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東京を出発して七日目の朝。
貨物船が大阪の港に着岸。
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船長>
それでは船員の人達は、
食料調達班と燃料補給班と生活必需品調達班
にわかれて行動するんで、
一人もしくは二人でそれぞれの班の警備をするよう
お願いしますね。
たまねぎ太郎>
あのさー、
船長>
はい。
何でしょう?
たまねぎ太郎>
俺らには自由行動はないの?
船長>
そうですねー。
それぞれの班の目的の作業が終ったら
その後は自由時間にしましょうか。
たまねぎ太郎>
自由時間には、どこに行こうと何をしようと
自由ってことだな?!
警備もしなくていいんだな?!
船長>
そうですね。
自由時間だから警備もしなくていいでしょうね。
桃太郎>
よっしゃー!
鬼太郎>
やりー!
犬太郎>
わんわん!
たまねぎ太郎>
自由時間には何を買おうかなー。
どこに行こうかなー。
何をして遊ぼうかなー。
今から楽しみだなー。
鈴木>
あのー、
たまねぎ太郎>
ん?
何だ鈴木。
鈴木>
あっしはお金を持っていないので
買い物も何もできないでやんすよ。
だからお小遣いが欲しいでやんすよ。
たまねぎ太郎>
あ!
そうだな!
俺たちもお金が要るよな!
船長、今の聞いてただろ?
俺たちにお小遣いくれよ。
船長>
お小遣い、ですか。
そうですねー。
うーん。
いいでしょう。
お小遣いをあげましょう。
たまねぎ太郎>
やったー!
船長>
でも余分なお金が今手元にないので
銀行に行って卸してきますね。
ちょっと待っててくださいね。
たまねぎ太郎>
うん。
わかったよ。
早く行ってきてな。
鈴木>
あのー、
たまねぎ太郎>
ん?
何?
鈴木>
船長が銀行に行くのなら、あっし達もついていって
警備したほうがいいんじゃないんでやんすかね?!
船長>
あ、そうですね!
では初仕事ということで
私についてきて警備してもらえますか?
たまねぎ太郎>
えー、めんどくさいなぁ。
鈴木も余計なこというんじゃないよ。
でもなぁ、船長が卸したばっかりの金を
ひったくりに盗まれるとも限らないからなぁ。
そうなると俺たちのお小遣いがなくなっちゃうからなぁ。
よし。
じゃあみんなでついていくか。
鈴木>
別に5人全員でついていく必要はないんじゃないんでやんすか?
たまねぎ太郎>
お前なぁ、一人でついて行くより5人でついていったほうが
より安全だろ?!
鈴木>
はぁ。
それはそうでやんすけど、5人は多すぎじゃないでやんすか?
たまねぎ太郎>
いいんだよ、別に。
5人揃ってベジタブラーなんだから。
な?!
船長?!
船長>
そうですね。
私は5人ついてきてもらっても全然かまいませんが。
たまねぎ太郎>
だよなー。
ということで5人で行くからな。
わかったな。
鈴木>
へい。
わかりやした。
つまり、たまねぎ太郎一人だと怖いんでやんすね。
たまねぎ太郎>
あんだと、この野郎ー!
俺が怖いわけねーだろ!
人数が多いほうがより安全だって言ってるだけだろー!
鈴木>
違いやすよ。
たまねぎ太郎が怖いんじゃなくて、
船長が、たまねぎ太郎一人だと怖い、ってことでやんすよ。
たまねぎ太郎>
なるほど。
それならいいよ。
よかねーよ!
俺を馬鹿にしていることにはかわりねーよ!
しかもなんだよ。
さっきから呼び捨てにしやがって。
鬼太郎>
まぁまぁまぁまぁ、落ち着いて。
鈴木も余計なこと言わなくていいから。
じゃあ行こうか、店長。
船長>
そうですね。
では行きましょう。
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銀行にて
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船長>
ではキャッシュ・ディスペンサーでお金を卸してきますから
イスにでも座って待っててくださいね。
たまねぎ太郎>
おっけー。
鈴木>
ちょっとちょっと。
おっけー、じゃないでやんすよ。
せめて二人は船長のそばで警備したほうが
いいんじゃないんでやんすか?
たまねぎ太郎>
なんだと?!
さっきからやけに俺にたてつくじゃねーか。
鈴木よ。
鬼太郎>
まぁまぁ。
鈴木の言うことももっともじゃない。
じゃあ俺と鈴木の二人で船長を警備することにしようか。
船長>
そうですか。
ではお願いしますね。
銀行強盗A>
よーし!
みんな、動くな!
船長>
ん?
何でしょうかね。
たまねぎ太郎>
覆面被ってピストルを持った男が二人いるみたいだな。
桃太郎>
あれ、銀行強盗じゃねーの?
鬼太郎>
うん。
銀行強盗だね。
犬太郎>
俺、本物の銀行強盗はじめて見るよ、
鈴木>
あっしもはじめて見るでやんすよ。
船長>
私もはじめて見ますよ。
いやー、本当に覆面かぶってるんですねー。
なかなか興味深いですねー。
たまねぎ太郎>
船長さぁ、
船長>
はい?
たまねぎ太郎>
船長はじっと見てなくていいからさ、
早くお金卸してきなよ。
船長>
え?
