無料で読める家庭の医学  病気・疾患の解説、原因、症状、診断法法、治療方法、処方例などをわかりやすく記載




膵臓(すいぞう)〔膵β細胞〕とインスリンと血糖値の関係


●糖尿病の原因は膵臓から分泌されるインスリンの産生欠如や分泌障害
糖尿病は膵臓から生成されるインスリンが不足したり機能が低下する事で持続的な高血糖状態になる事です。 膵臓は消化管に付属する腺で、肝臓の次に大きい臓器で重量が約70g、長さが約15cmあります。炭水化物、脂質、及びタンパク質の消化に欠かせない膵液を1日に1,200ml分泌し、更に血中には炭水化物の代謝のためのホルモンを放出します。
その膵臓ホルモンは膵A細胞(膵α細胞)からグルカゴン、膵B細胞(膵β細胞)からインスリン、膵D細胞(膵δ細胞)からソマトスタチン、PP細胞から膵ポリペプチドがそれぞれ分泌されます。

●インスリンとグルカゴンの各作用
グルカゴンはグリカゴンもしくは血糖量を増加させる作用があることから、抗インシュリンまたはインシュリンBと言われており、このグルカゴンの基準値は40-180pg/mLですが数値が300pg/mLを超えるとグルカゴン産生腫瘍や糖尿病性ケトアシドーシス、熱傷などに罹りやすくなります。

インスリンはグルコースなどの栄養素の貯蔵や利用を行い血糖値を正常に保たせるために働きます。このインスリンの空腹時の基準値は5-15μU/mLで1μU/mL以下の高度減少状態では1型糖尿病に、1-5μU/mLでは2型糖尿病に、20-30μU/mLの軽度増加では肥満に、罹る割合が高くあります。それで、このインスリンとグルカゴンは相反する作用があります。
ソマトスタチンは成長ホルモン放出抑制因子として働きますが、膵ポリペプチドの作用はまだはっきりわからないようです。

●血糖
血糖とは血液中のグルコースのことで(blood glucose)、その濃度は基準となる朝の空腹時で70~110mg/dL(4~6mM)で、それを血糖値と呼んでいます。そして食後の上昇した状態:負荷後2時間値では通常140mg/dLを超えませんがこのグルコース(ブドウ糖)負荷試験により数値が200mg/dLを超えると糖尿病に罹るリスクがかなり高くなっています。

まとめとしてインスリンの絶対的もしくは相対的欠乏・不足によってグルコースの利用がはかどらないと、生成のみが増加していわゆる需要と供給のバランスが崩れるために血糖値が上がり、糖尿病に至り様々な合併症を引き起こします。

●糖尿病の原因や誘因として遺伝的要因と生活習慣がある
インスリンの相対的もしくは絶対的な量が不足することで血糖が上昇して起こる糖尿病の原因としては、遺伝的なものと環境的なものがあり、環境因子的なものは私達の生活習慣病と密接な関係があります。その要因は肥満、過食、喫煙、ストレス、薬剤、ウイルス感染などがあり、そのいくつかは高脂血症、高血圧症など動脈硬化に罹るリスクの高い因子でもありますのでそれらを総合的に管理するようにしなければなりません。

●I型:インスリン絶対量の不足とⅡ型:インスリン機能低下がある
糖尿病はⅠ型とⅡ型に分類されており、Ⅰ型は自己免疫的機序によって発症し、インスリンの絶対量が不足している為に起こるもので、インスリンの量が足りていてもうまく作用してないなどの要因のものをⅡ型とします。普通このⅡ型にかかります。(1型、2型とも表記します)

●人体に必須である血糖の正常値
血糖とは脳の主要なエネルギー源であり、脳が完全酸化分解によってATP(アデノシン5'-三リン酸)を生産することで生きています。血糖値が低下すると交感神経が刺激されてすい臓からグルカゴンが分泌されて血中にグルコースが放出されます。つまりインスリンは血糖値を抑える働きをするのに対してグルカゴンは血糖値を上げる働きをするのです。
この二者の他に血糖値を左右するものとしては、ホルモンのひとつであるアドレナリンadrenaline(エピネフリンepinephrine)があり、ノルアドレナリン、ドーパミンと共に総じてカテコールアミンとも言われています。更に成長ホルモンや副腎皮質ホルモンもあげられます。
尚、血糖の正常値は65~110mg/dLです。

