古賀稔彦さんの講演

 かなり前の話になるが、今年の2月に柔道の古賀稔彦さんが蕨市民会館で講演を行った。
古賀さんといえばバルセロナとアトランタオリンピックでそれぞれ金、銀メダルを獲得し、現役
時代は「平成の三四郎」と呼ばれた柔道界のスーパースター。
2000年のシドニーオリンピック(出場ならず)前に現役を引退し、現在は全日本柔道女子強化
コーチをされている。
 講演のタイトルは「世界を獲った男、その生き方から学ぶ」。
壇上に現れた古賀さんは現役当時より少し太ったようだ。
話が始まってから、慣れない司会者が改めて本人の紹介をしたりしている。
 古賀 「もう始まってるのかと思いました」
自身の柔道人生から学ぶ教訓が話のベースだが、古賀さんはときどきユーモアを交えながら
聞く人を飽きさせない。
 「柔道選手はオリンピックや世界選手権のとき意外は全く注目されません。
  ただ1人の例外は柔ちゃん(田村亮子選手)です」
 「日本の柔道界には天才と呼ばれた選手が2人います。
  1人は山下泰裕先生(ロサンゼルスオリンピック無差別級金メダル)、そしてもう1人は
  この私なんですね」
    ここでパチパチとまばらな拍手が起こる。
 「えー、いま中途半端な拍手がありましたが、するならする!しないならしない!」
    パチ!パチ!パチ!パチ!パチ!パチ!
 恐らくこれはネタだろうが、なかなか面白かった。
こんな感じで約1時間の講演も無事終了。
特に印象に残ったのは「練習は、上からやらされてるという意識でやっていては駄目で、自分で
きちんと目的意識を持つことが大切」という話。
これは柔道だけに限らずスポーツ全般、しいては将棋にもあてはまりそうだ。
まあ詰まるところ「好きこそものの上手なれ」ということだろうか。