棋 士 の 記 憶 力

 最近の「週刊将棋」に、プロ棋士の記憶力に関する記事が載っていた。
それによると、記憶力のピークは大体25歳くらいで、その後は下降線を
たどるらしい。
羽生四冠が27歳のとき、6年前に指した自分の手を思い出すのに15分
もかかり、記憶力の衰えを意識し始めたそうだ。
その羽生四冠の記憶力とはどれくらいのものなのか。
 先日、チェスのシカゴオープンに羽生さんや朝霞チェスサークルの仲間と
一緒に参加した。
試合は4日間で7対局。
チェスでは対局しながら自分で棋譜を採ることになっていて、平均手数は
50〜60手(将棋の100手〜120手に相当)くらい。
全対局終了後、部屋で軽い打ち上げをやった。
「チェックメイト」というチェス雑誌に今大会の羽生さんの棋譜を掲載するため、
石井さん(朝霞チェスサークル所属)が羽生さんから自筆の棋譜用紙(7局分)
を預かっていた。
  石井「棋譜はコピーしたらお返しします」
  羽生「それ全部差し上げます」
  石井「いいんですか?」
  羽生「棋譜は全部覚えてますから」
      ※100〜120手のゲームを7局全部覚えていた。
        3日前に指したものまで。
  啓「へー、すごいですね。私なんか相手の顔も覚えてないのに」