
白血病leukemia・白血病細胞leukemia cell・白血病裂孔leukemic hiatus |
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●白血病は計画細胞死を免れた異常な白血球の増殖により引き起こされる
●アポトーシス:細胞の能動的な死滅により細胞が更新するもので細胞壊死とは異なる
●白血病の分類:
●白血病裂孔
症状: 白血球:leukocytes 白血病:leukemia 顆粒球:neutrophil リンパ球:lymphocyte 単球:monocyte マクロファージ:macrophage T細胞:T-cell 白血病裂孔:leukemic hiatus アポトーシス:apoptosis 壊死:necrosis プログラム細胞死:programmed cell death |
急性骨髄性白血病(AML)・急性リンパ性白血病(ALL)のFAB分類・WHO分類 |
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急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病の分類の方法は、FAB分類FABclassification
(FAB=French-American-British)と言うものを用いています。
しかし新しいWHOによる分類法では、この30%の境界線が20%としています。また芽球が25%以上のものを急性リンパ性白血病とし、それ以下のものは悪性リンパ腫とみなしていてこの両者を同種の疾患としています。
この分類法は将来取り入れられるのかも知れません。
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| L1 | 小型でNC比(核細胞質比)の高いリンパ芽球を特徴とする。小児に多い。 |
| L2 | 核小体が明瞭で核に切れ込みなどを持つ大型芽球が50%以上を占める。成人に多い。 |
| L3 | バーキットburkitt型。芽球が円形の核を持つ大型のもので、細胞質は濃青色に染色され 大きな空胞を持つ好塩基性胞体。 |
| M0 | MPO陰性。細胞表面骨髄抗原を有する微小分化型 |
| M1 | MPO陽性未分化型 |
| M2 | 顆粒球への分化型 |
| M3 | 急性前骨髄球性白血病 |
| M4 | 急性骨髄単球性白血病。特異的エステラーゼ陽性。 |
| M5 | 急性単球性白血病。非特異的エステラーゼ陽性。 |
| M6 | 赤白血病。赤芽球が50%以上。それ以外の30%以上が芽球。 |
| M7 | 急性巨核芽球性白血病。巨核芽球が30%以上。 |
急性白血病の治療:完全寛解導入療法(かんぜんかんかいどうにゅうりょうほう) |
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完全寛解に導くためには先ず化学療法がとられ、それにより白血病細胞が109個以下に減少すると血液全体の働きが健康な状態に近づきます。そして血球が正常値に戻り、骨髄中の芽球が5%未満になり、臓器浸潤も消失すると完全寛解complete remissin:CRと呼びます。
それで治癒を目指すために完全寛解後の治療として、今まで同様の治療を続ける地固め療法と退院後の通院により行う維持・強化療法があります。 ●白血病の治療:化学療法
白血病の治療の主要なものとして抗がん剤(経口薬及び注射薬)による化学療法があります。
これにより癌細胞の分裂増殖を抑制して攻撃破壊するという治療法です。
血液のがんは局部的な放射線治療や手術による病変部分の切除という方法はとれませんので、化学療法は重要です。
抗がん剤が風邪薬などと異なる大きな点の一つとしてその副作用の甚大さがあり、使い方を間違えれば、効果よりも副作用が強すぎる場合もあります。
一般的な副作用として、悪心、嘔吐、脱毛、白血球減少、血小板減少、肝機能障害、腎機能障害、その他の症状が現われます。
また副作用のなかには重篤なものも多く、専門のベテラン医師が扱うべきもので、患者との緊密なコンタクトをとり続ける必要があります。 一般的に用いられる薬のいくつかを以下の表にまとめます。 |
薬品名 | 商品名 製薬会社名 | 用途用法と副作用 | |
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シタラビン cytarabine Ara-C |
キロサイド Cylocide 日本新薬。 サイトサール Cytosar 住友・ファイザー。 |
代謝拮抗剤で、急性白血病の寛解導入、維持に。
同白血病の地固め療法に大量投与されます。悪性リンパ腫に、他の抗腫瘍剤と併用して点滴投与します。 シタラビンの大量療法の場合に重大な副作用としては、 深刻な骨髄機能抑制が生じ、致命的感染症や出血なども起こり得ますので無菌室治療が最適です。 | |
