
肝硬変(かんこうへん)Liver Cirrhosis;hepatic cirrhosis;hepatocirrhosis |
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■症状: 肝機能検査を受けても異常のない場合もあり、その場合は代償性と呼んでいますが、非代償性は胃腸に変調を来たし、黄疸(おうだん)をはじめ、上腹部にはりを感じ食欲がなくなり便秘や下痢、嘔吐が生じます。お腹の右上辺りに肝臓が硬くなっていることを触って確認出来ます。 また手のひが赤くなり皮膚に血管が浮き出てくるようになります。また浮腫や腹水も見られ、お腹が膨れて水が溜まるようになりますが、その頃は相当の苦痛を伴います。 ■治療: 肝硬変のうち、代償性のものは慢性肝炎と同じように行います。また、非代償性の場合は先ずアルコールを完全に断たなければなりませ ん。安静を保ち、運動も控えたほうが無難でしょう。 食事療法も重要で一般的には高タンパク、ビタミンB複合体などを多く摂るようにします。 またブドウ糖液の点滴やビタミンや副腎皮質ステロイド注射も行います。
アミノ酸製剤として、リーバクト顆粒(味の素フォルマ)・アミノレバン(大塚工場)
などを処方します。
また、治療法の選択や効果予測、また予後判定などには肝細胞機能の程度を 知ることが重要で、下に記す表が広く用いられています。 |
| 評点 | 1点 | 2点 | 3点 |
| 血清ビリルビン(mg/dL) | 2.0以下 | 2.0~3.0 | 3.0以上 |
| 血清アルブミン(mg/dL) | 3.5以上 | 3.0~3.5 | 3.0以下 |
| 腹水 | なし | コントロール可能 | コントロール困難 |
| プロトロンビン時間延長(秒) | 4.0未満 | 4.0~6.0 | 6.0以上 |
| 昏睡度 | なし | 軽度(Ⅰ~Ⅱ) | 重度(Ⅲ~Ⅳ)
各項目の点数を合計し、5~6点がグレードA、7~9点がグレードB、10~15点が グレードCとして判定します。 |
アルコール性肝障害 alcoholic hepatopathy:alcoholic disease |
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どの程度の量でこれらの症状が出てくるかは個人差があり、特定出来ませんが一般的には 男性で一日150g、女性で一日120g以上のアルコール飲用が継続する と肝障害が生じると言われています。 日本酒三合でアルコール(エタノール)が約80g摂取することになります。 ■症状: アルコール性肝炎は肝細胞が広範に渡って壊死が生じ発熱や黄疸も見られ、劇症肝炎、急性 肝不全の症状を起こす場合もあります。 細胞の壊死の速度が速いために治療が追いつかなくなってしまうのです。 脂肪肝や肝炎は禁酒することで治癒可能ですが、アルコール依存症となると禁酒が困難になり、アルコールの代謝過程でアセトアルデヒドが生じて脳や臓器系の障害を起こすことになります。 ■治療: 外来患者であれば自宅や出先での禁酒を徹底しなければなりません。 生活改善意識向上のためにも栄養剤その他の薬を服用することもあります。 パントテン酸:パンテチンpantethine:商品名・パントシン錠 (扶桑)、ウルソデオキシコール酸ursodeoxycholic acid(UDCA):商品名・ウルソ( 三菱ウェルファーマ)
入院などで禁酒を行い、せん妄、抑うつ、振戦などの離脱症状が出る場合、鎮静剤の投与を
受けることもあります。
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脂肪肝(しぼうかん)fatty liver K760 【食餌療法・運動療法】 |
