豊徳園おとぎ村
第3話 おしまいは?
まるたんばしは、
「きょうはへんな日だなあ。
つぎは だれがやってくるのかな?」
と おもっていると、とおくから うさぎさんふうふが
やってくるのがみえました。
まるたんばしは しんぱいになり、
からだがちょっとかたくなるのをかんじました。
うさぎさんふうふは、まるたんばしまでやってくると、
まわりいちめんにさいているはなをみつけて、
「みてごらん。きれいなはなが あんなにたくさんさいているよ。」
「ことりさんたちのうたも にぎやかなこと。」
また、小川をみおろしては、
「やあ あひるさんたちが あんなにうれしそうにおよいでいるよ。」
「おさかなさんたちも げんきのいいこと。」
と、それはそれはたのしそうに はなしています。
「きをつけてね。」
うさぎさんふうふは、なかよく手をつないで
まるたんばしをわたりはじめました。
このようすをみていた まるたんばしは、
じぶんまでついうれしくなって、
それまでちょっとかたくなっていたからだがやわらかくなりました。
キュッキュキュ、キッキキと音をたてると、
その音にあわせてじぶんのからだをふって
ひょうしをとりました。
「ほらほら、はしがうたっているよ。」
「おまけにおどっているわ。」
うさぎさんふうふは そういってわらうと、じぶんたちも、
「キュッキュキュ、キッキキ」
とうたいながら、まるたんばしのうえをおどるように
わたっていきました。
うさぎさんふうふのすがたがみえなくなると、まるたんばしは、
さっきの やせっぽちやぎさんや ふとっちょぶたさんのことを、
もうすっかりわすれてしまっていました。
「ああ、きょうはとってもきもちのいい日だなあ。」
そういって、おもいっきりせのびをすると、
また春のひざしのなかで、うとうととおひるねをはじめました。
おわり