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セックスカウンセリング
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性交痛あるいは性交疼痛障害  日本性科学会常務理事 大川玲子
どのようなものか
原因によらず性交時の疼痛をくりかえす場合を性交疼痛障害といいます。
身体の構造的な理由か、セックスのイニシアチブの問題もあるのか、性交痛を訴えるのはほとんどが女性です。
痛みはそれだけで苦痛なものですが、セックスの楽しみが苦痛に変わり、セックスを断ることでパートナーとの
関係も悪くなります。

「痛いだろう」と思えば性的興奮がおきにくいので、ますます痛くなり、その結果、性欲障害に陥ってしまうこともあります。


原 因
 性交痛は他の性機能障害と違って、身体的理由からおこるものも少なくありません。性器に炎症や傷、腫瘍が
あれば痛くて当然です。
性交痛がおこる場所は、外陰、ないし骨盤内で、前者は「挿入時の痛み」後者は「腟の奥の方で感じる痛み」となります。

「挿入時の痛み」をおこす疾患の代表は、外陰・腟の萎縮や炎症です。
閉経後、女性ホルモンの分泌がなくなると、腟粘膜が委縮し、性的興奮で「濡れにくい」状態となるので、挿入痛が
おこります。

 奥の方が痛む疾患の代表は、子宮内膜症で、腟の奥に卵巣のう腫など癒着性の病変があるためにおこります。
 これらの疾患は産婦人科の診察で容易にわかりますが、診察ではわかりにくい病変もあります。また身体的疾患
がみつかっても、それだけでは性交痛が説明しきれない場合もあります。

 心理的理由から来る性交痛として、若い人でも挿入時の痛みはめずらしくありません。これは緊張すると性的興奮
がおこらず、濡れにくいからです。男性が勃起しないのと同じことです。
 腟周囲の不随意の収縮は、軽症ワギニスムス(挿入障害の項参照)の可能性があります。
また骨盤底筋肉のうっ血なども、心理的理由でおこることがあります。
治療方法
 大事なことは性交痛をがまんしないことです。
 がまんして痛い性交を繰り返すと、より重傷の性的興奮障害や性欲障害を起こす可能性があるし、何より相手のた
めに痛いのをがまんするのは、性の平等に反します。パートナーもうれしくないでしょう。

 治療の初めは診断ですが、まず婦人科の診察を受けるか(その際、性交痛が問題であることをはっきり話して下さい)
当相談室にいらっしゃっても、一度は性機能障害の経験豊かな婦人科医の診察を受けられるよう、手配いたします。
身体疾患があれば、まずその治療を行います。濡れにくい状態をおぎなうのに、ゼリー剤を使うのも良い方法です。

 心理的治療法はその人の状態によって変わりますが、カウンセリングをもとに、ワギニスムスに准じた、腟・骨盤の
リラックス法や、系統的脱感作療法、痛み行動の除去などを行います。
長期の性交痛で2人の関係がぎくしゃくしている場合は、相手の気持ちにも配慮しなければなりません。
そのためカップルを対象とした治療も必要です。