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頚椎症けいついしょう・頚椎骨軟骨症けいついこつなんこつしょう


■原因:
●加齢・慢性的外傷や過激な運動などが原因で頚椎骨周辺が変形したり骨成分トゲが神経などを圧迫
頸椎は脊柱にある7個の椎骨のことで脊柱の頸部をなします。 頚椎症とは頸椎に生じる加齢現象(50歳代から好発)または慢性的に繰り返し起す外傷などが原因となりますが外傷は怪我だけでなく激しく首周辺を使うダンスなどの運動でも生じる場合があります。



■症状:
変化は頚椎骨周辺に骨棘(こつきょく:トゲ状の過剰に出来た骨成分)や変形が見られます。骨棘や変形が生じると神経や脊髄、椎骨静脈などを圧迫や刺激をし、痛みやしびれが進行していきます。圧迫部位によって脳循環障害、めまい、運動障害、筋力低下、歩行障害、食道圧迫による嚥下障害などを起します。脊髄にまで及ぶと脊髄症を呈することになります。
その場合、上肢部分の症状では箸を使う事、ボタンかけ、筆使いなどが上手く出来なくなるというような手指の巧緻(こうち:細かい取り扱い)運動障害、下肢に関しては歩行時のふらつき、早歩き困難、階段が下りにくくなるなどがあります。



■診断・治療:
予防の観点からでは40歳を過ぎてからの激しい運動やダンスなどは控える方が賢明でしょう。
症状が軽度で進行が緩い場合には理学療法や薬物療法で間に合いますが、痛みがひどかったり進行性と認められた場合には手術が必要となります。また保存的療法では頚椎を安静保持させるための頚椎カラーを装着する方法もとられます。


日英対語:
頸椎:cervical vertebrae  頚椎症:cervical spondylosis  骨棘:osteophyte  神経:nerve  圧迫:phobia
脊髄:spinal cord  脊髄症:myelosis  運動障害:movement disorder;dyskinesia  歩行障害:dysbasia;gait disorder
脳循環障害:brain circulatory disturbances;cerebral circulatory disturbance  嚥下障害:deglutition disorders



悪性原発性骨腫瘍:骨肉腫・ユーイング肉腫・軟骨肉腫・多発性骨髄腫


■原因:
●悪性原発性骨腫瘍とは多発性骨髄腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、軟骨肉腫などの病気を含む、骨を破壊したり骨に腫瘍を作る疾患で溶血性の変化と骨硬化、また骨膜反応を特徴としています。

●多発性骨髄腫(MM)とは悪性原発性悪性骨腫瘍の中でも最も多く見られるもので、血球を作る骨髄細胞がサイトカイン、ケモカインによって侵される造血器悪性腫瘍です。 発症年齢は60歳代がピークで40歳以下には殆ど見られません。 この多発性骨髄腫は複数の部位が侵される場合を言いますが、そのうち1箇所に極限的にみられるものを形質細胞腫と呼んでいます。



症状:
貧血などの造血障害、腰痛など骨痛、年2回以上の細菌などによる容易感染、腎障害、高カルシウム血症などを認めることが多くあります。



診断・治療:
血清and/or尿Mたんぱく検出、光学顕微鏡、電子顕微鏡、偏光顕微鏡などでコンゴーレッド染色(赤色色素)による*アミロイドーシス検査を行ったりします。

*アミロイドーシス:難分解、不溶性の繊維状の特殊タンパク質であるアミロイドが全身の種々の臓器(血管や組織など。全身性と局限性がある。)に沈着して臓器障害を起こす疾患。
初期治療においては化学療法で最も標準的なMP療法がありますが、化学療法と自家造血幹細胞移植を併用する場合はVAD療法を選択します。
以下治療の一例を示します。
・MP療法
メルファラン(アルケラン錠 2mg) 6-8㎎/㎡ 早朝空腹時1回投与 4日間
プレドニゾロン(プレドニン錠5mg) 40-60㎎/㎡ 分3 4日間
・VAD療法
硫酸ビンクリスチン(オンコビン注射用1mg) 1日0.4mg 24時間 持続点滴静注  第1-4日
塩酸ドキソルビシン(アドリアシン注用10 10mg) 9mg/㎡/日 24時間 持続点滴  第1-4日
リン酸デキサメタゾン(デカドロン注射液 8mg、錠0.5mg) 1回40㎎ 1日1回 点滴 静注、 または内服 第1-4、9-12、17-20日