HbA1c:hemoglobin A1cは成人ヘモグロビンadult hemoglobin(Hb A:成人の赤血球内に存在する酸素の輸送蛋白のこと)からイオン交換樹脂により分類されたもののひとつです。またHbA1cはグルコースが非酵素的に結合したものでその含有量は血糖値に比例しており、正常値は4.3~5.8%です。

●糖尿病判定基準となる血糖値
日本糖尿病学会では随時血糖値が200mg/dL以上、空腹時血糖値が126mg/dL以上、75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値が200mg/dL以上の、この三者のうちいずれかに該当し、それが異なる日において二回確認されれば糖尿病と判断されます。
また糖尿病網膜症状がある場合、ヘモグロビンA1c(HbA1c)が6.5%以上の場合も糖尿病と診断されます。



糖尿病:diabetes mellitus  インスリン:human insulin(genetical recombination)  膵臓:pancreas
膵臓ホルモン:pancreatic hormones  グルカゴン:glucagon  グリカゴン:glycagon  抗インシュリン:antiinsulin
ソマトスタチン:somatostatin  血糖:blood glucose,blood suger  血糖値:blood suger level




糖尿病の合併症:糖尿病網膜症・黄斑症・眼筋麻痺・虹彩炎・外眼筋麻痺
単純網膜症・前増殖網膜症・増殖網膜症



●水晶体と網膜について:
人の眼球の水晶体crystalline lens(直径10mm、厚さ4mm程度の両凸レンズ)の反対側には厚さが約0.2mmの網膜retinaがあり、水晶体が外の光(映像)の実像をこの網膜面に映します。 (実像とは映画で言えばスクリーンに映し出される映像にあたります) その網膜に映し出された映像(実像)は視細胞と神経線維を介して神経インパルスに変換(換算)して視神経から脳に伝える為に、そこには無数の神経と細小な血管が張り巡らされています。

●糖分の多い血液は粘性が高いため毛細血管に栄養分が行き渡らない
そこで送られてくる血液の糖分が多いと、糖には粘りがあるために そこの細小血管の通りが悪くなって詰まらせたり血管壁に負荷をかけることになります。 すると今度は網膜に必要な酸素や栄養が滞ってしまい、様々な網膜上での疾患が始ります。



●単純網膜症
上記で取り上げた通り、細小血管が高血糖の煽りを受けて血管を詰まらせたり、 点状出血、タンパクや脂肪によるシミ(硬性白斑)、血管にコブ(毛細血管瘤)が出来たりします。 自覚症状はありませんが血糖値改善で消失します。

●前増殖網膜症
細小血管の症状が進むと血管が詰まり、そこの神経は白い斑点を作ります(軟性白斑)。更に酸欠を起こした血管は役に立たなくなってしまうので、新たに血管を作り出します(新生血管)。その血管は不安定でもろいために新たな疾患を招きます。
自覚症状はありませんが、治療としてはレーザー光凝固術で改善できます。

●増殖網膜症
不必要ながら作り出された新生血管は、水分を多量に含ませたヒアルロン酸などで作られている 硝子体vitreous body,hyaloid body(しょうしたい:いわゆる目玉の中心部分)にも伸びていき、 そこで出血をおこす硝子体出血vitreous hemorrohageがあります。

●網膜剥離
また新生血管が網膜上に新たな膜を張り、元の網膜を剥がしてしまう網膜剥離retinal detachment;RDをおこします。 網膜に剥離が生じるとそこにある視細胞は色素上皮細胞から栄養を受けられなくり機能が著しく低下していきます。 自覚症状としては硝子体の汚れや網膜の剥離具合に応じて視力の低下などが顕著ですが 最悪の場合は失明します。 特に黄班部に於いて一度はがれた網膜を自然治癒させることは不可能に近いため、場合によっては 硝子体手術を行います。

●糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう):diabetic retinopathy
網膜血管の透過性亢進と網膜血管の乏血、閉塞をおこします。、糖尿病にかかって10年を超える患者 においては約半数がなんらかの網膜症状をおこしていて、また 全体の1%以上が失明を経験しているといわれています。

