード役のα因子のレベルとブレーキ役のβ因子のレベルは同程度である場合が
最もコミュニケーションが取りやすいと考えられます。
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リード側の不快反応性 |
| 小 |
大 |
ブレーキ側の
快反応性 |
小 |
ブレーキ側の積極的な働きかけをリード側が素直に受け入れられる組合せ。
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ブレーキ側の積極的な働きかけをリード側が疎ましく感じる組合せ。
ブレーキ側の自制とリード側の寛容が求められる。
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| 大 |
ブレーキ側の控えめな働きかけをリード側が十分に受け止められない組合せ。
リード側の気配りとブレーキ側の積極性が求められる。
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ブレーキ側の控えめな働きかけをリード側が敏感に感じ取れる組合せ
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リード役の快センサーとブレーキ役の不快センサーはグループの外に向けられます。ここで、
それぞれの感受性のレベルにより、関心の対象に違いが生じます。リード役がβ−型の場合、
関心の対象はグループの維持に不可欠な物に向けられます。リード役がβ+型の場合、関心の対象は
必ずしも不可欠とは言えないものにも向けられます。後者の場合、ブレーキ役がα+型であると
活動の方向性に対する不安が掻き立てられます。前者であればα+型のブレーキ役でも
受け入れることができるわけです。ブレーキ役がαー型であれば、必要不可欠とは言えない物に
対する志向をも受け入れることができるようになります。
リード役がβ−型でブレーキ役がα−型の場合は、関心対象と警戒対象はいずれも
具体的な存在になりますが、その対象に重なりが生じます。その結果、
一方がプラスに評価する対象を他方がマイナスに評価するという事態が生じやすく
なります。事物は一般的に多面的ですから、同一の対象に対し相異なる評価が
なされることは、特に異常なことではありません。ところが、一般に人は自分が
好きなものを他人に批判されることを好みません。このため、このようなケースでは、
対象の捉え方の違いによる意識のギャップと、それに基づく対立が生ずる危険が起こります。
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ブレーキ側の不快反応性 |
| 小 |
大 |
リード側の
快反応性 |
小 |
対象を肯定的に見るか否定的に見るかで対立しやすい組合せ。
異なる立場を認める寛容が双方に求められる。
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グループの維持・発展を緻密に計画・遂行しようとする組合せ。
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| 大 |
グループの独自な志向性を受け入れられる組合せ。
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グループの維持・発展への志向を巡って対立しやすい組合せ。
異なる立場を認める寛容が双方に求められる。
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以上見てきたことにより、リード・ブレーキ関係は、
リード側の不快感受性とブレーキがわの快感受性が同じレベルで、
リード側の快感受性とブレーキがわの不快感受性が異なるレベルである場合に
最も安定するということができそうです。そうでない場合は、多かれ少なかれ
関係を維持するための意識的な努力が必要となります。
もちろん、これは気質条件がストレートに作用した場合の話であって、
現実の関係においては、様々な環境条件も影響します。
例えば、「価値観」というものは後天的な条件の下に成立するものですが、
価値観が大きく異なる場合、気質的な好条件があったとしても、
関係を維持するのは難しい場合があります。
一方、気質的な条件が安定的なものではない場合も、各表中に書き加えたように、
意識的な努力によって関係を維持することも、十分に可能です。
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(2004年9月24日)
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