交通事故悲話(警察)

朝霞チェスクラブに到着したのは午後8時頃。
しかしとてもチェスを指す気にならず、携帯電話で110番した。
 啓 「先ほど朝霞駅前で接触事故に遭った佐藤です。いま中央公民館にいるんですが」
 警察 「それではすぐこちらに来てください」
チェスクラブの仲間に警察署の場所を聞き、すぐにバイクで向かった。

警察に着くと、先ほどのAさん(車の運転者)と彼の上司のCさんがいた。
どうやら私の到着を待っていたらしい。
事故課に案内され、担当のOさんに事故の状況を聞かれ調書を取られた。
一通り説明した後、こちらからも質問した。
 啓 「通院費とかバイクの修理代はどうなるんでしょう」
 O 「それは相手の方と相談して決めて下さい。
    過失割合によって相手の保険会社から支払われるでしょう」
 啓 「一般に今回のようなケースだと過失割合はどうなりますか」
 O 「まあ、追突されたわけじゃないから10対0というわけにはいかないでしょう。
    9対1か8対2くらいになるかもしれない」
 啓 「はー、そうですか」
 O 「今回は佐藤さんのほうが被害者ということで処理しておきます。
    なるべく早い時期に診断書と自賠責保険証、交付証明のコピーを持ってきて下さい」
 啓 「わかりました。明日持って来ます」

事故課を出るとAさんとCさんはまだ待っていた。
 C 「本当に申し訳ありませんでした。これが私どもの保険会社の番号です。
    先ほど電話をしておきましたので月曜日に佐藤さんに連絡がいくと思います」
 啓 「わかりました。それでは今日は失礼させていただきます」
帰ろうとすると先ほどのOさんに呼び止められた。
 O 「佐藤さんちょっとお話があります。AさんとCさんはお引き取り下さって結構です」
 A、C 「失礼します」

Oさんに連れられ再び事故課のほうへ。
 O 「佐藤さんに確認しておきたいことがあります。
    Aさん(運転者)とBさん(同乗者)の処罰を望みますか」
 啓 「いえ、望みません」
 O 「そうですか。わかりました」
どうやら私を相手と引き合わせ話をさせた後で確認するつもりだったらしい。
なるほどと妙に感心してしまった。
その日はそれで解放されたが、これからの手続きの煩雑さを考えると気が重かった。