●糖尿病黄斑症(おうはんしょう):diabetic maculopathy
黄斑は網膜の敏感な部分で中心視覚面area centralisとも呼ばれています。 この糖尿の症状が網膜症による視力低下の主原因とも言えるもので、その内黄斑浮腫(血管網の深部に障害を受けると、毛細血管から外網状層に漏出液が貯留した症状)という病型は黄斑症のうち90%にのぼります。 また網膜症がほとんど進んでいない眼にもこの病気が起こります。

●糖尿病眼筋麻痺(がんきんまひ):diabetic ophthalmoplegia
神経栄養血管の微小循環障害が原因で、急性的に生じますが数ヶ月で自然緩解もあります。

●糖尿病虹彩炎(こうさいえん):diabetic iridocyclitis
急性の非肉芽腫性前部ブドウ膜炎の症状で、充血や化膿がおこります。

●糖尿病性外眼筋麻痺(がいかんきんまひ):diabetic external ophthalmplegia
眼球の末梢神経の運動障害。瞳の機能が麻痺をおこして、瞳孔不正、左右不同、縮瞳、 対光反射の遅延などの症状が出て、眼に入る光のコントロールが困難になります。



■治療・処方例
・出血がある場合:血管強化薬・カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム(アドナ錠30mg)  3錠 分3
・網膜・脈絡膜循環障害改善薬・カリジノゲナーゼ(カルナクリン錠50単位)  3錠 分3
・細小血管閉塞改善薬・リマプロストアルファデクス(プロレナール錠5μg)  3錠 分3
・黄斑浮腫改善薬・トリアムシノロンアセトニド(ケナコルト-A注20mg/8mg/4mg)  テノン嚢・硝子体に注入



●福田分類(ふくだぶんるい):糖尿病網膜症の分類法

糖尿病網膜症の病気分類法で、スコット分類というものを参考にして1983年に福田雅俊が行った福田分類というものがあり、視覚障害の危険度の低いものと高いものをA、Bに分けているもので、幾度か再考されて1989年に発表されたものを下の表に記します。スコット分類より改善が図られており、網膜無灌流域の所見や新生血管出現と増殖網膜症への進展の概念を明確にしています。


A
単純型網膜症
A-Ⅰ:毛細血管瘤、点状出血
A-Ⅱ:しみ状出血(少数の硬性白斑を認めるものも含む)
A-Ⅲ:陳旧狭細化した新生血管
A-Ⅳ:古い硝子体出血(半年以上再出血がないもの)
A-Ⅴ:古い増殖性病変(半年以上再増殖を起こさないもの)

増殖型網膜症
B-Ⅰ:静脈内細小血管異常、検眼鏡的に認められる静脈拡張、びまん性網膜浮腫、軟性白斑、線状出血(確定診断は蛍光眼底造影による)の多発
B-Ⅱ:乳頭(視床下部内。以下同様)に直接連絡しない新生血管
B-Ⅲ:乳頭に直接連絡する新生血管、乳頭及び周囲網膜の広範な浮腫
B-Ⅳ:新生血管からの硝子体出血(最終出血後半年以内のもの)
B-Ⅴ:進行性の増殖組織

合併症
Ⅵ:網膜の分離または剥離
M:黄班部に浮腫、出血、硬性白斑が特に集中したもので、A、Bいずれの型にも合併しうる。視力低下が著しい。(黄班症)
G:虹彩ルベオーシス(血管新生)、血管新生緑内障 N:虚血性視神経症




糖尿病の合併症: 糖尿病性神経障害・糖尿病性脱疽


■各病気・症状の概要と治療法:

●糖尿病性神経障害(とうにょうびょうせいしんけいしょうがい):diabetic neuropathy
神経栄養血管の障害などによって神経系統に異変がおきるものです。 末梢神経に変性や機能異変が起きると、知覚神経が冒されることからくる両側性の足底などの異常感覚、自発痛や痺れなどがあり、 自律神経系統においての障害では、起立性低血圧、排尿障害、発汗異常、胃腸障害などがおきます。



●糖尿病性胃障害(とうにょうびょうせいいしょうがい): diabetic gastropathy
自律神経や迷走神経が障害されるため胃の蠕動運動(ぜんどううんどう)異常を示す病気で、 そのため消化器症状で障害をきたします。 普通液体以外の食物は概ね150分、液体では30分が半量排出時間ですが、そのどちらも遅延を起こします。

