交通事故悲話(病院)

救急車で朝霞台の○○病院に運ばれた。
金曜日の夜7:00過ぎとなれば、外来も終了して患者さんもほとんどいない。
すぐに診察室に通され医者に事故の状況を聞かれた。
 医者 「交通事故ね。どこか痛いところはありますか」
 啓  「肩が痛いです」
 医者 「頭は打ちましたか」
 啓 「ええ打ちましたけど、ヘルメットを被っていたので特に何ともありません」
 医者 「とりあえずレントゲンを撮りましょう」

レントゲン室に案内され肩の写真を何枚か撮られた。
その写真を持って再び診察室へ。

 医者 「骨は折れてないようですね」
 啓 「そうですか(ああ良かった)」
 医者 「でも交通事故だから、そのうちあちこち痛くなってくるかもしれませんよ」
 啓 「・・・・・」
 医者 「今日のところは帰っていいですから、明日また外来に来てください」
 啓 「明日は土曜日ですが」
 医者 「土曜日も外来は夕方5:30までやってます」
 啓 「そうですか、ありがとうございました」
 看護婦 「それでは佐藤さん、受付で会計を済ませて下さい」

言われた通り受付に向かった。

 事務員 「佐藤さん、今日は¥22,770円になります」
 啓 「えっ!何でそんなに高いの?」
 事務員 「交通事故は保険が利かないんですよ」
 啓 「でもそんなに持ち合わせがありません」
 事務員 「それでは一週間支払いを猶予しますから、『支払い誓約書』を書いて下さい」
 啓 「国民健康保険も利かないんですか?」
 事務員 「利かないことはありませんが、その場合は市役所の保険課に行って、交通事故に
       国保を適用する許可をもらって下さい。
       その場合、許可した担当者の名前をこちらに教えて下さい」
 啓 「(まったく面倒くさいなー) 治療費は加害者の保険会社が払ってくれんじゃないですか」
 事務員 「それは相手と相談して下さい」
 啓 「はー」

結局、支払い誓約書を書いて病院を後にした。
電車で朝霞の事故現場に戻ろうと思い、東武東上線の朝霞台駅まで歩いた。
駅で電車を待っていると左足が急に痛みだした。
 啓 「やっぱり医者の言った通りだ」

事故現場に戻るとそこには壊れたバイクだけが残され、すでに警察もAさんもいなかった。
 啓 「やっぱりAさんの連絡先訊くいておくんだったな。まあ車のナンバー覚えてるからいいか」
壊れたバイクのエンジンをかけてみると何とか走りそうだ。
それで当初の目的地であった朝霞中央公民館に向かった。