成卦主は、
初爻で、積極的に事を行なって吉を得る。

風雷益


益は、上を損して、下を益す。

天地否の四爻の一陽が、初爻に下がり下に陽が来たので下から見て益すという。

@益す事あり、利益あり
A積極的に事を行なって良い時
B盛運の時

彖辞 益は、往くところあるに利ろし。大川を渉るに利ろし。

彖伝 益は、上を損し下を益す。民の説ぶこと疆りなし。上より下に下る、その道大いに光る。往くところあるに利ろしとは、中正にして慶びあるなり。大川を渉るに利ろしとは、木道すなわち行なわるるなり。益は動きて巽い、日に進むこと疆りなし。天は施し地は生じ、その益は方なし。およそ益の道は、時と偕に行う。

象伝 風雷は益なり。君子もって善を見ればすなわち遷り、過ちがあればすなわち改む。

(爻辞)
初爻 もって大作を為すに利ろし。元吉にして、咎なし。 
二爻 あるいはこれを益す。十朋の亀も違う克わず。永貞にして吉。王もって帝に享す。吉。
三爻 これを益すに凶事に用いて咎なし。孚ありて中行。公に告ぐるに圭を用う。
四爻 中行、公に告げて従わる。依りて国を遷すことを為すに用うるに利ろし。
五爻 孚ありて恵心。問うことなくして元いに吉。孚ありて我に徳を恵む。
上爻 これを益するなし。あるいはこれを撃つ。心を立つること恒なし。凶。

(小象伝)
初爻 元吉にして咎なきは、下、事を厚くせざるなり。
二爻 あるいはこれを益するは、外より来るなり。
三爻 凶事に用いて益すは、固くこれを有するなり。
四爻 公に告げて従わるは、志し益するをもってなり。
五爻 孚ありて恵心は、これを問うことなかれ。我に徳を恵むは、大いに志を得るなり。
上爻 これを益するなきは、偏辞なり。あるいはこれを撃つは、外より来るなり。