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エノシタビン behenoyl BH-AC |
サンラビン Sunrabin 旭化成 | 代謝拮抗剤。Ara-Cの誘導体で、これを不活化する分解酵素に抵抗し、急性白血病患者に静注します。 重大な副作用は骨髄機能抑制。感染症。出血。ショックなど。 上記に準します。 | |
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塩酸ダウノルビシン daunorubicin hydrochloride |
ダウノマイシン Daunomycin 明治製薬 |
抗生物質で急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病の第一次選択薬として用いられます。 重大な副作用は骨髄抑制。心筋障害。貧血。ネフローゼ症候群など。 | |
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シクロフォスファミド cyclophosphamide CPA |
エンドキサン Endoxan 塩野義 |
アルキル化薬に属し、リンパ系腫瘍の第一次選択薬ですが、急性リンパ性白血病にも用いられます。また、悪性リンパ腫や重症再生不良性貧血にも点滴静注します。 ペントスタチンとの併用不可。骨髄抑制からくる感染症や出血も 起こり得る。ショック。心筋障害。心不全など。 | |
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硫酸ビンクリスン vincristine VCR |
オンコビン Oncovin 塩野義・イーライリリー |
アルカイド系で急性リンパ性白血病の第一次選択薬で急性骨髄性白血病の第二次選択薬です。また悪性リンパ腫その他の治療にも用いられます。 重大な副作用は骨髄抑制。錯乱、昏睡。末梢神経障害。イレウス (胃腸の障害)。心筋虚血。呼吸困難、気管支痙攣。間質性肺炎。肝機能障害、黄疸など。 | |
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プレドニゾロン prednisolone |
プレドニゾロン 旭化成・武田・丸石その他 |
合成糖質副腎皮質ホルモン剤でアポトーシス(計画細胞死)を導入して細胞融解作用があります。
重大な副作用は消化性潰瘍。糖尿病。緑内障。膵炎。骨粗しょう症。神経変調。感染症など。 ●慢性骨髄性白血病の治療として次の抗がん剤や免疫抑制剤が用いられます。その主な用途は次のとおりです。
アルキル化剤alkylating agent:DNAの複製とRNAの転写を阻害し抗腫瘍効果があります。 また一般的に共通してみられる副作用では、肝臓、腎臓、消化器、呼吸器、皮膚(脱毛)などに 様々な障害をもたらします。下の表は主な抗がん剤ですが、重大な副作用のみ記載してあります。 |
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薬種・主原料 |
薬品名 |
商品名 |
重大な副作用 |
|---|---|---|---|
| アルキル化剤 |
シクロホスファミド cyclophosphamide(CPA) |
エンドキサン Endoxan 塩野義 | 骨髄抑制。ショック、アナフィラキシー様症。出血性膀胱炎、排尿障害。間質性肺炎。 心筋障害、心不全など。 |
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チオテパ thiotepa(TESPA) |
テスパミン Tespamin 住友 | 白血球減少、血小板減少、貧血、出血。腎不全。ショック。 | |
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ブスルファン busulfan(BUS) |
マブリン Mablin ワイスー武田 | 骨髄抑制。間質性肺炎。肺繊維症。白内障。 | |
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カルボコン carboquone(CQ) |
エスキノン Esquinon 三共 | 骨髄抑制。汎血球減少。ショック。 | |
| 代謝拮抗剤 |
メソロレキサート methotrexate(MTX) |
メソトレキセート Methotrexate ワイスー武田 | ショック、アナフィラキシー様症状。骨髄抑制。感染症。腎障害。肝障害。間質性肺炎、肺繊維症。 皮膚障害。腸炎。骨粗しょう症。痙攣、失語、麻痺、脳症、痴呆、昏睡など。 |
