スピーチ

スピーチは短い方がいい。
聞く方は皆そう思っている。早く終われと。
しかし、いざ自分が話すと長くなるんだなこれが。
昨年10月のねんりんピック鹿児島大会に、さいたま市将棋チームの付き添い
で同行したとき、前夜祭で種目ごとに大会の抱負を述べることになった。
シャイな将棋指しはこういうのが苦手らしく「佐藤さんお願いしますよ」と言う。
私だって好きではないが、場慣れはしているので引き受けた。
もちろん一言二言話して、さっさと終わらせるつもりでいた。
ところが予想通りと言うか何と言うか・・・
どのチームも一体何を長々としゃべってるんだ。
将棋の順番が全然回ってこないじゃないか。
お年寄りに酒が入ったこともあるが、それにしても度を超えている。
巻きでも入れてやろうか。
小1時間ほどしてようやく将棋の名前が呼ばれた。
私は足早に登壇し、マイクに向かってこう言った。
「将棋です。決勝で埼玉県に勝って優勝します。スピーチってのはこうやるんだ」
ウソです。最後の部分は言ってません。
で、さっさと自分の席に戻った。
チームの吉田さんがニヤッとして「ホラ一発」。
結果的に大ボラになってしまったが、別に私のせいではない。