嘔気、嘔吐、食後腹部膨満、心窩部鈍痛があるばかりでなく、消化吸収に問題を起こしますので 血糖コントロールが阻害される場合があります。更に悪化すると胃不全麻痺を起こし胃拡張、胃石形成 の原因となります。

■治療と処方薬:
食生活的治療として、低繊維質、低脂肪食につとめることがあり、食物線維を出来るだけ摂取しないようにする事が特徴的です。
処方医薬品としては胃蠕動促進剤の服用です。
メトクロプラミド:テルペラン錠5 エリーテン細粒 2% アノレキシノン錠5など
ドンペリドン:コバペリドン細粒 ジャックマール錠10 セロベース錠10mgなど
トリメブチン:サキオン錠 100mg サペスロン錠 100mg サルナチン錠 100mg
セレキノン細粒 20% リーメント錠 100mg テフメチン細粒 20%など



●糖尿病性脱疽(とうにょうびょうせいだっそ):diabetic gangrene
糖尿病が知覚・末梢神経や自律神経などの神経障害を起こし(ある場合には閉塞性動脈硬化)痛みなど知覚低下・極度の鈍感になり皮膚や軟部組織に出来た外傷や火傷などの傷口からの感染により潰瘍をもとに壊死及び脱疽引き起こします。 足に罹りやすく糖尿病性足病変の別名があります。

■治療・処方例:
・末梢神経障害:
 エパルレスタット(キネダック錠 50mg)   3錠 分3   毎食前
 メコバラミン(メチコバール錠500μg)   3錠 分3 毎食後
・神経血流障害が考えられる場合:
 リマプロストアルファデクス(オパルモン錠5μg)   6錠 分3 毎食後
 ベラプロストナトリウム(ドルナー錠20μg)orベラプロストナトリウム(プロサイリン錠20) 6錠 分3 毎食後
・痛み痺れなどの軽減(QOLの改善):
 塩酸アミトリプチリン(トリプタノール錠10mg)   1錠 分1 就寝前
 塩酸メキシレチン(メキシチールカプセル50mg)   3-6カプセル 分3 毎食後
 カルバマゼピン(テグレトール錠200mg)   1錠 分1 就寝前
・起立性低血圧:  塩酸ミドドリン(メトリジン錠2mg)   1-4錠 分1-2 食後
 メチル硫酸アメジニウム(リズミック錠10mg)   1-2錠 分1-2 食後
 ドロキシドパ(ドプスカプセル100mg)   1-9カプセル 分1-3 食後
 酢酸フルドロコルチゾン(フロリネフ錠0.1mg)   1錠 分1 就寝前
・糖尿病性脱疽:(下記のいずれかを選択)
 ベラプロストナトリウム(ドルナー錠20μg)   6錠 分3 毎食後
 塩酸サルポグレラート(アンプラーグ錠100mg)   3錠 分3 毎食後
 シロスタゾール(プレタール錠100mg)   2錠 分2 朝・夕食後
 イコサペント酸エチル(エパデールカプセル300mg)   6カプセル 分3 毎食後
 (重症の場合以下のいずれかを選択)
 アルプロスタジル(リプル注10μg)   1回1アンプル静注か点滴静注
 アルプロスタジル(注射用プロスタンディン20μg)   1回 2-3アンプル 点滴静注



糖尿病:diabetes mellitus    合併症:complication 糖尿病性神経障害:diabetic neuropathy   
糖尿病性脱疽:diabetic gangrene   末梢神経:peripheral nerve  自律神経:autonomic nerves  
知覚障害:sensation disturbances   麻痺:numbness  起立性低血圧:orthostatic hypotension   
排尿障害:urination disorders    発汗異常:dyshidrosis  胃腸障害:gastrointestinal disturbance 



糖尿病の合併症:糖尿病性腎症・糖尿病性大血管障害


●糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)diabetic nephropathy
この疾病は、1998年に人工透析導入の原因疾患の35.7%をも占めて第一位になりました。 糖尿病性腎症は糖尿病性神経症、糖尿病性網膜症とともにトリオパチーを構成する細小血管症の代表的存在で、 糖尿病性血管障害(糖尿病性アンジオパチー)に含まれています。

高血糖の状態になると糖タンパク代謝異常や糸球体の過剰なろ過が原因と考えられています。 細小血管障害によるびまん性(広範囲症状)変化と、糖尿病の進行とともに糸球体の結節性の病変が見られ、 結節性糸球体硬化症*を引き起こします。また動脈硬化や間質繊維化も起こりえます。 最終段階である腎不全に進むケースが多いことが問題です。