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メルカプトプリン mercaptopurine |
ロイケリン Leukerin ワイスー武田 | 骨髄抑制。 | |
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チオイノシン thioinosine |
チオイノシー Thioinosie 味の素フォルマ | 血液の障害:再生不良性貧血、顆粒球減少、血小板減少、貧血など。 | |
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ヒドロキシカルバミド hydroxycarbamide(HU) |
ハイドレア Hydrea ブリストル | 骨髄性抑制。間質性肺炎。皮膚潰瘍。 | |
| 抗生物質 |
マイトマイシンC mitomycin-C(MMC) |
マイトマイシン 協和発酵 | 溶血性尿毒症症候群、微小血管症性溶血性貧血。急性腎不全。汎血球減少。 間質性肺炎。肺繊維症。肝、胆道障害。 |
| 分子標的薬 |
メシル酸イマチニブ imatinib mesilate |
グリベック Glivec チバガイギー | 骨髄抑制(汎血球減少など)。出血。腫瘍出血。肝機能障害。体液貯留(胸水、肺水腫、腹水など) 。感染症。腎障害。皮膚病。 |
| インターフェロン |
インターフェロンアルファ interferon-α |
スミフェロン Sumiferon 住友 | 間質性肺炎。抑うつ。糖尿病。自己免疫現象。肝障害。急性腎不全。溶血性尿毒症症候群。 汎血球減少。敗血症。心不全。消化器出血。意識障害。顔面神経痛。難聴。皮膚潰瘍、壊死など。 |
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インターフェロンアルファー2b interferon alfa-2b |
イントロンA Intron A シェリング・プラウ | 副作用はほぼ上記と同様。 |
白血病の治療:造血幹細胞移植stem cell transplantation(SRT) |
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・骨髄移植:造血幹細胞は骨髄中にあり、血液の中にある赤血球、白血球、血小板の3種類の血球の供給源となっています。そのため骨髄移植と呼びます。 ・末梢血造血幹細胞移植:体内にくまなく行き巡らされている末梢血管の中を循環しているのが末梢血で体中に種々の栄養素や酸素の供給を施しています。それに伴って幹細胞も循環していますがその量は普段は骨髄の約1%程しかありません。 それが抗がん剤など特殊な薬をを投与した後、造血回復期には一時的に末梢血液中へ造血幹細胞が骨髄と同程度まで流れ込みます。それが末梢血造血幹細胞と呼ばれていて、そこから移植する方法です。この方法は今後次世代において骨髄移植の代替方法として注目されています。 ・臍帯血移植:出産時の胎盤から採った血液、つまり臍帯血(さいたいけつ)にあるものについては臍帯血幹細胞と呼び、その移植をする方法です。しかし幹細胞数が少ないため小児に限定するのが普通です。
●移植には組織適合抗原型の一致が必要・移植片対白血病効果 造血幹細胞移植は患者と提供者の血液型が問題ではなく、組織適合抗原型の主要なものであるHLA(ヒト白血球抗原)が患者のものと一致する45歳以下の家族(血縁ドナー)がいれば、患者が40歳以下で合併症などがなければこの治療を行う事が出来ます。 家族で存在しない場合には骨髄バンクから35歳以下のドナーが見つかれば(非血縁ドナー)行うことが出来ます。 尚、年齢基準は絶対的なものではありません。
移植を行うとドナーのリンパ球が患者の白血病細胞(腫瘍細胞)を攻撃する、移植片対白血病効果が生じます。
●移植片対宿主病
このGVHDがひどくなると致死的なものですのでそれを抑えるために免疫抑制剤を用いますが、そのため正常の免疫作用も低下して免疫不全を引き起こし、主として肺胞壁を病変部とする間質性肺炎interstitial pneumoniaなどの合併症が起きたりします。
それでこの治療法も万能ではなく、移植後一年以内に20%近くの患者が肺炎など移植関連の合併症死亡しています。
造血幹細胞:hematopoietic stem cells 移植:implant 骨髄移植:bone marrow transplantation 臍帯血:cord blood 幹細胞:stem cell ドナー:donor 末梢血:peripheral blood 移植片:graft 末梢血管:peripheral vascular system 末梢血管細胞移植:peripheral blood stem cell transplantation;PBSCT 組織適合抗原:histocompatibility antigen 移植片対白血病効果:graft-versus-leukemia effect;GVL effect |
