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* rain * その日も、やっぱり偶然だったんだ。 いや、よく考えてみれば俺があの人に会えるときっていうのは…全てが偶然のような気もする。 でも…最近俺はその偶然を待っている。 雨の降り出した図書館前で。 本を返した俺が、閉館間際のそこから出ていこうとしたとき、入り口にその姿を見つけたんだ。 「あ、透太くん」 「雨宿り、ですか」 「透太くんは? 勉強?」 クスクス笑って俺の顔を見てる。 こんなふうに2人でいるときなんて滅多にない。 こういうときじゃなきゃきけないこととか、こういうときじゃなきゃ言えないこととか 「先輩は写真部ですよね、こないだのコンクールでの入賞おめでとうございます」 「姉からときどき、先輩の話きくんですよ。猫が好きだって姉からききました。うちにも こういう世間話なら出てくるのに。 先輩 伊勢先輩 卒業したら、留学するって、本当、なんですか。 きけるわけない。 降り出した雨の中。 「ん、どうかした?」 降り続けている雨を眺めていた横顔が、俺の視線に気付いて振り返る。 だから そんなの言えるわけない。 会えなくなるなんていやです なんて。 だから だから 言えるわけない。 あなたのこと …、 ……言えるわけ無い。
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