ジュニアの終盤

 最近、埼玉ではジュニアの選手がめきめき力をつけてきた。
特に終盤、詰むや詰まざるやの見極めがしっかりしている。
今回のネタはそれ。
3月18日に行われた関東アマ名人戦西部地区予選で面白い局面(第1図)を見かけた。
                             
先手の北脇君は小学5年生、後手の伊村君は高校2年生だ。
オープン戦の決勝で、勝てば賞品をゲットできる。
 図は△1五歩と詰めろを防いだ手に対し▲同香と取ったところ。
先手玉もかなり危ないが、北脇君は少考後自信満々に香車を走った。
自玉に詰みなしと読んだのだ。
本当にそうか?
 △2七桂成▲同銀△同角成▲同玉△3五桂▲3六玉△2五銀▲4六玉△4五銀
▲5五玉(変化1図)
              
5一竜がよく利いていて確かに詰まないようにみえる。
ところが以下△5四金▲同竜△同銀▲同玉△6四飛打▲5三玉△6三飛▲5二玉
△6二飛▲4一玉△4二飛▲5一玉△6二飛成(変化2図)。
              
詰め将棋のような手順でぴったり詰んでいる。
しかしいくら終盤が強くても、なかなかここまでは読めない。
伊村君は第1図で△1六桂▲1八玉△2二玉とした。
これでも悪くはない。
しかしその後間違えて賞品は北脇君の手に。