Podcast 山川浩一のスタンダードジャズ入門 補足情報 放送リスト
第105回 My Ship 1941 広瀬麻美 解説 高井健
第105回は、1940年の"Lady in the Dark"というミュージカルで使われた「My Ship」をお届けします。 寺井珠重さん(たまえさんと読むのでしょうか?)のブログによるあらすじと分析です。 主人公リサは、モード雑誌のやり手の美人編集長で、妻が別にいる雑誌社の社長と同棲中。恋人の社長は、妻と離婚の段取りをしてリサにポロポーズ。しかし、なぜか、リサはうつ病になり、カウンセリングを受ける。医者は、彼女の深層心理を探るべく、子供の時によく歌った童謡をもう一度歌わせようとするが、どうしても途中までしか思い出せない歌があった。ノイローゼの原因はそこにあった。「思い出せない歌」の中に彼女の心の秘密が隠されていると判明!その歌こそ「マイ・シップ」! 潜在意識の元で思い出すのをためらっている夢、抑圧されたリサの恋心の象徴の歌だった。 結局、リサは、自分が本当に愛する男性は、社長ではなく、いつもケンカしていた社内のPRディレクターだったことに気がつき、「マイ・シップ」を最後まで歌いきり、ストーリーは完結。 「マイ・シップ」の海は、深層心理の象徴で、船は「本当の自分」だったのです.。歌詞のラストの「唯一人の恋人」が歌詞のラストの「唯一人の恋人」がマイシップ、つまり本当の自分と一緒に来ないと意味がありません。アイラ・ガーシュインならではの作詞力なそうです。
フロイドの精神分析は、20世紀初頭に始まり、1940年前後の米国ではポピュラーな治療方法だった。催眠をかけて、夢判断などもする。 "Lady in the Dark"というミュージカルで、歌われた。女優。ガートルード・ローレンス - Gertrude
Lawrence ジュリー・アンドリュース Julie Andrews(Sound Of Music)が、後に、ガートルード・ローレンス役で、スターという映画をやっている。そこでも、ピアノ伴奏で、MyShipを歌うシーンがある。 Someone to Watch Over Me - Julie Andrews も歌っている。この映画は興行的に失敗。
当時、欧州からナチの迫害で米国に逃れたクラシックの作曲家は多かった。しかし、一度、芝居や映画の曲を書くと、クラシック界にはもどれない不文律があった。交響曲とオペラでステータスを確保しないといけなかった。 作詞のアイラ・ガーシュインは弟と違って長生きだった。先曲がジョージで、作詞がアイラの場合、著作権は、切れていない。 ジョージ・ガーシュインは、シンフォニックジャズ=クラシックとジャズの融合をなした人。ストラビンスキーに、教えを請いに行くと、「どうやったら、ギャラが上がるのか、先に、教えてくれと」言われた。ラベルに、オーケストラレーションを習いに行くと、「あなたは一流のガーシュインだから、二流のラベルになる必要はない」といわれた。つまり、クラシック界から、完全に、馬鹿にされた。米国の商業音楽を書いている奴が俺たちに何を今さら聞くのだ。金を儲けているから、も、いいだろ。 NYの音楽はそれなりに重視されていた。マーラーの例もある。 米国のクラシック作曲家はジャズやポピュラーなど一色単にやる人が多い。 ニューヨークフィルで、バーンスタインが、ピアノ弾振りをやってうまかった。 《一応の参考》
代表曲) 歌詞大意です。 私の船の帆は絹で、デッキは金で飾られている。 私は、私の船が来るのを何年も待っています。
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