ところがおばあさんは
「ルミルミ、もうそのボトルは必要なさそうだよ。
おまえは本当にいい子になったよ。
こんないい子になったら、もうボトルがなくても
ちゃんとやっていけるよ。」
というのです。
「えっ? どうして?
わたし、おばあさんの魔法の力で守っていてもらいたいの。
だから、これもってかえるわ。」
おばあさんはちょっとこまった顔をしていましたが、
すぐそばにあった石にこしをおろし、
「ルミルミ、おまえもおすわり。」
とルミルミをそばにすわらせました。
「ルミルミ、本当のことをいうよ。よくおきき。
これは魔法でもなんでもないんだよ。
おまえを元気でやさしい子にそだててやりたいと、
お父さんやお母さんからたのまれたおしばいさ。
あのボトルはけっして魔法のボトルじゃないんだよ。
ただの水に色をつけただけのおまじないさ。
それにわたしだって魔法つかいでもなんでもないよ。
この森のはずれにすんでいるただのとしよりだよ。」
「でもわたし、本当にいろいろなことができるようになったし、
楽しかったことやうれしかったおもいでがたくさんできたわ。
あの空色のボトルのおかげでしょ。おばあちゃんのおかげでしょ。」
「そうじゃないよ。それはルミルミ、おまえががんばったおかげだよ。
これからも、今までどおりがんばるんだよ。
そうすれば、もっともっと幸せになれるよ。」
「うん、わかったわ。やってみる。自信あるわ。
でも、おばあちゃん、このボトルは記念にちょうだい。
今までどおりお部屋にかざっておきたいの。」
「そりゃあいいよ。
それを見ては、たまあにわたしのことも思いだしておくれ。」
「どうして?おばあちゃん。これからもまたあえるんじゃないの。
わたしこれからもここにくるわ。だからまたあいましょ。」
ルミルミはおばあさんの手をとってそう言うのですが、
おばあさんはもうルミルミにあう必要はないよ、というのです。
ルミルミはかなしい気持ちになりました。
でも、これもつらいことのひとつとしてたえなければならないのだな、
とルミルミは気づきました。
「わかったわ、おばあちゃん。
あえなくても、ずっとどこからかルミルミをみていてちょうだいね。
さようなら。元気でね。」
(つづく 次回をお楽しみに)
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