嵯峨かおる
2006-2007年、日本ジャズ界の大御所かつ生き字引であった、ジャズピアニスト兼ボーカルの山川浩一先生が配信したpodcast。スタンダードジャズの名曲の解説。MCは、ジャズ歌手の正木まどか。
途中、先生が亡くなられた後は、正木まどか、が中心になり暫く引き継ぐ。
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『山川浩一のスタンダードジャズ入門、第18回「Swanee、ゲスト、嵯峨かおる、MC正木まどか」 2007年3月』
本日、2007年3月18日は、初期Gershwinの名曲 Swanee を
ゲストの嵯峨かおる さんとお届けします。
▼嵯峨かおる さんの紹介
1943年生まれ、元宝塚の娘役で、山川先生の奥様。
タップダンス、日本舞踊など踊りの名手だが、日本舞踊も生け花も師匠名取りである。
歌手ではないが、恥ずかしながら、ときに、歌う。
元来、きれいなソプラノだったが、33歳、産後、ホルモンバランスを崩し、
低音の濁った声(だみ声)になってしまった。田舎の仲居頭の声と宝塚の同僚の揶揄された。笑。
Alexander's Ragtime Band や Swanee が得意な理由は簡単。
宝塚時代のタップダンスの先生が、ダンスのレッスンの合間に、譜面を渡して教えてくれた。
宝塚はシャンソンが中心だが、その先生は、例外。
踊りのBGMだけでなく歌詞があるのを知り、歌も練習してみた。
その先生が、そもそも、日系米国人で、アステアの付き人のようなことを
した時代があり、昔のスタンダードナンバーに詳しかった。
なお、山川先生と知り合うきっかけは、これらの曲でなく、Fools Rush In。
(天使が恐れて行かない所でも、馬鹿は、突っ走っていく・・)
http://aselliacubens.blogspot.com/2015/07/fools-rush-in-lyrics.html
https://www.youtube.com/watch?v=x91adAqR9yA
山川先生が、プロポーズのつもりで?奥様の前で、弾き語りをされたのだとか。
山川先生のサウンドが優しくて、好きになった。
ピアノも歌っているような、ほっとするような感じ。
嵯峨さんは、1960年代、暴動や反戦運動で荒れるニューヨークでジュリアード音楽院に留学。
当時、ゲイストリート、おかま通り、と呼ばれていた街に下宿していた。
当時の米国なので治安は悪いが、こういう場所だと女性が乱暴される心配がなかった。女性は。
当然、嵯峨さんは、英語が得意。当時、アジア人女性が少なく、必死で意志をはっきり
言わないと生きていけなかった。なお、息子さんも、今、海外で活躍されている。
嵯峨さんは、帰国すると英語は使わず、今でもカラオケでは演歌ばかり歌っている。
親友の黒岩三代子先生などと。大先輩の笠置シヅ子さん他のブギをよく歌っている。
例:
三味線ブギウギ(市丸)昭和24年
https://www.youtube.com/watch?v=HKVeYf-0-TA
笠置シヅ子 東京ブギウギ
https://www.youtube.com/watch?v=6SfpSymF0MI
嵯峨さんは、日本酒が好き。山川先生は、バーボンひと筋。
(糖尿病予防で、焼酎も飲んでいるが効果はあやしい)
嵯峨さん、小柄だが、今でも引き締まったスマートな体。声量はある。
京都育ちだが、大阪のおばちゃん以上の俗な?ド迫力と言われている。笑。
若手歌手で、歌と歌との間の話や歌の説明がよく聞こえないのがいる。
アピールが必要だから、声を出して、ステージングを研究してほしい。嵯峨さんは思う。
▼Swaneeの紹介
背景。1910年代の米国。ニューヨークは19世紀末300万都市になる。
黒人や移民の文化が賑わう。ラグタイム、ブルースなど。
楽譜出版業という大衆音楽のビジネスができた。
Irving Berlin、George Gershwinなど、著名作曲家が出てきた。
第一次大戦で鬱屈、閉ざされていた庶民のエネルギーが戦争終結とともに爆発した。
その後の20年代の繁栄、ジャズエイジに、繋がっていた。
Gershwinは、Fosterのスワニー川を参考したという話もある。
が、山川先生によると、メロディも全く違うし、故郷に戻るのが主題になってるのが重要。
米国のポピュラーソングは、故郷ものが、多い。都会に出て働く人が多かった。
例)Take Me Home, Country Roads
https://www.youtube.com/watch?v=mbDERuorNjQ
Swanee をヒットさせた歌手 アル・ジョルソン AlJolsonは、白人だが、シャネルズのように
黒く色を塗り黒人スタイルで歌った。なお、山川先生は、なんと、シャネルズを知らないのだとか。
https://www.youtube.com/watch?v=wPEtnyg6sn0
1927年、初のトーキー映画「The Jazz Singer」で黒塗りの顔で黒人シンガーを演じました。
http://ozsons.jp/AlJolson.htm
なおGershwinの自伝映画、『アメリカ交響楽』Rhapsody In Blueでも本人役で出演。
https://eigakawaraban.wordpress.com/2018/09/17/18091701/
では、お聞きください。
嵯峨かおるさんの歌で、Swanee