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この脂肪肝の病気の分類の仕方では、アルコール性と非アルコール性 non-alcoholic steatohepatitis;NASHの二つに先ず分けられます。 すなわちその原因はアルコールもしくは肥満など栄養のとり過ぎ、高脂血症、ステロイドなどの薬剤、 糖尿病、 栄養障害(炎症性腸疾患、神経性食思不振症など)などがあります。最近ではこのNASHの注目が高まり、NASHによる脂肪肝であっても10%~20%は 肝硬変や 肝細胞がんへと進行する可能性があることが報告されています。 ■症状・診断: 症状ははっきり出ない場合もあり、更には血液検査で異常が見られない場合でも腹部超音波検査(肝エコーレベル上昇) や腹部CT(肝CT値低下)によって脂肪肝が認められます。 実際に血液検査でトランスアミナーゼ(ASTとALT)の上昇が見られるのは30%程度で NASHの症例でも正常値を示す場合があります。 ■治療: 治療では原因療法がよく行われており、症状に応じてカロリーやアルコールの制限が必要となります。
●食事療法
●運動療法
散歩も効果はありますが、ウォーキングも治療の一環ですから大股で歩いたり早足にしたり肘を曲げて両腕をしっかり振りながら歩くなどして意識的に行うほうが更に効果があらわれます。
●薬による治療法
・プロブコールprobcol高脂血症用薬
脂肪肝:fatty liver 中性脂肪:triglyceride アルコール性:alcoholic
肝硬変:cirrhosis
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急性膵炎(きゅうせいすいえん)・慢性膵炎(まんせいすいえん) |
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●急性膵炎acute pancreatitis:
症状はお酒の飲みすぎや食べ過ぎのあと、上腹部に激痛が起こり特に左半身が締め付けられたような痛みを覚えます。
お腹がはってきて便通がなくなり、やがて発熱も出てきます。
●急性膵壊死acute pancreatic necrosis: 急性膵炎が悪化すると急性膵壊死が生じます。 急性膵壊死は膵実質が壊死に陥った重症の病態で、びまん性また巣状に起こります。 死亡率は40%以上に及びます。 壊死に感染が伴う場合は外科的治療が必要となり、壊死組織の除去や腹腔内洗浄、 ドレナージdrainage(皮下や創腔あるいは体内の貯留液または気体を体外に排出させる術)が施行されます。 急性膵炎の治療は入院が必要で、絶対安静にして絶食させます。水分も与えずに点滴でブドウ糖やその他栄養分をとります。 場合によっては胃の内部の胃液を鼻を介してカテーテルで吸引することもあります。 薬剤・抗生物質が与えられますが、容態が好ましくなければ手術も行います。 ●慢性膵炎chronic pancreatitis: 慢性膵炎は3、40代男性に多い病気で、それは飲酒のとり過ぎが原因である場合が多いのです。 また膵管に膵石が見られることがよく有ります。 症状は上腹部の痛みが持続的に半年以上みられ、激痛でなくてもなんらかの不快感を伴い続けます。 消化不良や下痢もあります。 膵管の圧力が高まると、みぞおち周辺や背中などに痛みを覚えます。 急性膵炎のような激痛を上腹部に覚える場合もあります。 また膵実質が脱落することによって膵内・外分泌機能障害が生じ、糖尿病や消化吸収不良が現われます。 病気の原因は過度の飲酒、胆石症、急性膵炎などが考えられますので、治療では安静を保ちアルコールと脂質を制限します。 薬剤では消化酵素薬を用います。 |
胆嚢炎(たんのうえん)cholecystitis・胆石症(たんせきしょう)cholelithiasis;gallstone disease |
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胆石は均一の成分ではなく、コレステロール系胆石、ビリルビン系胆石(色素胆石)その他の成分で作られています。 胆嚢内に一個から無数の胆石が作られます。 胆嚢や胆道の通りが悪くなると滞った部位に炎症を起こしたり、固まりやすい成分が分離されて胆石を作ると考えられています。女性に多く罹り、加齢と共に頻度は増加していきます。
また、不規則な食事を摂る人や事務的労働をする人が罹る割合が高いと言われています。
胆石が出来ると胆嚢は炎症しやすくなり、悪化すると胆嚢が壊死したり破れることがあります。
胆石が胆管中に出されて胆管が詰まりだすと黄疸が起きたり炎症を起こしたりします。
