埼玉将棋大賞2000


 【佐藤】 今年の大会も12月17日の朝日アマ(北関東大会)で、主なものは全て終了しましたね。
      ところで今年から年末に埼玉将棋大賞を選考してはどうでしょう。
 【小島】 いいね。実はその企画は以前から考えていたんだけど、発表の場がなかった。
      今年から県連のホームページができたので是非やりたいね。
 【佐藤】 それでは早速、今年の県棋界を振り返っていただきましょう。
      小島さんから見てどんな1年でしたか。
 【小島】 そうね、やはり四強(遠藤正樹、松本誠、古賀一郎、長岡俊勝)の活躍が目立ったけど
      今年前半の渡辺久記君の活躍や、アマ名人戦(7/30)で佐藤歩君が優勝したのも印象に
      残ってる。
 【佐藤】 ええ、前半の久記君の活躍は本当に素晴らしかったですね。
      支部名人戦(2/13)とアマ竜王戦(5/5)で優勝しました。
      竜王戦で高校生の小関健太君(慶応志木3年)が準優勝したのも快挙でした。
 【小島】 高校生の全国大会代表は初めてかな。
 【佐藤】 はい。関東大会などの代表はありますが。
 【小島】 あと目立った活躍といえば浅井千晶君と加藤欣也君かな。
      浅井君はアマ竜王戦と王将戦(10/9)でベスト4に入った。
      加藤君は大会参加こそ少ないけど、アマ名人戦で決勝に残り、ほとんど勝利をつかみかけて
      いたね。
 【佐藤】 昨年まで遠藤君の一人勝ちが続いていましたが、今年は決勝負けが多かったですね。
 【小島】 そうね。支部名人戦川越予選(対長岡)、支部名人戦(対渡辺)、関東アマ名人戦(対松本)
      アマ王将戦(対松本)と4回負けてる。
 【佐藤】 ところでジュニア(小学生〜高校生)はどうでしたか。
 【小島】 吉田正和君(大井・京華中3年)が翔風館支部の研究会でも強豪に勝っているようだ。
      ジュニアでは抜けている感じがする。
      ただ中村亮介君(現奨励会)や金井恒太君(同)がいた頃に比べると、ちょっと寂しいかな。
 【佐藤】 ええ、私もそう感じます。誰か有望株はいませんか。
 【小島】 小学生に有望な子が多いけど、中でも黒沢怜生君(熊谷東小3年)に注目しているよ。
      県小学生名人戦で2位だったけど、まだ3年生なのでこのまま伸びれば相当強くなりそうだね。
 【佐藤】 中・高生ではどうでしょう。
 【小島】 中学生では和井田祐司君(春日部東2年)と森久太郎君(久喜南1年)が順調に伸びている。
      高校生は高梨孝司君(浦和2年)の一人勝ち状態だったね。
      4つのタイトル(選手権、竜王、王位、王将)のうち、王位を除く3つを取ったからね。
 【佐藤】 そうですね。王位戦では小関君が決勝で高梨君に勝って、辛うじて高梨君の全冠制覇を阻止
      しました。
      しかし来年は小関君が卒業するので、ちょっと高梨君の対抗馬が見当たりませんね。
      小関君は後輩に「高梨君に全部取らせちゃダメだよ」とハッパをかけてました。
 【小島】 小関君は高梨君にライバル意識が相当あったようだ。
      高梨君を抜くことはできなかったけれど「学生名人を目標に頑張ります」と言ってたよ。
 【佐藤】 へー、それは是非とも小島さんや私が達成できなかった夢を実現してもらいたいですね。
 【小島】 君は最初からそんな夢もってなかったろ。
 【佐藤】 ふふふ。 それではこの辺りで来年の展望をお願いしまう。
 【小島】 そうね、やはり四強は揺るがないと思う。 彼らに小牧毅君、渡辺君、佐藤君あたりがどう絡むか。
 【佐藤】 私は遠藤、松本の二強時代になりそうな気がします。 それに両佐藤がどう絡むか。
 【小島】 両佐藤?
