無料で読める家庭の医学  病気・疾患の解説、原因、症状、診断法法、治療方法、処方例などをわかりやすく記載



抗炎症剤 【各種】

●塩化リゾチームlysozyme chloride:
酵素製剤。 ニワトリの卵白から得られ、喀痰(かくたん)spitting中の粘性の高い物質である ムコ多糖類mucopolysaccharideを加水分解してその粘性を低下させることで、 喀痰、いわゆる痰の切れをよくする作用があります。 抗炎症作用は、気管支炎や気管支喘息に有効なだけでなく、 慢性副鼻腔炎や歯槽膿漏症の腫れを抑えたり点眼薬として慢性結膜炎 にも有効です。
注意:乳幼児及びアトピー患者、気管支喘息、アレルギーのある人などにショックやアナフィラキシー症状が出やすい。
商品名:アクディーム、ノイチーム、レフトーゼ、エトナーゼ、エリチーム、エンリゾ、オペック、 コナーゼ、スカノーゼリン、タンチナーゼS、テラチーム、トヨリゾーム、ノイターゼ、ミサイラーゼ、 ミタチーム、ムラーゼ、ヨウアチーム、ラソーム、ラブチーム、ランチーム、リゾスミン、 リゾチオーゼ、リチーム

●セラペプターゼserrapeptase:
酵素製剤。(上記と合わせ、名前に~チーム・~ゼが入っていると酵素系です)
セラチア属の細菌から分離精製したタンパク分解酵素で、腫れを沈めて粘液・喀痰・膿汁の融解、 排泄促進作用などもあります。
注意:抗生物質、化学療法剤などとの併用で皮膚粘膜症候群、中毒性表皮壊死症、 間質性肺炎、ショック、アナフィラキシー様症候群、肝機能障害、黄疸などを起こす場合があります。
商品名:ダーゼン、アポナーゼ、イルザイム、エイビス、エリナーゼ、オムゼン、ケジフェン、 シマターゼ、シンチーム、セフラターゼ、ニコラーゼ、バザロイン、ビオセローゼ、ヒシターゼ、 プラスターゼ、ラセチダ

●トラネキサム酸tranexamic acid:
アミノカプロン酸の環状アミノ酸類似化合物。 アレルギーや炎症を起こした時は一般にプラスミンplasminと呼ばれる体内酵素が 異常増殖してしまいますが、そういった線溶系(繊維素溶解系:ゲル化による止血作用 のあるフィブリンを分解する事によって、血栓を溶解する働き) を低下させて出血傾向や異常出血などに有効であると共に咽喉や口内の腫れ、炎症の症状 を改善します。
商品名:トランサミン、アネキサン、エスプラミン、ケイサミン、トラカプミン、トラサムロン、 トレネキサム酸C、トレネキサン、トランサボン、ニコルダ、バナリントップ、プレタスミン、 ヘキサトロン、ヘムロン、ヨウキサミン、ラノビス、リカバリン

●ブロメラインbromelain
ブロメラインはパイナップル果汁から取り出した天然のタンパク分解酵素で、傷口の痛みや炎症を抑える力もあります。 消炎剤として、非ステロイド性炎症薬のひとつであるイブプロフェン等が総合感冒薬などに広く用いられていますが、それは炎症の原因となるホルモン性の化合物、プロスタグランジンの作用を抑制する事でその効果が現われます。

しかしこのプロスタグラジンは胃の内壁を保護する働きもしているため、この物質が抑制されることで胃痛や胃の不快感、また長期服用による出血性潰瘍などを引き起こしてしまいます。 これに対し、ブロメラインは薬品が引き起こす副作用を経験することなく種々の炎症を抑え、タンパク質の消化吸収に良い働きをしてくれるのです。 また出血性の怪我や術後など血液の適切な凝固作用を必要とする場合にもこのブロメラインは有効に作用します。
商品名: ヘモナーゼ(ジェイドルフ、小林薬品)・エデマーゼ(ジェイドルフ)・キモタブS(持田)など。

●グリチルチリン酸ジカリウムdipotassium glycyrrhizinate:
カンゾウ(甘草)licorice rootの根から抽出された有効成分で、抗アレルギー作用、 抗炎症作用、眼組織修復作用を有して水溶液を 消炎剤としてアレルギー性結膜炎に点眼薬などに用いられています。 ステロイド剤に見られる眼圧上昇作用などの副作用がないのが特徴です。
またグリチルチリンは解熱鎮痛作用、解毒作用の他、慢性疾患における肝機能の改善や湿疹、皮膚炎、strophulus infantum(強い痒みを伴い、丘疹や水泡性丘疹に進行する皮膚病。蚊、毛虫、ノミ などの虫刺されによる過剰反応と思われていましたが、近年では食事やアトピーの原因も考えられています。)などのアレルギー性疾患に使用されます。
商品名:ノイボルミチン(参天)点眼薬など。




抗ヒスタミン剤:マレイン酸クロルフェラミン・ フマル酸クレマスチン・塩酸プロメタジン

●マレイン酸クロルフェニラミンchlorpheniramine maleate:
プロピルアミン系の抗ヒスタミン剤で、ヒスタミンhistamineの強力な血管拡張作用 や気管支の収縮、腸管などにある平滑筋を収縮させる事で起きる痙攣、子宮の収縮などを 拮抗(きっこう:ある作用を別の反作用物質で緩和、軽減させること)するものです。
それによって、くしゃみ、鼻水、咳、痰の抑えることが出来るものでこの薬は古くから用いられています。 副作用としては眠気、倦怠感、頭痛感、口渇などがあり、 自動車や機械の運転・操作を控える必要があります。
また重大な副作用ではショック、痙攣、錯乱、再生不良性貧血、なども稀に起こり得ます。
商品名:アレルギン、ネオレスタミン、クロルフェニラミンニスキャップ、クロールトリメトン、 クロダミン、コーヒス、ネオアレルミン、ネオベナコン、ネオレスタール、ヒスタール、ビスミラー、 フェニラミン、プロダミン、マレラミンなど。

●フマル酸クレマスチンclemastine fumarate:
これはエタノールアミン系で 従来の抗ヒスタミン剤に比べて持続性が高く10~12時間あり、主な効能は上記の薬品と同様です。 鎮痛作用、自律神経系に対する影響は軽度です。 副作用は上記の薬品に準じていますが、重大なものでは痙攣、興奮、肝機能障害、 黄疸なども稀に起こり得ます。
商品名:タベジール、テルギンG、アラギール、アルサス、インベスタン、キソラミン、キノトミン、 クレマニル、クレ・ママレット、ハイニュース、ピロラール、フルミノール、ベナンジール、マゴチン、 マスレチン、マレルミンF、ラクレチン、レマジールなど。

●塩酸プロメタジンpromethazine hydrochloride:
これはフェノチアジン系の薬品で 抗ヒスタミン剤中、鎮静、催眠作用が比較的強く、抗痙攣(こうけいれん)作用も有していて、主たる効能は上記 の薬品と同様です。 持続時間は8~12時間と長いほうに入ります。副作用は上記のものに準じていますが、 制吐作用があるために中毒や脳腫瘍などが原因の吐き気が鈍り、発見が遅れることもあります。
商品名:ヒベルナ(三菱ウェルファーマ)、ピレチア(塩野義)など。

その他にエタノールアミン系では塩酸ジフェドヒドラミン、塩酸ジフェニルピラリン、テオクル酸 ジフェニルピラリン。フェノチアジン系では酒石酸アリメマジン。ピペラジン系では塩酸ホモクロルシクリジン。ピペリジン系では塩酸シプロヘプタジンがあります。



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