■症状: 発作的な痛み(疝痛せんつう)、発熱、黄疸が特徴をなしていて、食べすぎた後や過労の後などに激しい突発的な 痛みを生じます。発作時は右季肋部から心窩部にかけての圧痛や腹壁緊張感が現われます。 痛みが5分程度でおさまる場合もあれば何日間も続く場合もあります。 ■診断: 診断は色々な方法があり、X線検査、超音波(エコー)検査、コンピュータ断層撮影(CT)検査などの機械を使います。 造影剤を用いるとより鮮明に見えます。また経口的吸引を行って口からゴム管を飲み胆汁を吸いだして検査を行い、胆石の一部を確認することが出来ます。 ■治療: 痛みもなくなり、お腹を押しても痛みが生じない程度であれば安静を維持しながら食事に注意して生活出来ます。 定期的な食事が大切であることはこの病態の原因からも察することができます。 もし食事が不定期的であると胆嚢に溜まる胆汁の流通が滞り、その結果胆石や炎症を起こすことがあるからです。 また脂っこい物を多く摂ったり食物繊維が足らない場合も同じことが言えます。 更に心身共に過労させないことも大切です。
また痛みがあれば右上腹部を広く冷湿布を施し、
アンピシリンampicillin(ABPC)などの抗生物質の投与も行います。ペニシリン系が使えない場合はセフォタキシナトリウム
cefotaxime sodium(CTX)などを用います。
しかし炎症が悪化していたり腸閉塞を起こしたり胆嚢が破れたりした時は手術が必要で、そこまで行かない場合でも手術が望ましい場合も多いのでインフォームドコンセントをしっかり図るべきでしょう。
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肝癌l(原発性肝癌と転移性肝癌)・肝細胞癌 |
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●原発性肝癌primary liver cancer:
●肝細胞癌hepatocellular carcinoma:HCC,hepatocarcinoma,liver cell carcinoma:
●転移性肝癌metastatic liver cancer:
■症状: 肝癌そのものからよりも肝炎や肝硬変による症状が一般的で、 食欲不振、倦怠感、腹部膨満感、便秘、下痢、黄疸、吐下血、めまい、冷や汗、頻脈などがあります。 また、進行すると心窩部腫瘤(しんかぶしゅりゅう)といわれるみずおち(みぞおち)にしこりを覚えます。 急激な腹痛などを覚える場合はかなり進行していると考えられます。 ■診断方法: 血液検査と腫瘍マーカー及び超音波やdynamic CT/MRIによる画像診断、 更に精密に検査する場合には超短波映像を見ながらの針生検が行われます。 CT:computed tomography(コンピューター断層映像)(CTスキャンscan)はX線による 輪切りの実像が焦点面に結ぶものではなく、断層面周囲をX線により放射と検出で演算処理して 断層面が作成されます。また超音波による検査は放射線被爆がない面安全性が高まります。 ■治療: 外科的切除・摘出の他、皮膚から注射針を入れて行う経皮的エタノール注入療法、経カテーテル肝動脈塞栓療法、マイクロ波により局部を加熱凝固させるマイクロ波凝固療法、経皮的ラジオ波焼灼療法などの局所療法などが行われます。 ラジオ焼却法などは切除術に比べて症例数が少ないためエビデンス(実証)に乏しく術者の技量に依存するところが高くなります。
●経カテーテル冠動脈塞栓療法:TAE transcatheter arterial embolozation
塞栓物質は効果が様々であり、適切な判断が求められます。血管が太い部類に入れば金属コイルで、 毛細管レベルであれば液体、汎用性の広いものではゼラチンスポンジを使用します。 またこれは他の治療法と併せて行う場合もあります。
●ラジオ波焼却療法:RFA radiofrequency ablation
●マイクロ波凝固療法:MCT microwave coagulation therapy
●経皮的エタノール注入療法percutaneous ethanol injection therapy;PEIT
●肝細胞がんの化学療法による抗がん剤
ニドランNidran(三共):塩酸ムスチニンnimustine hydrochloride(ACNU)-アルキル化剤
