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第120回You'll Never Walk Alone1945山川浩一先生 震災特集1

第120回は、第92回でも紹介した「You'll Never Walk Alone」をお届けします。

当番組管理人は岩手県出身、義弟の実家が被災地の宮古にあり、毎週、盛岡から宮古の親戚に支援物資を運ぶ妹の車に同乗、鍬ケ崎(きくわがさき)地区の惨禍(さんか)を目(ま)の当たりにしたそうです。そのとき、ふと、人生を鼓舞するこの曲が浮かんだのだとか。

瓦礫(がれき)、砂埃(すなぼこり)の中、自衛隊員、大型トラック、重機の作業が不休で続く。
打ち上げられた大型観光船。その下で潰されている数台の車。コンクリの電柱は全て折れ、鉄筋がむき出し。なんとか残った家も破壊OKのサインが記され、全て、取り壊し。残骸(ざんがい)のそば、途方にくれて佇む老人たち。避難所にいる子供たちの壊れた勉強道具、おもちゃが空しく並ぶ。破損して、アルバムからおちた、バラバラの家族の写真。

ここが同じ日本だとはとても思えず、まるで、遠い国の戦場で爆撃された街のように見える。失われた多くの命のご冥福を祈りつつ、悲しみにひたくれる。復興に要する年月、物資、金、人力(じんりょく)、を思うと無力感で、昼食と夕食を食べることができず。


結局、希望と勇気を持って、自分のできることを粛々と続けるしかないと、この歌を、夜、Ipodで、聞きながら、管理人は、再確認したそうです。


「You'll Never Walk Alone」の歌詞大意です。


嵐の中を行くときも 頭を上げて前を見ろ。暗闇を恐れるな。
嵐の後は、金色に輝く空が広がり、遠くからひばりの鳴き声がしてくるだろう。

夢がどこかに飛ばされそうになっても、風の中、雨の中を、行くんだ。
心の道を、希望を持って、歩き続けるんだ。
君は、一人ぼっちじゃない。僕たちがついているよ。


では、山川先生の歌で、お聞きください。「You'll Never Walk Alone」


▼追記「間奏に語られる21世紀へのメッセージの概要」

20世紀、人類は驚異の発展を成し遂げ、夢と欲望を満たしてきました。
その代償として命の源である自然を破壊し、殺戮を繰り返しています。
でも、音楽に国境はなく、世界中の人々の心を癒し、励ましてきました。
どうか、21世紀は、世界中の子供たちや生あるものの全てが、平和で愛にあふれ
すこやかに生きていけることを切に願い、私たちは、歌い続けます。


山川浩一
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正木まどか
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高井健
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山川浩一のスタンダードジャズ入門
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