*結束性糸球体硬化症nodular glomerulosclerosis: 糸球体組織を結束させる作用などがあるメサンギウム領域に結節状の細胞外基質の増加と蓄積が生じる硬化状態。 糸球体に通常では存在しない型のコラーゲンの幾つかも新生されてしまいます。



●糖尿病性大血管障害(とうにょうびょうせいだいけっかんしょうがい)
大血管症:diabetic macroangiopathy 糖尿病性マクロアンギオパチー

糖尿病が原因の動脈硬化性の変化の総称で、上記の細小血管と異なる点は糖尿病以外が原因でこれに罹る場合も多い事で、 糖尿特有の疾病ではありませんが、糖尿病患者の場合の進展の 速度などに違いが生じます。

この病気は脳卒中、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症、収縮期高血圧症の原因となり得、 加えて脂質代謝異常や肥満などと合併しやすい特徴もあり、 また凝固線溶系(血液を固めたり溶かしたりするシステム)の異常も起こしやすくなります。

●糖尿病薬:インスリン製剤・血糖降下薬 hypoglycemic agent

●インスリン製剤insulin preparation:
各タイプとその主な使用例
1.超速効型インスリン:食直前注射で、頻回インスリン療法の糖尿病患者が対象
2.速効型インスリン:強化インスリン療法で食前注射、食後の血糖上昇を抑える。
3.順速効型インスリン:速効型インスリンより比較的持続する。(ブタ由来)
4.中間型インスリン:皮下注射後、1~2時間で作用、6~8時間後にピーク。
5.混合型インスリン:速効型と中間型の両者が一定割合で配合されたもの。朝夕2回注射。
6.遅効型インスリン:皮下注射後、4~8時間で作用、10~30時間後にピーク。
インスリン剤は自己注射が主体で、1型だけでなく、2型でもインスリン注射が必須となる場合もあります。
携帯用のペン型も多く、老年者や視覚障害者に適した注射器もあります。
またインスリン持続皮下注入療法もあり、その場合は携帯用小型ポンプを用います。



●口血糖降下薬oral antidiabetic:
1.スルホニルウレア系(SU剤):2型に使用。膵β細胞を刺激してインスリン分泌を促進。
2.スルホンアミド系:SU剤と同様の扱い。
3.ビグアナイド系:肝臓での糖新生(生成)を抑制。インスリン抵抗性を改善。
4.インスリン抵抗性改善薬:肥満例にも適応可。肝機能障害も起こりうる。
5.食後過血糖改善薬:軽症例に有効。
6.速効型食後血糖降下薬:食事の直前内服でβ細胞からのインスリン分泌を刺激。
7.糖尿病性末梢神経障害治療薬:末梢神経でのソルビトール蓄積を防ぐ。
これら注射型にしても経口投与型にしても食事、運動療法とともに医師の十分な指導が必要です。



●1型糖尿病の治療:

基礎分泌インスリン(持続的)と追加分泌インスリン(食事時など律動的)を適切に作用させるために 血糖自己測定SMBGが必須となります。
血糖自己測定(SMBG:self-monitoring of blood glucose):
1日の測定回数は2型糖尿病患者の場合は3回までで、1型糖尿病患者の場合は4回まで認められています。また1型、妊娠糖尿病、強化インスリン療法患者などではこの測定は不可欠です。

基礎分泌インスリンの補充は長時間作用の特効型インスリンにより1日1回でも安定するように なりましたが、より安定性を求められる場合には1日2回注射を行う場合もあります。
追加分泌インスリンでは毎食前30分の速効型インスリン若しくは食事直前の超速効型インスリンが用いられ、後者の利便性が多く評価されています。
SMBGは毎食前と就寝前に行い、目標値は出来るだけ毎食前と就寝前ともに120mg/dLに、HbA1c目標値は6.5%未満にします。



●精神面および心の自己管理:

病初期は一生涯の治療と合併症に対しての不安と精神的苦痛が多大となりますし、周囲の無理解が ストレスを蓄積させる原因ともなりえます。それで同じ患者同士の会合や勉強会などに積極的に参加して孤立感を取り除いたり問題解決のアドバイスを得たりすることが効果的です。



HOME