こうやって書いてみると、ランエボ＆インプのハイパワー4WDのイメージから4WDモデルの方が凄いように思えますが、ところがこの”ビスカスカップリング式”の4WDというのは、センターデフにビスカスカップリングを用いた4WDシステムでして、その作動は”前後輪に回転差が生じたときのみリヤに駆動力を分配する”という方式です。つまり、”前輪が滑ったらリヤが駆動”というわけで、俗に『滑ったら四駆』と呼ばれているものでして。トヨタ的に言うと、”Ｖフレックス4WD”と呼ばれるヤツで、ヴィッツクラスからカローラ系、ミニバン系まで、乗用車系の4WDモデルに幅広く採用されてます。普段は全くFFとして駆動してるので従来のFF乗用車と違和感なく、いざ駆動輪が滑った際にはリヤがしっかり駆動する、と言う一石二鳥を狙ったシステムで。

それに対して、いわゆるランエボ＆インプのハイパワー4WD系はセンターデフにも普通の歯車のデフを持っています。よって、基本は常に４輪全部駆動していて、路面状況＆走行状況に合わせて前後の駆動力配分を変えてやる、と言うシステムを採用しているため、常にエンジンパワーをロス無く路面に伝えられ、さらにはコンピュータ制御によって適切な駆動力配分がなされるため、あんなに早いコーナリングが出来るわけです。

長々と書いてしまいましたが、つまりアルトワークスの4WDモデルは、あんまり意味がないんですね（爆）。いや、雪道とか滑りやすい路面を走るには良いのかも知れませんが、それでも”滑ったら四駆”はクセが強いですし。車両重量もFFに比べて５０kg以上重くなりますし。軽量＋ハイパワーが武器のこの車で、５０kg増はやはり痛いでしょう。５０kg重くするだけのメリットがあれば別ですが、そこまでメリットがないのは上記の通り。っつーわけで、アルトワークスはFFモデルで決まり！