 【佐藤】 失礼しました。 ところでそろそろ小島さんのカムバックも。
 【小島】 ありません。 でもペア戦は頑張るよ。
 【佐藤】 それは残念です。 ではここから大賞、三賞および各部門賞の選考にうつりたいと思います。
      まず大賞からお願いします。
 【小島】 大賞は遠藤、松本の両君が甲乙つけがたいね。 大会の成績もいい勝負だったでしょ。
 【佐藤】 遠藤君は彩の国名人戦優勝(1/30)、支部名人戦準優勝(2/13)、関東アマ名人戦準優勝
      (4/23)、アマ竜王戦ベスト16(5/5)、アマ王将戦準優勝(10/9)ですね。
      松本君は彩の国名人戦ベスト8、関東アマ名人戦優勝、アマ竜王戦3位、アマ名人戦ベスト4
      (7/30)、アマ王将戦優勝です。
 【小島】 ただ遠藤君は決勝で松本君に2回負けているということもあるけど。
 【佐藤】 遠藤君は全国大会でも、平成最強戦(大阪)優勝、アマ名人戦3位と素晴らしい活躍でしたが
      松本君もアマ王将戦で全国優勝していますね。
      本当に甲乙つけ難いんですが、県大会を見ると松本くんかなという気がします。
 【小島】 そうね。
 【佐藤】 それでは栄えある第1回埼玉将棋大賞は松本誠六段に決定したいと思います。
 【小島】 今回は松本君になったけど、平成3年〜11年までは9年連続で遠藤君だったろうから
      ちょっと申し訳ない気がするね。
 【佐藤】 次に三賞の選考にうつりますが、殊勲、敢闘、技能の順にお願いします。
 【小島】 殊勲賞は高校生でアマ竜王戦準優勝の小関君でしょう。
      敢闘賞は支部名人戦とアマ竜王戦で優勝した渡辺君。
      技能賞は初出場でアマ名人戦優勝の佐藤君かな。
 【佐藤】 私も全く同意見です。ここはすんなり決まりましたね。
      あとは年間最高試合と年代別優秀選手の選考ですが。
 【小島】 年間最高試合か。 今年は記憶に残るような将棋が少なかった気がする。
      昨年のアマ名人戦決勝(遠藤−古賀)は素晴らしかったけどなあ。 何かないのかな。
 【佐藤】 私は彩の国名人戦決勝の遠藤vs長岡戦を推します。
      内容もハイレベルで、最後までどちらが勝つかわからないスリリングな展開でした。
 【小島】 あれは1局目は千日手になったんだよね。
 【佐藤】 ええ、相穴熊の大熱戦でした。
      途中ではいい棋譜が採れて喜んでいたんですが、千日手になってもったいなかったですね。
      千日手にならなければ、こちらを推していたかもしれません。 他に候補はありますか。
 【小島】 いや、それでいいでしょう。
 【佐藤】 年代別優秀選手の方はいかがですか。
 【小島】 これは比較的選びやすいね。
      まず10歳以下は県小学生名人戦2位の黒沢君。これは問題ないでしょう。
      10代は高梨君。県高校三冠は立派。
      対抗馬として小関君、和井田君、森君もいるけど、高梨君は年末のジュニア選抜で優勝して
      いるし、やはり10代ではトップでしょう。
      実力のある吉田正和君は県大会ではあまり活躍がなかったね。
      20代は松本君、30代は遠藤君で決まり。 40代は彩の国名人戦ベスト4の小林茂弥さん。
 【佐藤】 彩の国ベスト4だけでは、ちょっと決め手に欠けるような気もしますが。
 【小島】 今の県棋界は20代、30代が強く40代以上は苦戦を強いられているんだよ。
      他に40代では中村匡志さん、羽賀田明さん、吉野勇さんらがいるけど、あまり目立った活躍は
      ないね。 小林さんの彩の国ベスト4は立派だったと思うよ。
 【佐藤】 ちょっと待ってください。確か加藤さんも40代ですよ。
      アマ名人戦で準優勝してますから、40代の優秀選手は加藤さんだと思いますが。
 【小島】 そうか、うっかりしてた。アマ名人戦準優勝の加藤君を外すわけにはいかないね。
      小林さんは惜しくも次点か。 続いて50代は吉田泰二さん。
 【佐藤】 ははは・・・我々(吉田軍団)の大将ですか。
 【小島】 吉田さんはレーティング選手権県代表とアマ名人戦ベスト8があるからね。
 【佐藤】 ああ、そうか。初めは冗談かと思いました。失礼しました。
 【小島】 60代はシニア名人戦優勝の森健一さん。 70代以上はねんりんピック優勝の萬宏三さん。
 【佐藤】 いいんじゃないでしょかうか。
      ところで受賞された方に、県連から何か賞品が出るんですか。
 【小島】 いや、名誉だけということで。
 【佐藤】 これで全ての選考が終了しましたが、この企画結構面白いですね。
 【小島】 来年からはもっと人数増やしてやりたいね。
 【佐藤】 そうですね、できれば会長にも参加していただいて。 本日はありがとうございました。
 【店員】 ビールお待ちどうさま。             (2000年12月21日 浦和某所)
  【大賞】 松本 誠(熊谷)  全国アマ王将戦優勝、関東アマ名人戦代表
  【殊勲賞】 小関健太(浦和)   【敢闘賞】 渡辺久記(朝霞)   【技能賞】 佐藤 歩(草加)
  【年間最高試合】 遠藤正樹 vs 長岡俊勝 (彩の国名人戦決勝)
年 代 別 優 秀 選 手
  【10歳未満】 黒沢怜生(熊谷)   【10代】 高梨孝司(草加)   【20代】 松本 誠(熊谷)
  【30代】 遠藤正樹(浦和)   【40代】 加藤欣也(浦和)   【50代】 吉田泰二(浦和)
  【60代】 森 健一(行田)   【70代】 萬 宏三(所沢)