スピーチ2

 昨年ねんりんピックの全国大会を初めて観戦したが、お年寄りばかりという
こともあって、反則やトラブルが結構多かった。
うちのチームの選手も初戦は緊張していたのか、1図から▲1一角成とやって
しまう。
             
これには当の本人はもちろん、見ていた私もヘコんだ。
他にも大声で感想戦をやって隣の人に注意されたり、自分の2手指しを指摘
されると、「アンタ分かってたら教えてくりゃいいでしょう」と逆に相手に食って
かかる人もいて、マナーや行儀の悪さが目立った。
 大会2日目の朝、審判を務める棋士のスピーチはいかにも苦しげだった。
「昨日は反則やトラブルが多かったですね。でも皆さんがそれをちゃんと自分
たちで解決なさっていたのは立派でした」
そうなのか?
いや、他に言うこともなかったんだろう。同情します。
 何だか面白くない話ばかりになってしまったが、最後はさいたま市のエース
吉田さんのスカッとした寄せを見ていただこう。
            
【第2図からの指し手】
   ▲2一角△同玉▲3一馬△1一玉▲1二歩△同玉▲2一銀△1一玉
   ▲1二歩△同飛▲同銀成△同玉▲2一馬△同玉▲3一飛△2二玉
   ▲2一金△1二玉▲1一金△2二玉▲2一飛成まで
途中▲2一馬のタダ捨てが妙手でピッタリ詰んでいる。お見事。
しかし残念ながらこの勝利も空しく、さいたま市はあえなく予選敗退。
優勝候補だった埼玉県もベスト8止まりで、前夜祭で私が言った「埼玉県に勝
って優勝」はかすりもしなかった。
結局優勝したのは・・・・・・忘れた。