ああ、はいはい、そうですね。
では待っててくださいね。
銀行強盗A>
おい、こらっ!
そこっ!
動くなって言ってるだろ!
撃つぞ!
船長>
あれ?
あれ、私達に言っているんじゃないんでしょうかね。
たまねぎ太郎>
まさか。
そんなことないでしょう。
銀行強盗A>
おい!
そこの鬼の面をかぶった奴と犬の着ぐるみを着た奴と
あほづらした奴とその他3人!
うるさいぞ!
しゃべるな!
動くな!
じっとしてろ!
船長>
やっぱり私達に言ってるみたいですね。
鈴木>
そうでやんすね。
あっし達の中には、
あほづらしたたまねぎ太郎がいますしね。
たまねぎ太郎>
そうそう。
あほづらした俺が
って、鈴木ーーーーーーー!!!
鈴木>
ベジタブラー見参!!
でやんすよ!
お前達、銀行強盗でやんすね!
たまねぎ太郎>
だーーーーーー!!!
鈴木!
何言っちゃってるの?
銀行強盗A>
ああ、そうだよ!
俺らは銀行強盗だよ!
命が惜しけりゃじっとしてな!
鈴木>
やーっぱり銀行強盗でやんすね!
そんな悪い奴らはベジタブラーが退治するでやんすよ!
たまねぎ太郎>
ばか!
鈴木!
銀行強盗を刺激すんなって!
殺されちゃうぞ!
銀行強盗A>
何ー?
俺たちを退治するだぁ?
面白い。
やってもらおうじゃねーか。
鈴木>
さぁ!
リーダー、やってやりましょうでやんすよ!
銀行強盗A>
そうか。
お前がリーダーか。
たまねぎ太郎>
え?
お、俺?
違う、いや、そう、いや、あのー、
えーい!
めんどくさい!
そうだよ!
俺がベジタブラーのリーダーだよ!
よーし!
いっちょやったるかー!
タマタブラー参上!!
桃太郎>
・・・
鬼太郎>
・・・
犬太郎>
・・・
鈴木>
スズタブラー参上!!
たまねぎ太郎・鈴木>
二人揃って、野菜戦隊ベジタブラー!!!
鈴木>
でやんすよ!
たまねぎ太郎>
って、二人じゃねーよ!
お前達もちゃんと参上って言えよ!
桃太郎>
ばかっ!
話しかけるな!
仲間だと思われたらどうするんだ!
銀行強盗A>
おいおい。
そこの4人も仲間なんだろ?!
とっくにばれてるぞ!
たまねぎ太郎>
ほら。
ばれてるって!
もういいじゃん!
こっちは5人もいるから勝てるって!
一緒に戦おうぜ!
桃太郎>
そうだな。
5人もいるから勝てるよな。
よし!
いっちょやったるか!
たまねぎ太郎>
じゃあ、もう一回行くぞ!
タマタブラー参上!
桃太郎>
ピー
銀行強盗A>
おいっ!!!
桃太郎>
チ?
銀行強盗A>
もういいよ。
うるせーよ。
両手を上にあげてそのまま床の上に腹ばいになれ!
言うことを聞かないと撃つぞ!
たまねぎ太郎/桃太郎/鬼太郎/犬太郎>
はい。
こうですか?
鈴木>
あれれれれ?
戦わないんでやんすか?
たまねぎ太郎>
バカ!
鈴木!
相手はピストルを持ってるんだぞ!
撃たれでもしたらどうするんだよ!
鈴木>
はぁ。
そうでやんすね。
船長>
・・・とんだ正義のヒーローですね。
銀行強盗A>
おい!
そこの二人も床の上に腹ばいになれ!
船長>
はいはい。
鈴木>
へい。
銀行強盗B>
アニキ!
お金を手に入れやしたぜ!
早いとこズラかりやしょう!
銀行強盗A>
そうか。
それでは早いとこズラかるとするか。
おい!
そこのお前とお前!
たまねぎ太郎>
おい!
桃太郎と鬼太郎!
強盗が呼んでるぞ!
銀行強盗A>
違うよ!
お前だよ、お前!
たまねぎ太郎>
え?
ぼ、僕?
銀行強盗A>
そうだよ。
お前だよ。
それから、お前!
鈴木>
へい。
あっしでやんすね。
銀行強盗A>
俺達と一緒に来い!
鈴木>
え?
お金をわけてくれるんですか?
銀行強盗A>
違うよ!
警察に追いかけられてもいいように
人質として連れて行くんだよ!
鈴木>
なるほどー。
そうでやんすか。
銀行強盗A>
わかったらさっさと来い!
たまねぎ太郎>
たまねぎ太郎>
じゃあな、鈴木。
元気でな。
銀行強盗A>
じゃあな、じゃねーよ!
お前も来るんだよ!
たまねぎ太郎>
え?
僕もですか?
銀行強盗A>
だからさっきからそう言ってるだろ!
お前、殺すぞ!
たまねぎ太郎>
わーーーー!
わかりましたー!
行きます行きます!
桃太郎/鬼太郎/犬太郎/船長>
じゃーねー!
ばいばーい!
たまねぎ太郎>
ばいばーい、って。
冷たいなぁ、お前達。
ということで銀行強盗に一緒に連れて行かれることになった
たまねぎ太郎と鈴木の運命やいかに!