02年の9/6〜10にスウェーデンに行って来た。 |
日本とスウェーデンの将棋交流、および10月に東京で開催される国際将棋トーナメント戦の |
選手強化が目的で、今回はNPO法人の「将棋を世界に広める会」から私が派遣された。 |
【9月6日】 |
私はヨーロッパは初めて。デンマークのコペンハーゲンで飛行機を乗り換え、スウェーデン |
上空に達すると眼下には一面森と湖の美しい世界が広がっていた。 |
スウェーデンのアーランダ国際空港に着くと、ロビーでピーター金子さんが出迎えてくれた。 |
思っていたよりだいぶ若く、訊くと22歳の大学生とのこと。 |
金子さんはお父さんが日本人、お母さんがスウェーデン人で、以前日本にも住んでいたこと |
があり日本語がかなり話せる。滞在中はずっとガイドを務めてくれ大助かりだった。 |
現地の人は普段はスウェーデン語を話すが、国民の95%は英語が話せるそうだ。 |
空港からアーランダエクスプレスに20分ほど乗ると、T―セントラーレンという大きな駅に |
着いた。ここが首都ストックホルムの中心街らしい。そこから地下鉄で2駅目のスラッセンに |
私の泊まる「HOTELL ANNO 1647」があった。 |
築355年の古いホテル。スウェーデンは戦争の被害を受けていないため、街には古い建物 |
が多い。フロントでチェックインしたが、中が迷路のようでよくわからず金子さんに部屋まで |
案内してもらった。 |
荷物を置き、2人で夕食を取りに外へ出る。10分ほど歩くと翌日の集合場所になっている |
レストランがありそこで食事を取った。スウェーデンの主食はジャガイモらしく、どのメニュー |
にもついている。 |
私はステーキを食べたが、肉の回りはジャガイモだらけだった。 |
食事を済ませると8時過ぎ。空はもう薄暗かった。白夜が見られるかと期待していたが |
ストックホルムでは無理らしい。スウェーデン北部では見られるところもあるそうだが。 |
ホテルの前で金子さんと別れこの日は早めに寝た。 |
【9月7日】 |
昼ごろ昨日のレストランに着くと、既に何人か将棋関係者らしい人が集まっていた。 |
皆ちらちらこちらを見ている。金子さんが いないのがちょっと不安だ。 |
思い切って中の1人に 「支部長のダネルドさんですか?」 と聞いてみた。 |
「いいえ。あなたはサトウさん?」 |
「はい」 |
「スウェーデン支部の○○○です」 |
これで一安心。しばらくするとダネルドさんもやって来た。 |
「ようこそいらっしゃいました」 |
「初めまして」 |
中に入って食事を取っているところへ金 子さんも到着。これで会話もスムーズに運ぶ。 |
食事を済ませ会場のチェ スクラブまで10分ほど歩く。 |
表に「65」とあるのは1965年にできたクラブなのだろうか。 |
中に入りダネルドさんが私を皆に紹介してくれた。 |
総勢12〜13名くらい。思っ ていたよりちょっと少ない。 |
スウェーデンの将棋人口は100人程度で、ストックホルムだけだと20人くらいだそうだ。 |
そしていよいよ多面指し開始。手合いは オール平手で私が先手。 |
これも思っていたのと違うが、チェスの習慣によるところが大きいようだ。 |
対戦者の棋力は初級者から有段者までさまざま。 |
スウェーデンチーム大将の金子さんは力戦振飛車、ダネルド支部長はいま日本でも流行の |
「ゴキゲン中飛車」を得意にしているようだ。 |
中には自分で熱心に棋譜を採る人もいたが、日本とは表記方法がかなり違う。 |
どちらかというとチェ スのそれに近い。 |
1時間半ほどで全てのゲームが終わり私の全勝。
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「もう1局指しませんか」と言うと、数人が再度チャレンジしてきた。 |
2度目は緊張感もほぐれかなり余裕があったが、今度は大将の金子さんに見事に負かされた。 |
終わった瞬間回りから拍手が起こった。 |
金子さんは日本に住んでいた とき大宮の将棋道場で三段を認定されたと後で聞いた。 |
2回り済み、皆で記念写真を撮ったところでこの日はお開き。 |
まだ夕食には早い時 間だったので金子さんとチェスや将棋を指しているうちに辺りは真っ暗。 |
お腹もすいていなかったので真っすぐホテルに帰って寝た。 |