鳩山>
いよいよレースがはじまるでやんす。
ドキドキするでやんす。
ポロッポー。
鳩田>
よー!鳩山!
元気か?
ポロッポー。
鳩山>
あ!鳩田さん!
おはようでやんす。
ポロッポー。
鳩田>
おはようおはよう。
確か鳩山も今日のレースが初めてだったな。
どうだい?
調子は?
ポロッポー。
鳩山>
へい。
めちゃめちゃ緊張してるでやんす。
ポロッポー。
鳩田>
はははははは。
そうかいそうかい。
俺も初めてだからちょっと緊張してるもんなぁ。
ポロッポー。
鳩山>
え?
アマチュアのレース大会では向かうところ敵無しの鳩田さんでも
緊張してるんでやんすか?
ポロッポー。
鳩田>
ああ、そうだよ。
やっぱりプロのレースはアマチュアとは違うからな。
それはちょっとは緊張するさ。
緊張で、足なんか棒みたいに硬くなっちゃってるもんね。
ポロッポー。
鳩山>
へー、鳩田さんでもそうなんでやんすか。
あっしも、今、緊張で足が棒みたいになっちゃってるでやんすよー。
ポロッポー。
鳩田>
おいおい。
そこは、
「鳥類の足は元々棒みたいに硬いでやんすよー。」
って、ツッコむところだろー。
はっはっはっは。
ポロッポー。
鳩山>
あっ!
そうでやんすね。
すまないでやんす。
ポロッピー。
鳩田>
おいおい。
「ポロッピー」
じゃなくて
「ポロッポー」
だろ。
ポロッポー。
鳩山>
あっ!
そうでやんすね。
たびたびすまないでやんす。
緊張して口がうまくまわんなかったでやんす。
ポロッポー。
鳩田>
緊張のせいか?
さっきまではちゃんと
「ポロッポー」
って言えてたじゃん。
まぁ、いいよいいよ。
お互いそんなに緊張しないでリラックスしていこうぜ。
いつもの練習どおりにやればいいんだからさ!
ポロッポー。
鳩山>
へい。
わかったでやんす。
いつもの練習どおりにやるでやんす。
ポロッポー。
鳩ブラック>
おいおい。
お前達。
そんな調子で大丈夫か?
緊張してるのはいいけど、
変な飛び方とかして俺の邪魔すんじゃねーぞ?!
カーカー。
鳩田>
お前、誰だよ。
やけに偉そうなやつだなぁ。
ポロッポー。
鳩ブラック>
俺か?
俺は鳩ブラックってもんだ。
カーカー。
鳩田>
鳩ブラック?
聞いたことねーな。
おい、鳩山。
お前聞いたことあるか?
ポロッポー。
鳩山>
全く聞いたことないでやんす。
ポロッポー。
鳩ブラック>
ははははははは。
聞いたことなくて当然だよ。
俺も今回のレースが初めてだからさ。
カーカー。
鳩田>
なんだ。
お前も初出場なんじゃねーか。
偉そうに。
俺はアマチュアレースでは向かうところ敵無しの鳩田だぞ。
ポロッポー。
鳩ブラック>
はははははは。
アマチュアでは向かうところ敵無しでも
プロのレースではどうかな。
俺に勝てるかな。
レース後に、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をする鳩田さんが見れそうでとても楽しみだよ。
ま、ひとつよろしく頼みますよ。
アマチュアチャンピオンさん。
カーカー。
鳩田>
はははははは。
俺は、お前がレースがはじまる前に
そんな顔をすると思うがな。
ポロッポー。
鳩ブラック>
はははははは。
なんでレースも始まってないのに
そんな顔するんだよ。
ありえないよ。
まぁ、いいけどね。
カーカー。
鳩田>
そっか。
わかんないか。
わからなければ別にいいけどね。
ポロッポー。
鳩ブラック>
さてと、じゃあぼちぼち出場選手登録でもしとくか。
登録所は、どこだ?
お、あったあった。
なんだ目の前にあったのか。
あのー、すみませーん、
カーカー。
登録所の人>
カラスは出れませんよ。
鳩ブラック>
うっそーーーーーーーーーーーん!
まじでーーーーーーーーーーーー!
がっびーーーーーーーーーーーん!
あのー、
僕、
鳩ですよ、
鳩。
カーカー。
登録所の人>
鳩ですよ、て、
カーカーって言ってるじゃん。
カラスじゃん。
鳩ブラック>
カラスじゃないですよ。
鳩ですって、鳩。
いいですか。
よく聞いててくださいね。
カ、
カロ、
カカカロ、カロッカ、
カロロッカ、カッロ、
カポロッ、ポカッポ、ポ、ポロカ、
ポロ、ポロ、ポロロカロロロ、
ポロッカー、
ポロッカー。
ね?!
カーカー。
登録所の人>
何が
「ね?!」
だよ。
全然言えてないじゃん。
しかも最後油断して
「カーカー」
って言っちゃってるし。
鳩ブラック>
そうですね。
おたくの言う通りですよ。
あー、もう。
はいはい。
そうさ。
そうだよ。
俺はカラスさ。
カラスだよ。
カラスじゃいけねーのかよ!
カラスじゃレースにでれねーってのかよ!
カーカー。
登録所の人>
もちろん出れないです。
これ、鳩レースですから。
鳩ブラック>
ちくしょー!
覚えてろよー!
カーカー。
鳩田>
あはははははは。
おい、見たか、鳩山よ。
あの鳩ブラックの、鳩が豆鉄砲をくらったような顔。
ポロッポー。
鳩山>
見たでやんすー。
うわははははははははは。
ポロッポー。
鳩田>
はははははははは。
はー、おかしい。
久しぶりに大笑いしたな。
ポロッポー。
鳩山>
そうでやんすねー。
面白かったでやんすねー。
ポロッポー。
鳩田>
じゃあ、俺らもぼちぼち登録しに行くか。
受付時間を過ぎてしまうとレースに出れなくなってしまうからな。
ポロッポー。
鳩山>
そうでやんすね。
行きましょうでやんす。
ポロッポー。
鳩田>
登録所はここだな。
あのー、
登録所の人>
九官鳥もダメだよ。
鳩田>
だめかーーーーーーーーーーーーーー!!
やっぱだめかーーーーーーーーーーー!!
せっかく鳴き声真似してたのにーーー!!
ポロッポー。
登録所の人>
あんたねぇ、うちらはバカじゃないんだからさ。
いくら鳴き声真似してもさ、。
姿があきらかに九官鳥じゃん。
バレバレですよ。
鳩田>
そっかー!
姿かぁ!
そこに気付かなかったなぁ。
しまったなぁ。
うかつだったなぁ。
ちくしょー。
来年はハネを灰色に染めてくるぞー。
覚えてろよー。
オハヨー。
鳩山>
・・・・・・
鳩田さんって、九官鳥だったんだぁ。
鳴き声にだまされてたなぁ。
でもこれでライバルが一人減ったぞ。
しめしめ。
ポロッポー。
登録所の人>
それからそこのインコもダメだからね。
鳩山>
やっぱそうだよねーーーーーーー!!!
俺も来年は羽を灰色にしてこよーっと!
ピーチャンカワイイネー。