5-FU(協和発酵):フルオロウラシルfluorouracil(5-FU)-代謝拮抗剤
ユーエフティUFT(大鵬):テガフール・ウラシルtegafur・uracil-代謝拮抗剤
アドリアシンAdriacin(協和発酵):塩酸ドキソルビシンdoxorubicin hydrochloride(DXR)
アドリアマイシンadriamycin-抗生物質
ファルモルビシンFarmorubicin(ファイザー・協和発酵):
塩酸エピルビシンepirubicin hydrochloride-抗生物質。
マイトマイシン(協和発酵):マイトマイシンC mitomycin-C(MMC)-抗生物質
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膵癌(すい臓がん)pancreatic cancer |
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膵がんは上皮性と非上皮性に大分類されますが、殆どは上皮性の浸潤性膵管癌に罹っていて、通常膵がんと呼ばれる時はこのがんを指していて通常型膵癌とも呼ばれています。 国内においての膵がんによる死亡数は年間19.000人を超えており増加の一途です。60歳代に多くみられますが40歳以下にも増加傾向があります。通常の健康診断を受けていても膵臓は周囲が他の臓器で囲まれているために2センチ未満の小膵癌の場合、その発見が困難でありまた早い段階での症状も出ませんので判った時には手遅れに近い状態になってしまいます。 ■症状: 特徴的なものはなく、腹痛、腰背部痛、食欲不振などに表れるようです。 またがんの進行によっては胆管が詰まることがあり、その場合には黄疸の症状も現われます。 ■診断: まず超音波による断層映像や内視鏡、レントゲン検査などで消化器の異常の有無を調べます。更にはCTによるX線断層映像やMRIによる磁気共鳴原理を利用した断層映像による検査が行われます。 EUS並びにERCPなどの内視鏡による精密検査もありますが、患者の負担が高いため最近ではMRIの改良型とも言うべきのMRCPという技術も生まれています。 病期は日本膵臓学会では4段階に分類されていて、がんの大きさ、程度、転移の有無などで 診断されます。UICCによる分類もあり、同じく4段階に分けられていますが、内容や基準に若干の違いがあります。 ■治療: ●外科療法: 治療の主流をなす方法でがんの部分を切り取りますが、切除の箇所はがんの部位によって異なってきます。 また治癒切除が不能になっている場合には消化管のバイパス手術で食事が出来る ようにしたり、胆道バイパス手術によって黄疸を抑えることが出来ます。 予後は芳しくなく、切除後の5年生存率は18%程度になります。
●薬による化学療法の処方例(保険適用):
●放射線化学療法: |
| 製品名 | 薬品名 | 副作用 |
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ユーエフティ UFT(大鵬) | 代謝拮抗剤 テガフール・ウラシル tegafur uracil | 骨髄機能抑制、溶血性貧血。劇症肝炎。脱水症状。腸炎。白質脳症。心筋梗塞、 狭心症。急性腎不全。重篤な口内炎。間質性肺炎など。 |
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アドリアシン Adriacin 協和発酵 | 抗生物質 塩酸ドキソルビシン doxorubicin hydrochloride | 心筋障害、心不全。骨髄機能抑制。ショック、膀胱萎縮など。 |
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ネオカルチノスタチン 科薬-山之内 | 抗生物質 ネオカルチノスタチン neocarzinostatin (NCS) | 骨髄抑制。ショックなど。 |
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マイトマイシン 協和発酵 | 抗生物質 マイトマイシン mitomycin-C MMC | 溶血性尿毒症症候群。急性腎不全。骨髄機能抑制。間質性肺炎、肺繊維症。胆道障害など。 |