●骨肉腫とは多発性骨髄腫の次に多く見られる悪性の骨腫瘍で10歳から25歳くらいまでに最も多く見られます。 この骨肉腫は一般に骨髄から発生し骨髄内や骨皮質周囲組織に進展していきます。 骨芽細胞型、軟骨芽細胞型、線維芽細胞型にわけられ、膝の周辺に最も多く起こり、放射線照射後や*骨パジェット病(変形性骨炎)、 **ブルーム症候群などにもよく起こります。

*骨パジェット病:破骨細胞による骨吸収の急激的活性が見られたのちに活性が極端に鈍化するに反して骨芽細胞の活性上昇によって骨皮質や骨梁の肥厚と骨の膨隆をおこす疾患。 パラミクソウイルス感染が原因視されていますが、原因解明はされていません。

**ブルーム症候群(Bloom症候群):(先天性毛細血管拡張性紅斑・成長停止症候群)
染色体切断症候群と呼ばれるものの一種で、日光過敏症、低身長、免疫不全、顔面では蝶形紅斑、 カフェオレ斑その他身体的奇形などがみられるとともに骨腫瘍など悪性腫瘍も好発します。

●ユーイング肉腫(Ewing肉腫)とは1921年ユーイングEwingによって報告された高悪性度小円形細胞肉腫のことで溶骨性変化が目立ちます。 男性に多く、また10代以下年齢に好発し、骨肉腫よりも若干年齢層が低いといえます。 好発部位は大腿骨、骨盤、肋骨、腕などで疼痛と腫脹が最初にあらわれます。 発熱、白血球増多、赤沈亢進、CRP反応陽性などで診断します。顕微鏡的画像を見ると骨膜反応を起こした斑点状、蚕喰状の骨吸収破壊像を特徴とします。

●軟骨肉腫とは異常な状態や形態の軟骨細胞を形成する肉腫で、そのうち腫瘍性の骨・類骨形成のみられないものを指します。成人や高齢者に多い疾患で骨盤、肋骨、肩胛骨などによく起こり間葉性軟骨肉腫、脱分化型軟骨肉腫、淡明細胞型軟骨肉腫、骨外粘液性軟骨に分けられます。

また直接独立的に患部に発生する原発性と別要因から発生する続発性のものとがあります。 肉腫の状態は膨隆性で硬度の比較的高い軟骨状態からゼリー状のように硬度の低い状態まで様々なものがあり、単独で存在するほか多種が混在している場合もあります。また石灰化も僅かにみられ半透明で灰白色、分葉状を示します。
他の肉腫に比べて進行が遅く悪性度も低いのが特徴的ですが、そうでない場合もあります。

・骨肉腫の化学療法プロトコル
術前にメトトレキサート(注射用メソトレキセート5mg) 1日1回 
10-12g/㎡を6時間で点滴静注。1週間あけて2サイクル。
術後に塩酸ドキソルビシン(アドリアシン注用10 10mg) 1日1回 
60㎎/㎡とメトトレキサート(注射用メソトレキセート5mg) 1日1回 
10-12g/㎡を3週間ごとに交互に点滴静注。

・ユーイング肉腫の化学療法プロトコル
術前にサイクル1,2を行う
サイクル1:イホスファミド(注射用イホマイド1g) 1日1回 3g/㎡、2日
塩酸ドキソルビシン(アドリアシン注用10 10mg) 1日1回 30mg/㎡ 2日
硫酸ビンクリスチン(オンコビン注射用1mg) 1日1回 1.5mg/㎡ 1日
サイクル2:イホスファミド(注射用イホマイド1g) 1日1回 3gm/㎡ 2日
アクチノマイシンD(コスメゲン 0.5mg) 1日1回 0.5mg/㎡ 3日
硫酸ビンクリスチン(オンコビン注射用1mg) 1日1回 1.5mg/㎡ 1日


悪性原発性骨腫瘍:Primary Malignant Bone Tumor  多発性骨髄腫:multiple myeloma  骨パジェット病:Paget disease of bone
骨肉腫:osteosarcoma  形質細胞腫:plasmacytoma  軟骨肉腫:chondrosarcoma  変形性骨炎:osteitis deformans
ユーイング肉腫:Ewing sarcoma  アミロイドーシスamyloidosis  コンゴーレッド染色Congo red stain
ブルーム症候群:Bloom syndrome


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