悪性リンパ腫malignant lymphoma:ホジキン病・非ホジキンリンパ腫 |
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急性・慢性のリンパ性白血病も同様にリンパ球ががん化した腫瘍が認められますが、その病気の主に増殖する部位は血液や骨髄ですので若干の違いがありますが両者の区別はあいまいなところもありますので病名そのものに関してはあまり頓着すべきではないでしょう。 ●ホジキンリンパ腫(ホジキン病)と日本人に多い非ホジキンリンパ腫○ホジキン病の特徴:*巨細胞:リード-ステルンベルグ細胞が出現し、リンパ腫が特定のリンパ節群に限局しながら増殖し他部位への浸潤は稀れ。早期発見型。小児は予後良好。 ○非ホジキンリンパ腫の大多数はBリンパ球やTリンパ球の腫瘍、すなわちB細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫で、NT細胞リンパ腫は稀。複数のリンパ節群に播種(はしゅ・はんしゅ)し拡散増殖し(限局性は一部の患者のみ)腸間膜リンパ節やワルダイエル輪など影響範囲が広い。多くがリンパ節外に浸潤。進行期診断が一般的。小児は悪性度が高い。 *ホジキン病:Thomas Hodgkin,1798-1866英国の病理学者によって報告された病気で命名は 弟子のウィルクスWilks Sによるものです。 *リード-ステルンベルグ細胞:リード(Dorothy Mendenhall Reed/1874-1964)とステルンベルグ(Carl Sternberg/1872-1935)の二人によってそれぞれ1902年、1898年に報告・特定された細胞です。これは二つ以上の核を持つ多核で15~40μm程の巨大であるのを特徴としていて二核であれば左右対称系の鏡面像を示すことから鏡面型ふふとも呼ばれます。 弱好塩基性ないし弱好酸性があります。 起源はB細胞とする説がありますが確定していません。 そのうち単核のものをホジキン細胞hodgkin cellと呼んで区別していますが、 ホジキン病と診断する決め手は多核のリード-ステルンベルグ細胞の存在が重要です。 ■症状: どの病種の場合にも頸部、腋窩(腋の下)、 鼠蹊部(足の付け根)などにあるリンパ節が腫れ(リンパ節腫脹)ますが普通痛みはありません。 全身症状としては発熱、寝汗、倦怠感、体重減少、皮膚の痒みなどがあります。 ●非ホジキンリンパ腫による症状:浮腫・腎不全・貧血 ホジキン病では稀ですが非ホジキンリンパ腫に多くみられるものとして上大静脈が圧迫されることによる顔や頸部(けいぶ:首付近)の鬱血(うっけつ)と浮腫、また後腹膜や骨盤リンパ節が尿管を圧迫することで尿流遮断による続発性腎不全があります。 更に約3人に1人が初期症状で貧血がみられ、病期が進むに連れて大半に広がります。原因は消化管リンパ種からの出血、クームス試験((抗グロブリン試験)陽性による溶血性貧血、脾機能亢進(ひきのうこうしん:脾臓による赤血球の処理・破壊が過剰作用すること)、リンパ腫の骨髄浸潤、化学療法・放射線療法などの治療による骨髄抑制などが原因とされています。 ■診断方法: 一般的なのは腫瘤の一部を切除して顕微鏡を用いる病理組織検査と免疫学的検査によって腫瘍の進行の度合いや性質、種類を明確にすることが出来ます。 更に全身CTスキャン、ガリウムシンチグラフィー、ポジトロンエミッション断層撮影PET、 消化管内視鏡検査、MRI検査、などがあります。 ■治療方法: 放射線療法、抗がん剤を用いての化学療法、造血幹細胞移植療法などが行われますが、病期や病態によって様々な方法が行われます。 以下が化学療法で用いる処方薬の一例です。
●ABVD療法: 早期ホジキンリンパ腫
●非ホジキンリンパ腫の処方薬の一例:
リンパ腫:lymphoma 悪性リンパ腫:malignant lymphoma(ML) ホジキン病・ホジキンリンパ腫:Hodgkin's disease 非ホジキンリンパ腫:non Hodgkin lymphoma/NHL リンパ球:lymphocyte リンパ節:lymph node リード-ステルンベルグ細胞:Reed-sternberg cell ホジキン細胞:Hodgkin cell リンパ節腫脹:lymph node enlargement 浮腫:edema 頸部:neck 鬱血:congestion 圧迫:phobia 腎不全:renal insufficiency クームス試験:Coomb's test グロブリン試験:globulin test |